攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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他のことは許してもガチャ運に関しての罵詈雑言は許せない救世主くん

 楽しかった会食も一時間と少しをすぎれば、ぼちぼちお開きの空気になる。

 この頃になると織田もミュトスもオノスケリスもヴァールもすっかり満足げにしているね、要はそれだけ呑んでいたってことだ。

 

 で、そうなるといつも通りの前者三人はともかく、ヴァールは普段のストレスがすごいのかアルコールが入るとちょっとその、説教がましくなるところがあって。

 今もまさにオノスケリスに対して、これまでの行動に対して結構ガチ目に絡んでたりしていた。

 

「貴様ら悪魔の本質的なところにある気性はワタシも把握しているし理解もしよう。だが実際にやるならばこちらとて当然座視するわけにもいかんという話だ、当然だなこちらにも立場と役割、使命があるのだから。ゆえに言うのだ、よくも現世の娯楽を楽しみたいだけなどという理由でサークルに手を貸してくれたな、オノスケリス。もはや本質的な部分など何も関係ない、完全に貴様の趣味由来ではないか」

 

 そこまで本格的に酔ってはいない、精々ほろ酔いくらいの量しか飲んでないんだけど、それでもどうしても酒の勢いも借りて言いたかったのかもしれない。

 オノスケリスはじめ悪魔達の、あまりにも身勝手なサークルへの協力についてだ。

 

 雑談がてら先程の、織田とソフィアさんの会談にて判明したことを軽く触れてたんだけれども、そこでサークルに力を貸していた大多数の悪魔達の、現世への干渉の口実という動機を聞き。

 とりわけオノスケリスの娯楽を楽しみたいというちゃらんぽらん極まる動機を耳にして、言わずにはいられなかったみたいだ。

 

 蓋し正論だ。さっきもオンラインゲームに参加するくらいの感覚とか吐かしてソフィアさんが怒っていたし、現世側からしたら聞いてて腹立つもんな、普通に。

 それでもオノスケリスも彼女なりに意見は持ち合わせていて、突然始まった公開説教にうげっと面食らいつつも、声を大にして反論してきていた。

 大概負けず嫌いなのかね、こいつも。

 

「趣味でもなんでもいーじゃん別に、なんですけど!? 悪魔はそもそも自分の楽しみ最優先で、オノスケリスちゃんにとってはそれが現世でアニメと漫画とゲームを楽しんでソシャゲでSSRガンガン引いて、もののついでにシャイニング山形とかいうガチャ運クソ雑魚塩のかかったナメクジ相手に散々マウント取ってぷぷぷーって笑うことなんですけど! だからサークルにだって手を貸すんですけど!」

「はっ倒すぞ小悪魔ぁ!!」

「なんだその物言いはオイコラ悪魔ァ!!」

「ぴぃぃぃぃ!? しまったオノスケリスちゃんの素直な口が偽らざる想いをつい言葉に!?」

 

 カスかこいつ!? いやカスなんだこいつ!

 完全に今明言したよね、俺への嫌がらせのためにSSR引いてるって!

 

 ガチャ運クソ雑魚ナメクジとかいう、普段ネット掲示板とかでたまに見る俺への壮絶な罵詈雑言などそよ風にすら感じてしまえるほどにクリティカルな悪口。塩のかかったナメクジってなんだよ、いくらなんでもそこまで言うなよ人のガチャ運を……

 つい抗議のツッコミを入れてしまったけど同タイミングでシャーリヒッタも無事、キレていた。まあこの子的にはこんな物言い、そりゃキレるよね。

 

 案の定ビビり散らかすオノスケリス、こいつ偽らざる想いとか余計に煽ってるだろ。

 しかしアニメと漫画とゲームはともかくそれ以降マジで終わってるな。人にマウント取るためにガチャ引くなよ、いやこれ言うと若干俺にも刺さるからこれ以上は避けるけども!

 

「と、とにかく! あ、あんたが私ら悪魔っていうか概念存在を現世から締め出すからオノスケリスちゃんもあーゆーことするしかなかったんですけど!? 探査者なんて化物をここまできっちり統制管理運営してさ、せめて能力者同士でドンパチやってた乱世だったら付け入る隙もあったのに!」

「それをさせんがためのWSOでもある。そして貴様のその物言いから、大ダンジョン時代という秩序が正しく機能していることがあらためて確認できた。それは重畳の至りだな。まったく……一応聞くが、貴様らが力を貸したことで人生を大きく歪めることとなった人間達について、何か弁明でもあるか?」

「え? 特にないですけど。ていうか向こうが望むから契約して力を貸したわけだし、そこから先どうなろうとそんなの知ったこっちゃないんですけど。セーレちゃんみたく推しがいたならともかく、オノスケリスちゃんにはそんなのいなかったし。むしろ束の間だけでも夢に向かって走れたことを感謝してほしいくらいなんですけど!」

 

 ある意味、悪魔達の私利私欲の出汁にされたサークルについて断言するオノスケリス。

 まあここについては正直、力を貸しただけのこいつらとしてはそんな感じなんだろうなって気はしてたけどはっきり言われるとこう、モヤッとするものはあるよね。

 

 契約には応じる。力も与える。やりたいことをやらせて、駆け抜けさせる。それらは一見善意ですらあるし、少なくとも誠意はあったのだろう。嘘とかはついてないしね。

 けれど根本的なところで、こいつは自分の目的を果たすためだけに動いていたんだ最初から。だからサークルなんてどうなろうとどうでも良かったし、その結果得られた今のその立場に概ね満足している。

 

 きっとこれからもしばらく、こいつはこうして織田の保護下で現世を満喫してソシャゲでSSR引いてガチャ運クソ雑魚塩のかかったナメクジにマウントを取る生活を送るのだろう。

 ある意味、今回の騒動で一番の勝ち組かもしれない。その道を振り返った時に無数に転がる犠牲者の屍に、心痛めることすらないのだから。

 

「はぁ……悪魔め。いや悪魔だったな。そういう貴様らのスタンスは本質的なものゆえ批判はせんが、酔いも覚めるな、これは……」

 

 存在の本質的なところからして考え方が違う。ヴァールもそこは分かっていて、だからこれ以上とやかく言っても仕方ないと肩をすくめた。

 悪魔は結局こういうものなんだよ。瀬川に対して自己満足極まる期待を寄せていた悪魔セーレの例も含めて、この場の誰もがあらためてそれを再認識していた。




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