攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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本人の預かり知らぬところで事態が進行している……

 従者にして戦乙女・レギンレイヴをインターフェイサーへと出向させる──

 それをもって概念領域とシステム領域のパイプ役としての役割により一層の深化を与えると、他ならぬ最高神オーディンである織田本人からのまさかの提案。

 

 元よりインターフェイサーの構成員として募集する条件面には、概念存在だからダメとかって話にはしていなかったからそこは問題ないんだけれど。

 にしても従者のイヴさんって、織田の現世ライフにおける秘書みたいな立場の人って印象があるんだけど、なんやかや毎回お会いしてるし。

 そんな人をこっちに回して良いものなんだろうか?

 

「えーっと……出向って話自体は悪くないと思うけど、イヴさんはあなたにとっても現世での生活を送る上で重要な存在じゃないのかな? 身の回りのお世話とか、彼女が一切を取り仕切っているイメージだけど」

「否定はしませんが、戦乙女は他にも多数いますからね。レギンレイヴを連れてきたのは彼女達の間で話し合いによって決定させたことですので、今度もそうするだけのこと。我が従者であるのに、レギンレイヴでなければならない理屈もありません」

「そ、そうなんだ」

「むしろ今現在、レギンレイヴにはあなたに弟子入りしたという一点でもって、私のなかでは特異な価値を持つ特殊な立ち位置にいますよ。彼女こそは我々とあなた方を強く結びつける、一つの楔となってくれるやもしれない」

「えぇ……?」

 

 従者なら他にもいる。でもインターフェイサーに出向させられるのはイヴさんしかいない。だからイヴさんにはこっちに向かわせて、空いた従者には別の戦乙女を連れてくる。

 うん、大分身も蓋もない気はするけどまあ、織田からしてみればこういう判断は下すよなあ。イヴさんはたしかに特殊というか、面と向かって俺に弟子入りしたいとかって仰ってきたある意味変わり者な戦乙女さんだし。

 

 そもそも弟子だ師匠だって扱いもこう、上下関係って感じであまり好きじゃないところはあるからもうちょっとフラットな感じで行きたいと思うのが俺ちゃんなわけだけど……

 まあ、そこはイヴさん本人のご意向にもよるからね。現状何も教えてなければ何も始まってない関係性に、今から物申すのもどうかと思っちゃうわけだった。

 

 ともあれ、そんな特異なイヴさんをインターフェイサーへ出向させたい、パイプ役としての役割にさらなる一手を加えたいと織田が言うのであればこちらとしては特に断る理由もないかな?

 シャーリヒッタとミュトスを見る。二人も、満面の笑みでそれにうなずいていた。

 

「良いねえOK、来るもの拒まずだぜ! 戦乙女ってからにはダンジョンにこそ潜れねえだろうが腕は立つだろうし、周辺の警護とか捜査補助とかも頼めそうだぜ!」

「前向きなようで何よりです。ただ、一つお聞きしておきたいのですが、彼女にもあなた方についての真実を話しておくべきでしょうか? 出向するならばレギンレイヴこそ我が名代となりますので、そういった立ち位置のモノが何も知らずでは格好というものがつきません」

「あー……イヴちゃんさんってばたしかに、システム領域の全貌は知りませんもんねー」

「おかし三人娘のような、実質的に外部協力者めいた立ち位置であれば深入りせずとも問題なかろうが。同盟相手の名代となれば、ふむ……」

 

 イヴさん加入にも好意的な受け止めをしているシャーリヒッタ。一方で織田からの質問にリーベ、ヴァールはにわかに考え込み悩み始めた。

 彼女に、現状だと織田しか知らない真実の数々を告げるべきか否か。織田の名代という形で送ってくるならさすがに知っておくべきなんだが、言ってしまうと最高神でもない単なる一概念存在がそこまで深く知るべきかという問題もあるにはあるか。

 

 いやでも、別に良いんじゃないかな、これについては。

 俺もイヴさんとは何度もお会いしていてやり取りだってしている。そのなかで感じたあの人の精神性は、とにかく職務と使命と主人に対して忠誠心が高く、誇りを持って戦乙女兼最高神の従者を務めているプロフェッショナルだ。

 そんな彼女ならば、機密中の機密と言える世界の真実を知ったとてなんら暴走したりはせず、正しく担った役目を果たしてくれるだろうさ。

 そのへんをみんなに話して、俺は理解を示した。

 

「俺としては問題ないよ。イヴさんは信頼できる概念存在だ。きっと真実を知ることさえ含め、織田とインターフェイサーをつなげる役目をまっとうしてくれると信じられる」

「そう言っていただけること、感謝しますよ山形公平。まあ一応、こちらでも真実が漏れることのないようレギンレイヴには枷をつけておきますが。彼女を疑う気はまったくありませんが、クククッ……万一のこともありますのでね」

「そ、そうか。まあ、じゃあそういうことで、インターフェイサーにはひとまずイヴさんは入ること確定、と。うん」

 

 怖ぁ……不穏に笑う織田に震える。セキュリティ上やむを得ないとは言え、もしもの時用にイヴさんに何かしら首輪をつける気だな、これは。

 それも相当えげつないやつと見た。うーむ、こういうところはさすが最高神だ、容赦がない。

 

 もちろんそれは上に立つモノとして当然の気構えだし、こちらへの配慮ゆえのことなので感謝も当然するんだけれど。

 それはそれとしてこう、怖いところはあるよね。




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