攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
止められなければあと30分話すつもりだったっぽい、戦慄の校長先生の長話が終わって次、うちの学校の今年の生徒会長さんが登壇してマイクの前に立った。
眼鏡をかけた、三つ編みで黒髪のいかにもな文学少女さんだ。一学期末頃に代替わりした新会長さんでたしか二年生だったと思う。
『校長先生、ありがとうございました。それでは続きまして私、生徒会長のほうから学生のみなさんに向けて注意事項を確認させていただきます────』
控えめそう、というか大人しそうな外見だけど、そんな生徒会長さんの声はアナウンサーさながらに綺麗で流暢だ。放送部ですって言われても通じるかも知れないね。
さてそんな彼女が語るのは無論のこと当然の注意事項ばかりだ──ゴミは分別しましょう、迷惑行為はやめましょう、外出する時は申請書類を提出しましょう、みたいな。
大体言われるまでもないようなことなんだけど、わざわざ改まってアナウンスされる以上は過去にやらかした人がいたりしたのかもしれない。
特に外出絡みなんて、いかにもやんちゃさんがこの機に乗じて脱走してそうなものだしな。
「おう、ちゃんと申請しろよお前ら……毎年勝手に出撃して近くのショッピングモールで遊んでるやつが何人かいるからなあ」
「え、マジすか先生。うちの学校にそんなやんちゃするやついるんすか」
「いるんだよこれが。まあそれを受けて先生達も見回りしたりしてるけどな、向こうの施設まで。何しろ平日の日中に分かりやすく制服姿がいるんなら、それを見た店の人達から電話が来たりするからな」
生徒と一緒に座っている教師が、近くの子に軽口を交えていろいろ語っているのを耳にする。なるほど、近隣からの苦情というか報告も当然あって、それで先生方も備えていたりはする感じか。
大変だよね、こういう催事となると先生達も。実際に出し物をする生徒以上に、いろんなことに気を配っていかなきゃならないんだ。
結局、生徒会長の注意事項もそこそこ長く続いて終わった。これをもって開会式は終わりとなり、俺達は各自クラスに戻っていよいよ出し物の準備を整え、他の学生さんや外部客さんの対応をすることとなる。
まあ、俺ちゃんはじめ13組の面々は演劇の時間が来るまでは暇なんだけどね。11時から約30分ほどの舞台の間だけは照明機材弄りで駆り出されるけど、それ以外は概ねフリータイムなのだ。
体育館から出る。すでに文化祭モードってことで開放的な空気が流れている。普段なら校則で禁止されているスマホの閲覧も今日ばかりはなあなあな感じだ。
そんなわけで歩きスマホにならないよう、人通りを避けたところで軽くメッセージを確認する。そんな俺に、梨沙さんが寄ってきて話しかけてきてくれた。
「私は関口くんや中野くんとギリギリまでリハするけど、公平くんはどうするの? 2時間くらい時間、あるけど」
「ん? んー……まあ模擬店を回るのは演劇が終わってから、梨沙さんも含めたみんなでするとして。俺は俺で、知り合いが来るからそちらの対応かなあ」
「え。もしかして御堂さん達、割と朝早くから来る感じなの?」
「うん。ていうかもうスタンバってるっぽいねこれ、怖ぁ……」
『この世に降臨せし我らが救い主こと山形公平様の学生としての姿を拝見することのできる素晴らしい催事とあらば可及的速やかに我々使徒一同集合し聖地東クォーツ高校を訪問すべし!! ──ということで公平くん、たしか外部来訪者の入場可能時間は10時からでしたね、すでに近くの駐車場にて待機しておりますのでどうぞご期待くださいませ』
『ハッハッハー、来ちゃった! というわけで香苗さんに望月さんにフェイリンちゃんにマリー、サウダーデさんにコーデリアさん、あとロナルドくんもいるよー。あ、無論葵とエリスさんも一緒さハッハッハー』
『早っ!? あ、ちなみに山形家は演劇に間に合うくらいの頃に向かいますー』
『俺とステラもそっちに向かってます。たぶん、到着するのは昼前になるかと思いますが挨拶に伺いますので山形さん、その時はよろしくお願いします』
怖ぁ……割合オールスターっていうかすごい数の知り合いがこっち来るよこれ、怖ぁ……
改めて数にするとすごい光景になるよ。
すでに駐車場にいるのが、香苗さん宥さんマリーさんサウダーデさんベナウィさんリンちゃんロナルドさんエリスさん葵さん。
今からこっちに向かってくるのが父ちゃん母ちゃん、リーベ、シャーリヒッタ、ミュトス。ちなみに優子ちゃんは平日だもんで中学に登校済みだ。
そんでもってトドメに神奈川さんとステラ。
総勢えーっと、16人! 多すぎるだろ!!
さすがに首都圏で活動されているアンジェさんやランレイさん、シャルロットさんや愛知さんなどは来られないみたいだけど、それでも異様な数だよこれは。
「す……すごいね、これ。絶対目立つよこんな、これ。知らない方も多いけど、有名な探査者さんの名前がたくさん」
「う、うん……しかもほとんど有名人だし。外見的にも個性豊かだし、目立たない理由がないしね、このメンバー」
グルチャの文面をともに覗き込む、俺と梨沙さんが揃ってドン引きするほどの豪華メンバー。地方の一学校に集って良いメンツじゃないんだよね、確実に。
なんだかすごい光景になりそうだと、俺達は予感するのだった。
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