攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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どうしてもフードファイター路線をひた走らせたい脳内暮らしの元ラスボスさん

 無事に演劇も終えて、いよいよフリータイムだヒャッホウ! ってことで各々解散して自由行動を始める我ら1年13組クラスメイト一同。

 決まり決まったグループごとにどこ回ろうかアレ見ようか、よしじゃあ男子全員でメイド喫茶行くべ行かねーよ馬鹿! と大変楽しそうにはしゃいでいるわけだけれど。

 

 そんななか俺ちゃんは一旦、そうしたやり取りからもクラスからも離れて一人、単独行動を取るつもりでいた。

 いつも通りに俺を誘ってくれている梨沙さんや松田くん、木下さん遠野さんに片岡くん達へと頭を掻いて詫びる。

 

「ごめんみんな、ちょっと今日は探査者の友人さん達を案内して回らなきゃいけなくて。ほんとゴメン、よければ明日に改めてご一緒させてほしいかなって!」

「畏まんなって山形、もちろん分かってるから! 演劇前にうちのクラスにやって来たあの人達だろ? 大変だなーお前も、俺だったら緊張やらなんやらで飯も食えなくなりそうだ」

「気心知れてても探査者の先輩さん達だもんね……無理せず、でも頑張ってうちの学校の良さを教えてあげてね、公平くん!」

「ありがとう、みんな……!」

 

 これっていうのが、まあお察しだろうけども仲間達とともに文化祭を見て回り、ついでとばかりにうちの学校を紹介するつもりだからだ。

 みなさん、当然スケジュールというものは各々お持ちなので来校されるのは今日一日だけ。なので忙しい合間を縫ってお越しいただいた以上は、俺としても楽しんでもらいたいわけで精一杯のことをしたいのである。

 

 そうした俺の事情や想いを梨沙さん達も理解してくれていて、嫌な顔ひとつ見せずに温かい言葉をくれる。

 本当に素敵な友人達だよ……木下さんや遠野さん、片岡くんも次々に笑いかけてくれているね。

 

「そういうことなら明日またみんなで楽しもっか! 文化祭は二日あるしねー」

「そうそう! 模擬店も二日間やるみたいだし、なんら問題なく全店制覇できるもんね! もちろん購買のレアなパンとかおにぎりもすでに確保してるし、前もってコンビニでお弁当も買い込んでるから準備万端だよ! よーし今日は食べるぞー!!」

「えぇ……?」

「遠野はいつも元気だなあ。見てるだけでこっちも元気になれるよ」

 

 怖ぁ……木下さんはともかく遠野さんが完全にこの催しをフードフェスと勘違いしている。

 この日にしか販売されないレア商品を置いている購買はともかく、コンビニ弁当まで網羅する必要ある?

 

 おもむろに机の上に弁当やらパンやらおにぎりを置き出した遠野さんに、片岡くんは相変わらずのことと穏やかに笑って受け入れている。

 この二人、夏以降距離感がぐっと縮まった感じなんだけどまだくっついてはいないんだよね。でもなんだかお互い顔を見合わせてる感じがとても素敵なので、穏やかにこのまま少しずつ進展していってもらえると俺ちゃんとしても草葉の陰からニヤニヤしつつ見てられるよ。

 

 さておき、そんなやり取りを経てから俺は教室を出て一路、探査者仲間達のところへと向かう。すでにグルチャで集合場所は確認済みだ。

 普段は職員用のミーティングルームとして利用されている大会議室、今日に限っては来訪者の休憩ブースのひとつとして開放されているそこにみなさん、お待ちらしい。

 

 なんならシークレットゲストとして来ていたソフィアさんとも合流しているとか。

 そう言えばあの人は演劇に来られなかったっぽいけど、なんか午後から講演するとかって言ってたからその準備や打ち合わせがあったんだろう。統括理事ともなるといろいろ社会的なやり取りも信じられないくらいあるんだろうし、大変だと思うよ本当。

 

 急ぎ足で大会議室へ向かう。ていうかそろそろね、俺もいろいろあったからか全身筋肉痛だしお腹空いたしでちょっと一息入れたい。

 世界停止、カロリー使うなあーこれ。

 

 

『そうだぞ公平、ちんたらやってないでさっさとご飯食べろよ! さっきの遠野真知子を見ただろお前も、どこまでも純粋な食欲とそれに対する無垢なる意欲を。あれこそがお前が目指すべき食への探求の姿であり僕を満足させるためにやらなければならないことのひとつなんだよ。いい加減に理解しろって!』

 

 

 脳内の馬鹿野郎が、さっきの遠野さんの姿をも引き合いに出して勝手なことを吐かしているけどスルーだスルー。俺はフードファイターになるつもりはないよ、食事は好きだけど別に探求しとらんしな!

 こいついよいよ、俺を遠野さんルートに走らせようとしてきているな……とどこか戦慄さえ覚えつつも目的地の部屋前に到着する。

 

 室内からは相当数のオペレータの気配が感じられる。まるで全探組施設の談話室みたいだ、ものすごく密集しているよ。

 ていうか、仲間たちだけじゃないのか? 明らかに20人くらいいるんだけど、何人か別口の探査者がいるみたいだ。

 

 まあそんなこともあるのかな、うちの県にもそれなりの数、探査者はいるしね。

 そうあたりをつけつつも、俺は来訪者用の休憩ブースへと足を踏み入れるのだった。




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