攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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セーレとオノスケリス、どうして差がついたのか……性癖、環境の違い

 ミュトスについての話もそこそこに、俺はぼちぼちと次の話題を切り出すことにした。

 今回の会談の目的というか目標はいくつかあって、ソフィアさんと織田の対面とミュトスとの面会もそのうちの一つになるんだけどそれだけじゃないんだなー、これが。

 

 先日に終結したサークルやダンジョン聖教過激派との抗争。その事件のなかで北欧神話圏が捕らえる形になった、2体の悪魔について。

 そしてそこから引き出せているかも知れない、委員会のさらなる情報についてを聞くことも、今回こうして彼の居城を訪ねた理由でもあった。

 

「さて、織田……あなたに委ねている2体の悪魔、セーレとオノスケリスについての話がしたい。あのモノ達は今、どこでどうしてる?」

「ふむ。オノスケリスについてはこのマンション内を拠点に相変わらず生活していますよ。彼女の方は今すぐにでも呼べます────《誰か、オノスケリスをここへ》」

「!」

 

 さっそく聞いてみたところ、オノスケリスについてはすぐさま対応してくれた。権能を用い、おそらくは近くの従者の方に話しかけたのだ。

 反面、セーレについては即答を避けたのが若干アレな予感がするな。思えばあいつを捕縛した際、この大神はオノスケリス相手ほど穏便に済ませるつもりがなさそうなニュアンスでいろいろ言ってたし。

 

 怖ぁ……オノスケリスについては平穏無事に暮らしているみたいだし、軽く話を聞くくらいになるだろうけど。

 セーレについてはおっかないものを覚えて、俺は恐る恐る尋ねてみた。

 

「あのー、織田さん? セーレについてはその、今このマンションにお住まいではない感じ?」

「当然でしょう、あなたからの頼みで匿ったオノスケリスとはわけが違いますからね。アレは本体を封印した上でアバター体を拘束しています──概念領域は北欧神話圏の地下深くにて尋問中ですよ。戦乙女とその番たる英雄英傑が常時監視していますから、あそこから抜け出すことなど不可能です」

「そ、そうなんだ……」

「本体を封じた上でアバター体を生かさず殺さずたァ、念入りだなァ……」

 

 案の定と言うべきか、やっぱり結構キツめの対応してるよなあ。さしあたり本体とアバターを切り離して本体のほうは封印、意識のあるアバター体を尋問にかけるのはさすがの周到さだ。

 何しろ戻る本体を失ってるわけなので、アバター体では出力もないから抵抗のしようがない。なんなら本体を質に取られている形でもあるので、さしものセーレとてどうしようもないだろうさ。

 

 シャーリヒッタもドン引き気味に感心する手際の良さ。おそらくはあの決戦直後、セーレのアバター体を押さえに降臨した時点でもう本体まで確保した"詰み"の状況を作り上げていたんだろう。

 

 とはいえ、たしかに悪辣な悪魔だったセーレなものの、こちら側にはむしろ情報提供とかしてくれていたこともあり。

 俺としては、妥当な処置だと思いつつも多少の慈悲というか、手荒な真似はなるべく控えてほしいかな? と言うくらいはしておきたいところだ。

 

「ええと、一応あの悪魔は敵対的でもなかったから、過度に残虐なことはあんまりしないでやっても良いかなーって思わなくもないかなーって」

「今のところはそこまでのことはしていませんよ? 存外素直に受け答えしていますからね、かの悪魔は。我々とてサディスト集団ではないのです、従順な態度で恙無く供述するなら何もしませんとも。セーレの同輩たる他の悪魔の何体かからも、似たような嘆願は受けていますしね」

「同輩の悪魔というと、委員会とつながりが?」

「いえ、むしろ委員会につながっていた悪魔達を止めるべく動いていたようなモノ達ですね。セーレについても鬱陶しがりつつ、それでも同胞だからと仕方なさそうな素振りでしたよ」

 

 ニヤリと笑いながら語る織田。セーレという悪魔の同輩ってことは、話に聞くソロモン72柱さんのいずれかさんということだろう。

 前にも言われてたけど悪魔の全員が全員、委員会と組んだり現世に手出ししたいと思っているわけではなくてむしろ消極的な観測に終始したい派も多いみたいだ。ソロモンの悪魔のなかにもそういうのがいるなら、そのモノからすればセーレとか他の悪魔なんてのはさぞかし迷惑だったろうなあ。

 

 さりとて同じカテゴリ、同じグループの悪魔ゆえに連帯感や仲間意識もあったりして、オーディン相手に助命嘆願めいた頼みをしないわけにもいかなかったと。

 なんともはや、人間関係さながらの複雑さである────と、そんな所感を抱くなか、この部屋に近づいてくる概念存在を二体、察知する。

 

「来るか、オノスケリス。イヴさんかな、連れてきてるのは」

「ええ、この部屋の出入り口前で待機していましたからね。それにレギンレイヴも、あなたの弟子になろうという身であるなら多少は交流をしたいでしょう」

「いや、弟子ってのは……師匠なんて柄じゃないんだけど」

「だからこそレギンレイヴには期待したいのですがね、私は。あなたの一番弟子ともなれば、その立ち位置は現世においても概念領域においても、あるいはシステム領域においても計り知れない価値を持つことになりますので。クククッ」

「えぇ……?」

 

 オノスケリスを引き連れているらしいイヴさんについて、俺の一番弟子にしたいらしい織田の思惑が腹黒い。

 俺の弟子だからってそんな大層な扱い、されないと思うんだけどなあ……さすがに首を傾げる俺ちゃんである。




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