攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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今だけ金だけ自分だけby悪魔

 ソフィアさんがヴァールに切り替わって、本格的にお肉とか食べ始めて少し。相変わらず話をしながらも美味しく料理を食べていた俺ちゃんも、そろそろお腹いっぱいって感じになってきた。

 なんならマジで美味しいもんで、つい食べすぎちゃったくらいだ。こりゃ後で何かしら運動でもしないとなあ。

 

「はー、美味しかった! ごちそうさまでした、本当に素晴らしい料理でした!」

「はふー、リーベちゃんもお腹いっぱいですー。晩御飯食べられるか心配なくらい食べちゃいましたよー、ごちそうさまですー!」

「ごちそうさまぁ! へへへ、オレもすっかり腹ァいっぱいだぜェ……軽く腹ごなしになんか運動でもしたいところだぜ」

「それなー。いや食いすぎたよ、ついつい美味しすぎて」

「ふむ? そう言っていただけるならば光栄の至りですよ。我が従者達も喜んでいます」

 

 リーベ、シャーリヒッタも続けて満腹そうにお腹を擦りつつご馳走様を告げていく。二人も俺同様、食べ過ぎな自覚を持つくらいには食べたみたいだ。

 反面、織田やミュトス、オノスケリスのような酒飲み勢は未だ酒に食にと楽しんでいる。食べ一辺倒の俺達に比べて、酒がメインで料理は肴として小刻みなペースで食べているからだろう。

 

 あとヴァールだね、この子も未だ結構なペースで飲み食いしている。こちらはソフィアさんからのバトンタッチでの中途参戦だし、それまでは野菜サラダをちょっぴり程度しか食べてないからだね。

 さらにはせっかくだからと酒まで飲み始めている。この子もなんやかや飲み食い好きだよねえ、打ち上げの時とか毎回飲みまくってるし。

 

「えー? 何言ってるんですけど最近の若いのは、もっと食わなきゃ大きくなれないんですけどー?」

「まーまーオノスケリスちゃん、無理に食べさせるのって良くないですから! さささ一献、飲みましょ飲みましょ、かんぱーい! ヴァールさんもほら、かんぱーい織田さんも、かんぱーい!!」

「うん? ああ、乾杯……そこな悪魔とも親しくなるか、ミュトス。酒の力というよりは、コミュニケーションを好む性格ゆえだな。それもまた立派な武器だろう」

「クククッ、乾杯。これで当初は私に対し、最高神であるからという理由だけで怯えていたのですから面白い。その来歴も含め、山形公平の配下でなかったならばスカウトしたいくらいには面白いですよ、ミュトス」

「怖ぁ……」

 

 最近の若いもんは的なこと言い出してケラケラ笑う小悪魔オノスケリスに、ミュトスが陽気にグラスを差し向けて乾杯している。そしてその勢いでさらにヴァールや織田にまで盃を交わすと、二人もどこか満更でもないような反応をしている。

 こういうとこ、ミュトスはコミュ強だよなあ。思えば初めて会った際にも精霊知能三姉妹とはすぐに打ち解けていたし。元々の性格の明るさって言うのかな、ひたすらポジティブでノリの軽いお姉さんだから懐に潜れやすいのかもしれないね。

 

 織田に至ってはシステム領域が確保してなかったとしたら囲い込んでいたとさえ言ってるもの。かなり気に入ってるんだろうなって思うよ。

 とはいえもう彼女は俺達システム領域の一員たる精霊知能。決して俺の配下とかじゃないにしろ、ともに世界そのものの維持を使命としそれぞれの役割のために現世でも頑張る仲間同士だ。

 今となっちゃ、たとえ北欧大神であっても渡せないね。ミュトス自身も自身の立場に自覚があるようで、陽気な笑顔から不意に真剣な表情を見せ、彼に言った。

 

「お言葉、大変ありがたく存じます大神オーディン。ですが先程御身自ら仰ったとおり、今ここにいる私めは山形公平様やリーベさん、シャーリヒッタさん、ヴァールさんと所属と志をともにする同志。であるからには、御方々に背く気は私にはありえません。何より大恩ある身でもありますので、申しわけありませんが謹んでお断りさせていただきたいかな、と」

「ミュトス……」

「クククッ! 素はやはり真面目な方ですね、好感が持てますよ……少なくとも刹那的快楽主義から迂闊に現世に手を出し、まんまと返り討ちに遭った挙げ句捕縛されて我ら陣営預かりとなってなお反省の色を見せないどこぞかの小悪魔に、爪の垢を煎じて飲ませたいほどには素晴らしいですね」

「なんでそこでオノスケリスちゃん引き合いに出すんですけど!? 関係ないんですけど! 何回も言ってるけど今が楽しいならそれがすべてなんですけど! 後先とかどーでもいいんですけどー!!」

「ろくでもない信念を力説するな!」

 

 誠実な受け応えに、ますますミュトスを気に入る織田。裏腹に茶化すように話の出汁に使われたオノスケリスがまーたろくでもないこと言ってるよ。思わず突っ込んでしまった。

 こいつマジで、心の底から今が楽しければそれで良し! な精神で生きてるんだな……それでいてやることがそれなりに悪魔らしく悪辣なんだから困ったやつだよ。

 

 俺のツッコミを受けてオノスケリスは八重歯を見せてニシシと笑った。

 少女の姿、声と相まって、まさしく小悪魔って感じの笑顔だった。




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