攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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君、良い探査してるね!探査者同好会に入らないか?

「そういえば公平さん、あともう何日かしたら文化祭でしたっけ? リーベちゃんも行きますから楽しみにしておいてくださいねー!」

「あっ、それそれそれな! 父様、このシャーリヒッタも父様の御活躍を拝見しに伺います! よろしくお願いします!!」

「活躍……? いやまあ、うん。それはありがとう」

 

 美味しくご飯をいただいて、みんなでごちそうさまでしたと告げて。あらかた食器やら何やら片付けて、まあまあお茶でも呑むべと一息ついていたリビングにて。

 不意にリーベとシャーリヒッタが喜色満面にそんなことを言ってきたので、俺は目を丸くしつつも彼女達に答えていた。

 

 俺の活躍……活躍? 文化祭当日では特に何か目立つようなことをするつもりもないので、そんなこと言われてもちょっと戸惑う。

 一応、演劇の照明担当ってことで舞台裏で機材をいくらかガチャガチャ動かしたりはするけども。当然ながらそれは舞台裏での話でメインは表舞台の関口くんと梨沙さんと中野くんであり、俺ちゃんの活躍なんてものはあんまり見受けられないはずである。

 

 まあ、シャーリヒッタ的にはとにかく俺の母校に行きたいが先立ってるんだろう。満面の笑みを浮かべて俺に擦り寄ってくる姿はまるで大型の犬みたいに愛嬌たっぷりだね。

 そんな彼女の真紅の長髪を優しく撫でつつ、俺は念のためそのへんの話をして、誤解なきようにと伝えた。

 

「基本、もう俺の仕事は裏方の小道具制作だったし、そこは終わってるからな。演劇の時に舞台が明るくなったり暗くなったりしたらそれは俺の仕業だ、くらいに思っといてくれ」

「分かりましたー。あ、でもあれですよね? 夏休みの自由研究の展示会にも公平さんの、発表されるんですよねー?」

「う……ま、まあそれはな。なんか知らんが、先生の目に留まっちゃったみたいで」

「すげぇーです父様! たしかスキルに関する資料でしたよね、つまりはコマンドプロンプト謹製だ! 知る人からすれば、値千金の値打ちだぜェ……」

「えぇ……?」

 

 演劇についてはご理解いただけたものの、代わりに微妙に触れられたくないところに触れられてしまった。

 シャーリヒッタもはしゃいでいるけど、俺としては正直こんなことになるとは思っていなかった、って部分なのでちょっぴり困っていたりするのが実情だ。

 

 っていうのもズバリ、夏休みの自由研究でまとめ上げた資料、統合スキルや進化スキル、派生スキルについてである。

 俺ちゃん個人の知識や意見をちょっぴりとだけ混ぜ込んで提出したそれを、なぜかうちの学校の一部先生がずいぶん高く評価してくれたらしく、文化祭の時に優秀な研究を展示するからその時に発表すると言われてしまっているのだ。

 

 まあ別に構いやしないんだけど、あんなもん発表するの? という感じには正直なったよね。俺なんかやっちゃいました? ってなったよ、まるでラノベの主人公になった気分。

 ただ、特に高く評価してきたという世界史の丹波先生はどうも探査者マニアでもあるようで、この間なんか直に俺のクラスにまでやってきて熱烈な勧誘をはじめてきた始末だ。

 あの人、探査者同好会を作りたがってるって言ってたなあ。

 

 

『探査者を愛する者として、あなたの研究は実にセンセーショナルなものと言えるわ山形くん、いいえシャイニング山形くん! ぜひともこの研究を展示して、東クォーツ高校にも探査者同好会の設立を目指したいの! 山形くんだけでなく関口くんもどうかしら、ともに探査者界隈の行く末を愛でない?』

『あ、いえ……僕は遠慮しときますぅ』

『すみません先生、僕らはそれこそ探査者活動を優先したいので……はははは』

 

 

 さやかちゃん先生と同期らしい、なぜか白衣を身に纏った丸眼鏡の女教師が、鼻息も荒く俺と関口くんまで勧誘してきたのが怖かった。関口くんのアシストがなかったら怖ぁ……ってプルプル震えていたかもしれない。

 探査者同好会……今のこのタイミングだとどうしてもサークルを思い出しちゃうなあ。アレも元々は大学における探査者同好会、カレッジサーチャーズ略してカレチャ出身だったし。

 

 ちなみに、他の中学や高校なんかには探査者同好会とか探査者部なんてのは割合、あったりするそうで各々研究活動などして年に一回、全国大会なんかも行うらしい。

 もちろん、実際に探査者がいたりするわけでなくマニアさんやフリークさんの集まりだ。それこそカレチャとのつながりもあったりするらしく、中高大学とそのあたりで強いつながりを持っている学校もあるとかないとか。

 

 そんなだから東クォーツ高校にもぜひ、探査者同好会を! と叫ぶ丹波先生の気持ちも分からなくはないんだけれど……

 それで本当に探査者やってる俺や関口くんにまで声をかけてくるのはものすごい猪突猛進さだと思わざるを得ない。

 

 さすがにさやかちゃん先生がすっ飛んできて叱りながら引き摺り連れ帰ってたものね。

 同期なだけあっていつも以上に気安くラフな言動のさやかちゃん先生を見られたので、うちのクラスの男子達は大層喜んでいたよ。同時にそんな男子に女子のみなさんは白けた視線を向けていたけどね。怖ぁ……




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