攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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これはシークレットゲストですわ(白目)

 老若男女勢揃いのグループで、すでに駐車場にて待ち構えているらしい仲間のみなさんに俺と梨沙さんは苦笑いするやらなんとやら。

 とにかく10時を迎えたらやって来るだろうし、速攻で出迎えないといけないなーなんてことを話しつつクラスへ戻る。

 

「ていうか、御堂さんとかフランソワさんとかも私達の演劇を見るかもしれないんだよね……? うわ、ヤバ、緊張してきたかも」

「ま、まあそれはその、あると思うけど。大丈夫、緊張せずリラックスリラックス……はは、ははは」

 

 俺の仲間達が何しに来るかったら、言うまでもなく俺の学校の文化祭を見に来るわけで。とりわけ俺のクラスの出し物、演劇"勇者関口物語"も当然見に来るだろうことは想像に難くないわけで。

 梨沙さんからすればそんなの、緊張しないはずがない案件だ。世界的にも名だたる探査者の揃い踏みなんだぞ、いい加減にしろ! ってな話だ。

 

 こればかりはどんなにとりなしても、リラックスとか口で言ってもとてもじゃないけど落ち着かないだろう。

 最悪、演劇前に一発シャイニングするかなあ。気休めくらいにはなるだろうし──と、考えつつも教室近くまで来て俺は、少し前から感じていた違和感について口にした。

 

「……なんだ? 関口くんのほかにオペレータがいる? 教室に?」

「公平くん? ……なんか、教室の前に人が多いね」

「あ、うん。これは、まさか」

 

 1年13組の教室内、本来ならば先に戻っている関口くんの分しか感知しないはずの俺の称号《心いたわり寄り添う光風》の効果、オペレータを察知するソレが二つ、気配を感じ取っていたのだ。

 同時に梨沙さんが異変だと言うほどに、うちの教室の前に人が大勢集まっている。何か、内部を遠巻きに見るようなまとまりぶりだ。

 

 なんじゃらほい? 実におかしな話だ、この学校には俺と関口くんしかオペレータはいないのに。

 なんで二人、関口くん分裂でもした? それにこの人だかりは?

 

 まさかの関口くんプラナリア説はジョークにしても、あまりに異様な風景だ。人の合間を縫って教室へと近づきつつ、俺は内心にて演算した。この場合に考えられる可能性はいくつかある。

 まずは誰かしら、校内の人間がこのタイミングでステータスに目覚めた場合。これだとすでに探査者の関口くんに相談しに来たってことだろうし、話の流れとしてはおかしくはない。

 そもそもそんな確率何千万分の一だよ? ってのがあるけどね。

 

 次に考えられるのは外部からの来訪者だ。この場合だとさらに細分化され、無害なオペレータかそうでないかに分かれる。

 要は誰かクラスメイトの知り合いが探査者で、いつの間にやら教室にやって来ていたってパターンか、何かしら害意ある能力者が不法侵入しているってパターンか。

 

 で、後者だとしたら今頃教室周辺は大騒ぎのはずなのでそれはなし。となると前者、誰かの知り合いのオペレータが来ているのが現状、確率としては一番高いかな?

 ましてや先ほどのSNSでのメッセージ、今まさにこちらに向かっている仲間達の名がずらりと並ぶなかで一人、決定的な人がいなかったのも加味すれば……おそらくはこれ、その人なんだろうな。

 

 今回の文化祭におけるシークレットゲストがどうのって話、あったもんなあ。この人だったらまさしくシークレットにふさわしいだろうさ、何しろ事実上世界で一番の権力者だし。

 あたりをつけつついよいよ教室へ。なかがうかがえる位置まで来た時点で、肉眼でたしかめることができたために即座に隣の梨沙さんが立ち止まりフリーズした。俺も倣って立ち止まる。

 

 ビンゴだ。

 見れば教室内、関口くんやさやかちゃん先生を前に微笑みとカリスマをもって接している、よく見知った友人がそこにいたのだ。

 

「うふふ……なんだか趣深いですね、日本の学校というものは。ここが山形様の学び舎、そして文化祭ですか」

「は……はいぃ〜。あ、あの、ど、どういった御用向きで、こ、こちらの学校のこちらの教室にまでぇ〜……?」

「ええ、私の大切な友人たる山形公平様にご挨拶をと思い伺いました。他の面々は来客として来るようですが、私だけは文化祭におけるゲストということで先に入らせていただきましたので。ふふ、遅れ馳せながら御機嫌ようみなさま。WSO統括理事、ソフィア・チェーホワと申します」

「お、お疲れ様です統括理事…………っ!!」

「怖ぁ……」

 

 ウェーブがかった金髪を靡かせる、ゴシックロリィタ調のドレスがトレードマークの美少女。高校生である俺達とそう変わらない見た目ながら、その実年齢は100歳をゆうに超える"永遠の探査者少女"。

 そうだね、ソフィアさんだね。完全にビビリ散らかしているさやかちゃん先生と関口くん、はたまた他のクラスメイトや教室の外から眺めている群衆を前に、それらすべてを圧倒するかのようなカリスマ性を発露する佇まいでたおやかに微笑んでいるよ。

 

 やっぱりシークレットゲストってこの人のことだったのかぁ……っていうか今このタイミングで、校内に姿を表して良かったのか? シークレットだろうに?

 困惑しつつもいい加減なかに入る。いつまでも放置していてもみなさんにもソフィアさんにも悪い、明らかに俺への挨拶のために来てるみたいだしね。

 これはまた、悪目立ちしそうだぞう。




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