攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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あなたがネットで話した相手も、実は概念存在だったりするかもしれない……

 しれっとまたSSR引いてるオノスケリスからは──あまりの悔しさで──そっと目を逸らし。俺は会話の途切れたあたりで、そろそろ一息つこうかと提案した。

 時間的には11時を回った頃、ちょっと早いけど昼ご飯も意識するあたりだね。織田さん家のお昼ご飯はすっごい美味しくて俺もアルマもこないだ、すっかり満足させてもらっちゃったんだよねー。

 

 

『ふ、ふふふ……! やっと来たついに来たねまたこの時が! まったく君らのくだらないお喋りなんてどーでも良いんだけど、ここの料理はなかなか素晴らしいから好きだよ。さあ言えよ公平、お腹空いたよたらふく食べたいよ胃が爆裂四散するまで料理突っ込みたいよーって! ほらほら!』

 

 

 怖ぁ……脳内の食欲馬鹿が荒ぶっている。胃が爆裂するまで食ったら今後一生食えなくなるだろ馬鹿野郎め。

 まあ、こうも言いたくなるくらいにはいつぞや食べたフルコース形式の料理は美味しかったから気持ちは分かるよ、気持ちだけは。

 さておき、織田に告げる。

 

「休憩がてらそろそろお昼だ、ご飯にしたいところかなって。前もって話はさせてもらってたと思うけど、またご馳走に預かるってことでいいのかな、織田」

「もちろんですとも、山形公平。それにソフィア・チェーホワに精霊知能のみなさんも。私にとっても楽しみですからね、食というのは。ククク」

 

 今回の話し合いの日時を設定した際、あらかじめ彼とは昼食の有無までちゃんと取り決めさせてもらっている。当然だけどね。

 そしてこれは意外なことなんだけど、会食に関しては織田サイドからの要望が強かったのだ。本人もそうだけど従者のみなさま方が客である俺達を厚くもてなしたいと希望していたのだとか。

 

 彼の部下として現世にやって来ている人達はみな、戦乙女さん達や死後に召し上げられた英雄英傑達ばかり。

 なので主神に付き従う形なのはともかく、戦闘でなく日常的な生活全般に関係する業務を行う生活ってのは消極的なのかなーって思ってたんだけど、どうもそうでもないようなのだ。

 面白がって大神のアバター体はくつくつと喉を鳴らした。

 

「現世の文化というものの侵食力の強さに、我々概念存在は脅威と敬意を抱くべきでしょうね。我が従者達もすっかりこの平和で平穏な暮らしに慣れています。料理や読書などの趣味に走る者達までいるほどです」

「ええと……それは素晴らしいことですが、つまり?」

「私や身内以外の客人に対しても、最近嵌っている料理を楽しんでもらいたい、と。クククッ、概念領域では剣持ち槍振るい弓引き絞る日々に明け暮れていた豪傑達が、そのようなことを言っている。素晴らしいことですよ、実に!」

「そ、そうなんだ……」

 

 ううむ、現世の文化恐るべし。まったく文化が違う、領域すら違う人達にも影響をもたらすレベルか。

 もちろん、これはどっちが上でどっちが下とかいう話ではない。郷に入っては郷に倣うというか、実際に現地で過ごす中で影響を受けるのは当然のことだ。

 

 仮に現世の日本人が北欧神話圏で過ごすってなったとしても、その方向性がどうあれ影響は間違いなく受けるだろう。それと同じことでしかない。

 そして従者の方々にとってのそれは、比較的平穏な趣味に走るタイプだったということだね。

 

 なんなら今、ソシャゲやってるオノスケリスみたいにスマホゲームにハマってる方さえいるかもしれない。

 その変容というか、変化を受けてオーディンたる織田は、それを好意的に受け止めてくれているみたいだった。

 

「ちなみに私らがやってるのとは別のアプリやってるワルキューレとか英雄とかいるんですけどー。イケメンメインの女性向けゲームとか、マジでドハマリしてるのいるんですけどー」

「えぇ……?」

「ソーシャルゲームの課金誘導というのは、まったく凄まじいものがありますね。他にもSNSでの自己主張などにのめり込みそうになるモノもいましたが、そちらについてはリテラシー教育を行っている最中です。現世まで来てやることがネットで炎上というのでは、笑い話にもなりませんからね」

「怖ぁ……」

「概念存在も承認欲求の化身になるのですねえ……」

 

 思わぬネットの悪影響と言うべきか、モロにIT技術に振り回されてるらしい概念存在の方々に慄く。ソフィアさんまで驚いている様子なので、これは相当なことだ。

 でもまあ考えてみれば、概念存在が承認欲求の塊なのはある意味本質的な存在意義にも絡むことなので当然のことではある。現世あっての彼らなのだから、その現世と直接繋がれるツールを得たなら多少なりともはしゃいで暴走してメラメラといろんな意味で燃えるのもやむを得ないんだよね。

 

 とはいえそんな方々を束ねる最高神さんからしてみれば、気持ちは分かるけど止めなさいの一言だろう。

 結果として部下にネットリテラシーを教えるオーディンという面白い絵面が発生しているってわけか。興味深いなー。




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