攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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誰かとのつながり。何かとのつながり。その積み重ねこそが世界を彩る"絆"

 俺と香苗さんによる戦闘も終わった。なるべくゆっくりと、少しでも逢坂さん達の参考になればと思って普段はやらないような戦い方でやってみたんだけど、それにしたって限界があった。

 ものの数分で片付いてしまったもんだから、駒野さんや庄田さんはまずそのことに驚きを感じているみたいなんだよね。

 

「は、早すぎんだろ……いくら雲の上の実力者だからって、明らかに手加減してるのに」

「スキルを封印して、いつもと違うやり方でもまるで意に介さず……全力だったらマジで、一瞬のうちに終わらせてたんだろうな、二人とも」

 

 桁違いのスピードに慄いているみたいだけど、正直E級モンスター相手だしね。俺や香苗さんじゃなくてたとえば宥さんであっても、このクラスの相手には似たり寄ったりの結果になると思うよ。

 それでも、彼らにとっては今まさに、現在進行系で苦戦している同級帯の強敵達だ。そんなのがあっさり瞬殺されてるのを見たら、多少思うところもあるんだろう。

 

 とはいえ、それは萎縮や諦念のほうではない。

 三木さんと真山さん、それに逢坂さんの女性陣がどこか消沈している二人を激励した。

 

「私達も、いつかはあのくらいやれるようになる可能性がある、ってことだよ二人とも。人にできて自分達にできないなんて、決めつけてたら本当にできなくなるよ」

「玲香の言う通り! 諦めるにはまだまだ、何もしてないわよ私達! 今の戦いを目標にして頑張りましょう!!」

「それに公平さんも御堂さんも、私達にも扱えそうな動きを見せてくださいました。それはつまり、あの動きを取り入れていけば高みを目指す時に活きてくるはずです。私も、運動は苦手ですけど……それでも頑張ります」

「三木、真山……」

「逢坂……」

 

 こういう時、仲間やパーティってのは良いよなあって思う。一時挫折しても、周囲と互いに支え合ってまた立ち上がっていけるんだから。

 女性陣の言葉を受けて、男二人は前を向いた。さっきまでも輝いていた瞳はさらに闘争心に燃え上がり、未だ見ぬ未来を恐れなく踏破せんという気迫を感じさせる。

 

 まあ、こちらとしてもさすがに参考のつもりで見せたバトルで心折られるのは嫌だしね。

 逢坂さん達三人まで心折れそうだったなら、一発シャイニングでもかましつつみなさんになら絶対にできる動きでしたよーってことをお伝えするつもりではあったけど。

 

 とはいえそんな心配もいらなかったね、このパーティは。間違いなく上に行けると確信を抱く。

 気炎を上げる駒野さんが、リーダーに相応しい気迫で改めてここに、決意を高らかに掲げた。

 

「ありがとうみんな、目が覚めたよ……さっきの戦いは間違いなく探査者最高峰の人達によるレクチャーだ! だったら俺達は、眼前で披露してもらえたその技、その動きを必ず取り入れて前に進む! 落ち込んでる暇なんかない、みんなで頑張ろう!!」

「応よ! 俺もやってやるぜ! 特にシャイニング山形には絶対に負けてらんねー、いつか必ず追いついてみせるぜ!!」

「ん、調子出てきたね……私もやるよ。二人に偉そうに言ったけど、私こそいろいろ参考にできそうだからね」

「その意気よ三人とも! 私もますます《医療術》に磨きをかけていつかは《医療魔法》に仕上げてみせるから、精々死なない程度の怪我をするくらい頑張ってちょうだい!」

「私も、サポートするだけじゃなくて少しくらい戦えるように頑張ってみます……! みなさんとならきっと、もっと私も頑張れると思いますから!」

 

 呼応して意気込みを叫ぶ逢坂さん達。熱血してるなー、青春だなー!

 なんていうか見ていて清々しい、気持ちの良い人達だ。爽やかで、応援したくなる前向きさがある。庄田さんはなんかやっぱり俺をライバル視してるっぽいけど、それで彼が高みを目指せるんならどうぞどうぞって感じ。

 

 香苗さんや宥さんと顔を見合わせ、ともに微笑みうなずく。

 良いものを見させてもらったよ、仲間の素晴らしさはここ半年で俺にも理解できていたけど、改めてそのありがたみ尊みを再確認できた思いだ。

 お二人に、しみじみと話しかける。

 

「仲間……って、良いものなんですね。こちらこそなんだか、勉強させてもらってる気分ですよ」

「ふふ、そうですね。ですがもちろん、公平くんにも仲間はいるのをお忘れなく。私や宥はもちろんのこと、これまでともに肩を並べて戦ってきた探査者のみなさんも、年齢や性別、出身地の関係なく集った仲間です」

「そしてこれから先も、公平様や私達にはたくさんの出会いがあるんです。仲間になったりならなかったりするかもしれない、別れもきっと伴うけれどそれ以上に素晴らしく思える、そんな出会いの数々が」

「ですね。歩みを止めない限り、いつでも何かとつながっていく……それこそが、生きることなんでしょう」

 

 仲間でも敵でも同じことだ。生きていけば誰かと出会い、何かとつながる。それが友好的なものなら友達や仲間となり、敵対的なものなら敵となったり離れたりする。

 その繰り返しこそ、人に限らずあらゆる命に共通する営みなんだろう。一期一会を積み重ねて、俺達はちょっとずつでも前に進む。

 そして時代も、前に進むんだ。




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