攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
未来への禍根を断つべく動き出した国際社会の動きについては、俺の立場からはもはや見ていることしかできないけれど……
それでも、話を振られてそれに応えるくらいはできる。今しがたWSOや世界各国の治安維持組織、あるいはダンジョン聖教みたいな国際組織をも絡めた一致団結を提唱していたヴァールが、俺にも声をかけてきたのに、応じるくらいはできるのだ。
「山形公平。裏社会におけるスレイブモンスターおよびそれに準じた技術への対応については、ことによるとインターフェイサーの力をも借りる場面があり得るだろう。そのことについて先にあなたの意見を伺っておきたい」
「スレイブコアが絡むかも、だから当然か……制限付きの形でなら構わない。とりあえず国内に限るとか、単なる犯罪者についてはひとまず受け持たないとか。そもそも組織としては体裁すら整えられてないのが現状だし、そちらに力を貸せるにしても限界があるのは承知しておいてほしい」
「無論、弁えます。海外での活動も犯罪者相手の対処も基本は国際法や秩序に則ったライセンス保持者に任せる形で、あなた方には日本国内における概念存在の動きを察知した段階で都度、相談と協力を要請したい」
「いつもやってるこったなァ。オレとしてもいきなり海外出張なんてのはさすがに難しいからそうしてくれると助かるぜェ」
システム領域による、現世活動用機動部隊インターフェイサー。その力をも借りたいという彼女の提案は当然ながら予期していたものだけど、さすがに二つ返事で全面協力するねとは言い難いのも実状だ。
だってまだ構想の段階だもん。メンバーの勧誘とか組織としての構成とかいろいろ考えなきゃいけないことはあるし、ある程度そのへんの目処が立たないうちはそこまで大きなこともできないよ。
ていうか海外出張も犯罪者相手も、どちらも現世の法的にできる段階じゃないしな。パスポート持ってないし、警察でもなければ能力者犯罪捜査官でもないし。
俺達の役割はあくまで現世においてシステム領域の技術を悪用している者達の相手をすることだ。それに付随して、ヴァール率いるWSOとの連携や協力には応じる姿勢ってくらいのスタンスだな。
現世のなかだけで収まっている騒動については基本、関与は控える方針でいく。
それはこの子自身、理解してくれていることだった。
「インター、フェイサー? ええと山形くんも、何かそういう組織を作ってるんですか? クランみたいな」
「ああ。仔細は省くが彼を責任者とし、そちらのシャーリヒッタがリーダー、後釜……リーベとミュトスが現状メンバーである特殊なチームだ。我々についてのある特殊な事情について理解している者も今後、スカウトしたいと考えているらしい。特定の状況と事柄でのみ動く、いわばスペシャル・プロフェッショナル・チームといったところだな」
「っへぇ〜! それでWSOから連携や協力を要請されるのか。聞いたことのない話だけど、なんだかスケールが大きいんだなあ」
「い、いえいえ。正直なところ、身内話みたいなものですので……」
ロナルドさんが初耳なインターフェイサーに興味を示し、ヴァールが若干ドヤ顔チックな無表情でその説明をしてくれるんだけど、怖ぁ……スペシャル・プロフェッショナル・チームってなんだよ。横文字オンパレードか。
たしかに専門家と言えば専門家だし、特定の事柄にしか動く気のない専門チームといえば専門チームだろう。とはいえ、すごいと言われるような話でもないしスケール的に言えばどこまでいっても身内ごと感はあるんだよね。
なのでお褒めに預かり恐縮ながら、努めて謙虚に言葉を返す。
近くの伝道師さんがきゅぴーん! と目を光らせながらメモを取り出してるのがもはや怖いんだけど、それはさておきシャルロットさんと愛知さんが今の説明にそれぞれ、反応を示したのも印象的だ。
ロナルドさんとは異なりこのお二人は、すでに真実についてご存知だからね。
「特殊な事情。そしてそのメンバー構成。なるほど、そういうことですか……興味深いですね。ダンジョン聖教としてもいくらか、関わりを持っておくべき組織かもしれません」
「……概念存在絡みの事件専門の捜査チーム。公安の能犯対策課よりもさらに限定的な、そして専門的な動きをするのか。私の目的に、より近しい形で動く部隊だなんて」
「えぇ……?」
インターフェイサーを聞きつけて即、ダンジョン聖教ぐるみで接触することを考えるシャルロットさんはさすがというべきか。
こないだの件では割と独断での暴走が目立つ方だったけど、あれは事情が事情だったからね。本来の彼女はこうして政治的な面まで考えて動く気のある、政治家としての側面もあるのかもしれない。
そしてそれにも増して意味深なことを言うのが愛知さんだよ。インターフェイサーの活動こそが御自身の目的に沿っているって、本当にどんな背景があるんだこの人?
察するに概念存在絡みなんだろうけど、そのために公安警察のエージェントになってたり推定スキルでの変装までして動くなんて尋常じゃないことだ。
元よりこの人についてはいずれインターフェイサーに勧誘してみるかな? って話にもなってたし、その時に事情をお聞かせいただければ何か協力できることもあるかもしれない。
そう考えるくらいには何かしら複雑なバックボーンを感じさせる、それが最年少S級の愛知九葉という人なんだね。
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