攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ええいサークルとかはどうでもいい!現世を遊ばせろ現世を!

 なかなかリアルでお目にかかれないガチの分からせを見てしまった俺ちゃん、オノスケリスに乗っかって騒いだことをちょっぴり反省。

 いやあ、変にノリが良い悪魔なもんだから、ついこっちも小気味良く反応しちゃう感じはあるんだよね。こういう、人の懐に容易く入り込むところはさすが悪魔のなかでも誑し込み専門家たるサキュバスさんなんだなーって感じはするよ。

 

 もっとも、さすがに本気でこっちを魅了したりとかってしようとしてもそれは不可能だけども。魂の格が違いすぎるから権能もレジストできるし。

 精霊知能達もそこはもちろん分かっていて、それゆえオノスケリスのことは脅威と見てはいない。なんか変なちんちくりんが調子に乗って分からせられてる……と、生温い目で織田に詰められている悪魔を眺めるばかりだった。

 

「さて、オノスケリス。今回お前を呼んだのはやはり委員会についてのことだ。以前にも話をしたな、悪魔セーレを捕らえたと」

「あ、は、はいぃ……セーレちゃんとうとう捕まっちゃってウケるんですけどウケないんですけどって感じでー、でもまああんだけ肩入れしてたらそりゃそうなるよねって感じだったんですけどー。それとその、オノスケリスちゃんになんの関連が?」

「お前の目から見て、悪魔セーレが委員会やサークル、ダンジョン聖教過激派とどの程度密接だったのかを聞きたい。もっと言うならばアドラメレクや他の悪魔についてもな」

 

 ビビって震えるオノスケリスに構わず、織田は本題に入るべく質問を投げかけた。セーレやアドラメレク他、今回のモンスターハザードに関係していた悪魔達の詳細な活動についてだ。

 特に悪魔セーレについては、オノスケリスが軽く触れたようにかなり深くまで肩入れしていたみたいだな。そもそも委員会からの出向だというアドラメレクについてもいずれ取り調べなどは行うけれど、その前にこうして第三者からの視点で彼らを推し量りたいところではあった。

 

 自身もサークルに参加し、少なからず人間に力を貸していただろうオノスケリスは、そうした問いに特に抵抗を見せることなく素直にうなずき、答え始めた。

 割とべらべら普通に喋るな、こいつ。嘘じゃないかどうかはともかくとして、そういうあけすけなところは正直助かるよ。

 

「えっと……私から見て、本当の意味でサークルに肩入れしてたのはやっぱりセーレちゃんだけかなって。瀬川だっけ? あのお兄ちゃんのことが大のお気に入りだったみたいなのは間違いない、かもです」

「……セーレだけ? 他の悪魔はどうなんだ? あそこまで人に力を貸した以上、肩入れしていないはずもないと思えるんだけど」

「まったくしてないってことはなかったよ、それはもちろん。でも、ぶっちゃけゲーム感覚っていうかー。お気に入りのキャラを操作してオープンワールドオンラインゲームを楽しもう! みたいなノリっていうかー……飽きたら止めれば良いかなってくらいのエンジョイ勢がほとんどだったよ? オノスケリスちゃんも含めて」

「…………なんですか、それは」

 

 あまりに直球な言葉に、ソフィアさんが思わず怒気を孕んだつぶやきを漏らした。

 ゲーム感覚。エンジョイ勢。完全にサークルのメンバーを、あるいは現世を遊び場としてしか見ていないのが丸わかりの表現だ。

 現世の秩序を護るソフィアさんからすれば、ふざけるなと言いたくなるのはよく分かるよ。

 

 なんなら人間と契約を結んで強化するという行為ですら、オンラインゲームをプレイする感覚に表現できてしまうくらいだもの。大多数の悪魔は本質的には真剣ではなかったと言うしかない。

 飽きたら止めればいいってのは、まさしくゲームに飽きたらログアウトするくらいのカジュアルさだ。まったく本気さの欠片もない、そんな程度の意識でサークルは弄ばれたんだな。

 

「でも、主催のアドラメレクとセーレちゃんだけは一応、マジで活動してたと思うよ。アドラメレクは当然、リーダーの藤近功を強化してアドバイザーとかしてたし、セーレちゃんも瀬川をどっぷり推してたし。あっそうだ、瀬川って結局どうなったの? 負けたの? それか逃げた?」

「ん……負けたよ。俺達の仲間がきっちりと倒して捕まえた。最後のほうはそのセーレにすら見放されて、それでもやけっぱちながら孤軍奮闘してたな」

「そっか、残念。あの子にはオノスケリスちゃんも若干光るものを感じてたんですけどー。でもまあ、私はそもそも現世の娯楽がしたくてサークルに参加しただけだしそのへんはどうでも良かったからね。セーレちゃん残念〜ってくらいかな」

「お前、そんな理由でサークルなんぞに与してたのか……」

「そこそこの悪魔はそんな理由だったよ? サークルなんて方便方便、大ダンジョン時代文化に直に触れる機会だから参加してたヤツばっかりなんだから」

 

 アドラメレクやセーレ、瀬川について言及するオノスケリスの言葉は重要な情報をいくつも含んでいるが、それでも最後にこぼしたこいつの参加動機がアレすぎて震える。

 こいつ含めそれなりの数の悪魔が、そもそもサークルとか委員会とか心底どうでもよかったのか。ただ大ダンジョン時代の文化に直接接したくて、そのためだけにアドラメレクの話に乗ったと。

 

 鎖国状態の国に入り込みたくて密入国してきた人みたいな感じだな。

 そこまでしてソシャゲやらなんやらやりたかったのか、こいつら……




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