攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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登場!ハミングバード・サーチャーズ!

 突如として名乗りを上げたアイドル探査者グループ、ハミングバード・サーチャーズ。

 その瞬間にまるで大会議室内がライブ会場になったかのような錯覚に陥り、俺は思わず息を呑んだ。

 

 失礼ながらアイドルというものにそこまで詳しくないもので、ハミバなんてのも関口くんの知り合いってことで多少気に留めていたくらいだった。

 だけど今、見せつけられたパフォーマンスというか魅力、カリスマ性の断片に……なるほどこれは人気出るよなと、納得するだけの説得力を見たのだ。

 

「ほう……? 大したもんだね、アイドルってやつも。五人揃っての相乗効果もあるんだろうが、観客を圧倒する魅力ってのを感じたよ」

「ううむ。名乗りの口上がなんともはや、一般に想像するアイドルというのとはまた異なる気がするが……俺とてアイドルについてはあまり知らないから良くわからないな。最近の若い探査者ならば詳しいのだろうか」

「こ……これがハミバ! かわいいかわいいリーベちゃんをして、それでもぐぬぬとライバル心を抱かずにはいられないアイドルちから……! まさしく五人のアイドル魂、見せつけられちゃいましたー!?」

 

 仲間のみなさんも口々に今、名乗ってみせたハミバの五人への感想を話している。

 マリーさんやサウダーデさんはそもそもアイドルにあまり関心がなかったみたいで、戸惑いつつもこういうものかあ的な感心を見せているね。

 

 反面、リーベは一応でもカルト宗教系でもアイドルデビューしたからか、彼女達を好敵手とみなして燃え上がっているよ。

 ちなみに余談だがこの子、割とコンスタントに例のチャンネルに顔出ししては日増しに人気を獲得していてとても恐ろしい子になりつつある。

 

 そもそも見目がぶっちぎりで良い上、歌とかダンスもしっかり魅力的だからね。

 やはり宗教的な色合いが強いバックボーンが良くも悪くも影響しているようだけど、それを差し引いてもかなりバズっており……いわゆるインフルエンサーの仲間入りを果たしつつあるそうな。

 

 つまりそれに比例して、こんな可愛い子に好意を明言されているどこぞの救世主野郎へのファンやらアンチやらも加速度的に増加しているんだけれどそこからは華麗に目を背けて、と。

 ともあれハミバの五人組だ。見事なポーズと名乗りで周囲を魅了した彼女らが、俺に向けて話しかけてきた。

 

「やっと、やっとお会いできましたシャイニング山形さん!! お疲れ様です、覚えていますか3ヶ月くらい前のショッピングモールでのイベント!!」

「は、はいもちろん。あの、急なダンジョンでお困りだった時のことですよね。どうにか中止にならずに済んだようで、何よりでした」

「あなたのおかげです! うちのメンバー、海北アキラのパーティメンバーの関口くんがあなたを連れてきてくれたおかげで、私達は大切なイベントを中止せずに済みました!」

 

 赤い髪の少女、近江マコトさんが元気溌剌な声と笑顔で一歩前に出てくる。うお、すごい存在感……校舎の陰に生えてる名もない雑草こと山形くんには眩しすぎるぞこの太陽!

 やはりというべきか、こないだのイベントの件で俺を探してここにいるらしい。この文化祭のゲストになったのはたまたまだろうけど、なんとも律儀な話だ。

 

 次いで近江さんの左隣、クールな青髪の群馬チトセさんと金髪の青森カナコさんが前に出てきた。

 それぞれクールな感じの群馬さんと、裏腹にニコニコ笑顔の青森さんで対照的な二人だね。

 

「大ダンジョン時代100年の果てに生まれた奇跡──時代が望んだ救世主。そう称されさえする天才シャイニング山形さん。あなたはそんな重すぎる期待を一身に背負うだけはあって、ありえないほどの速さで私達を救ってくれた。感謝してます」

「いやもう、マジであのイベントの後に五人みんなで泣いて喜んでたんだよ〜! 地方イベントはその土地土地にいる人達との交流の場、とっても大切なものなのに中止になるかもしれなくて、本当に悔しかったから……だから、そこを助けてくれた君にずーっと、ず〜っとありがとうって伝えたかったの!! えへへ、夢が叶って嬉しいよう〜っ!」

「い、いえいえお気になさらず。僕もたまたまその場にいただけですので、ええ」

 

 怖ぁ……なんだか思っている以上にガチな感謝をそれぞれからもらってる気がする。こっちとしては多少シチュエーションが特殊なだけで普通のダンジョン探査だったんだけど、立場が違うとこんなにも必死さも異なるものなんだな。

 ハミバはたしか、人気急上昇中とはいえまだまだ地方巡業、いわゆるドサ周りがメインのアイドルグループだったはずだ。となると件のショッピングモールでのイベントなんてのも、名を売りファンに応えるために必要不可欠なものなんだろう。

 

 それを、奇しくもいきなり発生したダンジョンによって潰されかけていたんだ。悔しくて当然だよ。

 たまたま通りすがったところを関口くんに連れられて来ただけの俺が、そんなのをサクッと解決したんだから……考えてみれば、ここまで過剰な感謝をするのも当然なのかもしれないね。




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