攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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来ちゃいました♡

「こ、こんにちはーソフィアさん……あのう、思わぬところで出くわしましたね……」

「山形様! うふふふ、こんにちは。ええ、来ちゃいました!」

 

 まさかまさかも良いところで、文化祭におけるシークレットゲストらしいソフィアさんがうちの教室に来訪していた。

 おっかなびっくり声をかけていけば、永遠の探査者少女は朗らかな笑みを浮かべて快活に挨拶してくる。

 

 怖ぁ……クラス内外の、様子を見ていた学生さんやら教師さんやらが一斉に俺を見てるよ。

 なんだこの命知らずのバカは、いきなりあのチェーホワさんに話しかけて!? みたいなものを若干予想したんだけどそういう色の視線でもない。

 むしろ好奇心一色というか、ゴシップ的な視線が突き刺さっているね。

 

「うわー、噂をすればって感じだね。シャイニング山形くんだよ。たしかチェーホワさんとなんか深い仲って噂の」

「え、ヤバ……年齢差いくつよ? 100歳くらいあるでしょ、見た目はちょっとくらいにしか見えないけど」

「それ以前に見た目の格差がちょっと……チェーホワさんが美人すぎるし、山形くんが普通すぎるし」

「ていうかそんなわけないでしょ、普通に友人関係だってあれ、たぶん。ほら、シャイニングさんのほうには伝道師さんとか使徒の人らがさあ……」

 

 うーん、概ね週刊誌などであることないこと書き立てられたのを基準にした話をしている。ソフィアさんが俺ちゃんを囲う、なんだか年齢差的にアヤシイ関係なんじゃないか説を持ち出している人がチラホラいるのだ。

 いわゆる若いツバメってやつ? もちろんそんなわけなくて、俺とソフィアさんはいたって普通の友人関係だ。

 

 ていうか俺と紐づけしてナチュラルに伝道師だ使徒だ言うのやめてマジで、そっちのが俺的には怖いよ。

 ありもしない爛れた関係とかでなく、実際にあってしまっているカルト宗教を引き合いに出されると普通にぐうの音も出ないんだよなあ。

 今も時折学生さんのなかから、俺の名とともに万歳三唱する声が聞こえてくるけどスルーだスルー。怖ぁ……

 

「え、えーとソフィアさんはその、良いんですかシークレットゲストなのにこんな、目立っちゃって」

「良いみたいですよ? 一応、私も気になりましたので校長先生に山形様のクラスを見学しても良いですかと尋ねたのですが……"どうぞどうぞ、心ゆくまでどんなところでも御観覧くださいませ!! "と。とても寛大な方で助かりました、うふふふ」

「えぇ……?」

 

 なんてこった、校長先生が普通にザルい。

 いつも生徒向けの挨拶は死ぬほど長いくせして、なぜにソフィアさん相手にはものの一言二言で終わらせるんだ、そこが何よりもんにょりするぞー。

 

 まさかの校長先生直々の許可を得て、シークレットという文言をかなぐり捨ててまで一目散に俺の教室を見に来たソフィアさんの顔は微笑みを絶やさない。

 どこか懐かしそうに、それでいて新鮮そうな表情。見た目は俺よりいくらか年上くらいの美少女ながら、100年以上も生きているがゆえの老成した雰囲気がこれまたカリスマじみた魅力を伴い周囲を圧倒していく。

 

 さすがWSO統括理事だ、一挙手一投足が他者の心を掴んで離さないわけだね。

 関口くんやさやかちゃん先生、松田くん達や梨沙さんをも惹きつけて、彼女はそして、花咲く満面の笑みで言った。

 

「友人の学び舎を訪ねるんですもの、実際に山形様が普段暮らされている教室を拝見したいと思っていましたがそれが叶いました。素敵な雰囲気ですね、ここは」

「あ、ありがとうございます」

「……それに御学友の方々や教師の方も、とても素晴らしい。可能性に満ちた若い方々を見ていると、それだけで私も頑張ろうという活力をもらえる思いですよ」

「────あっ、はい! あの、ありがとうございますチェーホワ統括理事!! そうなんですみんな、子供はみんな可能性の塊なんです〜!!」

「うふふ、そうですね。誰しもがとてもたくさんの可能性を持ち得るものですが、とりわけ子供というものは……どんなふうにでも生きて、どこまでも行ける未来への期待感こそがあるべきですから。そう仰っていただけて、本当に素敵な学校だと改めて感じ入ります」

 

 教室の雰囲気やそこに暮らす俺達学生、あるいは教師まで含めたすべてを肯定的に受け止めてくださっている。

 本心からだろう、賞賛を口にする世界的権威にすかさず、我らがさやかちゃん先生も同意を口にした。

 

 相手が相手だけに緊張しきって、プルプル震えつつそれでも誇らしげだ。教え子たる俺達を褒められたことをそんなにも喜んでくれる、この人の態度こそが素晴らしいし誇らしいよね。

 こころなしかクラスメイトもみんな、勇気を出して俺達を想う言葉をくれたさやかちゃん先生を尊敬の目で見ている。

 

 ソフィアさんもまた、そんな彼女の姿にますます笑みを深くする。

 あるいは誰よりも、人々の可能性を信じてそれを護るべく奔走してきた彼女だからこそ……今の先生の言葉には、嬉しさと共感とを覚えたのかもしれないね。




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