攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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身内も外野もなんかこう、濃いな!

 予想通り、開口一番から句読点さんを旅立たせた伝道師こと御堂香苗さん。今度の旅はシンガポールあたりかな?

 周囲の友人知人のみなさんは当たり前のように受け入れてあまり動じずだ──唯一、来日されて日の浅いロナルドさんだけは口をあんぐり開けて絶句しているね。わかる──けど、道行く他の来訪者さん達は当然、突如始まった奇行にざわめきどよめいている。

 お騒がして申しわけない。

 

「あ、伝道師さん。なんでこんなところに?」

「そりゃ文化祭に来たんだろ。ほら、あそこに救世主くんもいるし」

「あらほんと。そっかあの人、うちの娘の同級生だったものねたしか。若い身空で大変ねえ」

「探査者さんはみんな大変そうだけど、別の意味でも大変そうなのはシャイニングくんくらいだものなあ」

 

「救世主様と伝道師様と使徒様も複数おられるぞ! なんということだこれが聖地、よもやさっそく尊き方々にお会いできるなんて救世主様バンザァァァァァァイ」

「普段から救世主様の登下校はたまにお見かけしていたけれど、やっぱり伝道師とともにいる姿は格別ね! 信仰心がドバドバ溢れて止まらないわ救世主様バンザァァァァァァイ」

「ふーん、学校の校舎をバックに佇む学生服姿も良いじゃん」

 

 えぇ……? 通りがかった一般的来客さん達の反応に内心の動揺が隠せない。まずナチュラルに俺のことを救世主と呼ぶの止めてもらっていいですかね?

 そして何人か跪いて奇声をあげているけど普通に迷惑なので止めましょう。あと学生なんだから学生服姿で校舎の前に立ってても別に問題ないだろ! 誰かしらんけど変なところに食いつくじゃん怖ぁ……

 

 仲間を迎えに来ただけでさっそくこのカオスぶりである。この状況を引き起こした当の張本人たる香苗さん、何をドヤ顔で決めポーズをしているのか。

 瞑想して心を落ち着かせる。ふーっ、フラットマインド。そうして改めて挨拶すれば、ようやく香苗さんも含めみなさん、普通に応対してくれた。

 

「お、お疲れ様ですみなさん。ようこそ、東クォーツ高等学校文化祭へ!」

「お疲れ様です公平くん。本日はお招きいただきまことにありがとうございます。どうかよろしくお願いします」

「ファファファ! 公平ちゃんも大変だねえ、いよいよ道端で見知らぬ人らが祈りを捧げだしとるじゃないかえ。こりゃ救世の光がダンジョン聖教ばりの影響力を持つのも時間の問題だねえ。ファファファ!」

「ハッハッハー、ようこそ公平さん"こちらの世界"へ……別に望んだ覚えもないのにやたらめったら謎に信奉される立場同士、シンパシーが深いね!」

 

 さきほどとは打って変わって、大人らしく挨拶してくる香苗さんに、むしろ面白がって爆笑するマリーさんと何やら手招きしているエリスさん。

 揃って人生の大先輩たるお二人がめちゃくちゃ楽しそうなのは何よりだけど、その内容は俺としては顔が引きつるしか反応できないやつだよこれ。

 

 元よりエリスさんも初代聖女ということで、こちらも過度な信仰を受けがちな立場の方として共感するところは多かったけど。いよいよ似たりよったりな立ち位置になりつつあるみたいだ、俺ちゃん。

 ダンジョン聖教に並ぶとかはアレだけど、救世の光の勢いは誰がどう見ても明らかにヤバいものなあ。どうなっちゃうんだろうなあ、今後。

 

 次いで話しかけてきたのがリンちゃん、サウダーデさん、ベナウィさんにそしてロナルドさんだ。

 S級トリオにS級並の実力を持つA級、これまたミーハーさんには堪らない光景だね。特にリンちゃんなんてもう、はしゃいではしゃいで可愛らしいことこの上ない。

 ストリートファッションもよく似合う彼女が、目を輝かせて俺に駆け寄ってくる。

 

「公平さん、こんにちは! 日本の学校、ワクワク! 文化祭、ドキドキ! よろしく!」

「お世話になるよ、公平殿……ふーむ、これが学校か。俺はポルトガルのそれしか知らないので、日本の学び舎というのは新鮮だな」

「アメリカのスクールともやはり雰囲気が違いますねえ。ところでさすがにお酒は売ったりしてませんよね。はい、さすがに分かりますとも」

「分かってるのになんで聞いたのベナウィくん? しっかしすごいな御堂さん、さすがS級すぎるだろこれ、この、アレ」

「酒飲み、自重!!」

 

 ドレェ……? ロナルドさんがすっかりドン引きしているけれども、俺としては逐一うなずける反応でしかないのでなんとも言えない。

 サウダーデさんとベナウィさんは、御自身の出身国の学校と比較して日本の学校に興味津々みたいだ。でもベナウィさん、マジで酒なんて出るわけないのになんで聞いてくるの? そりゃロナルドさんもリンちゃんも呆れるよ。

 

「公平様、お久しぶりです。聖地・東クォーツ高等学校への訪問が可能となるこの日を不肖ながらこの使徒めも一日千秋の想いで待ち望んでおりました。大変貴重な機会をお授けいただき、まことにありがとうございます」

「はっはっはー! 約2名ほど信仰心キメてる方々がいますけどまあまあ無問題ですかね! 山形くん、今日は一日お世話になりまーす!」

 

 そんでもって最後に宥さんと葵さんが話しかけて来た。言わずもがな伝道師ばりの信仰ムーヴをかましてくる宥さんと裏腹に、相変わらずの底抜けに明るい葵さんが変に対比的にも見える。

 改めて思うけど、濃ゆいメンツだなあ……総勢9人の仲間達と言葉を交わしながらも、つくづく感心するやら恐れ慄くやらな俺だった。




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