攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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そろそろ行くぞ!ミュトスの新居

 春香とのやり取りも終えて、虫養いのおにぎりにサンドイッチと肉まんあんまんも食べ終えてそのまま自宅まで帰る。夕方頃でいい塩梅の時刻での帰宅だ。

 そこから疲れた身体を癒やすべく風呂に入り、さっぱりしたところでパジャマに着替えてすっかりリラックス気分でリビングに向かったのである。

 

「──ってことは父様、オレも父様の従姉妹と遊びに行って良いんですね! やったぜ、大家族だぜ!!」

「そりゃもちろん良いけど、父様呼びは勘弁してくれな? さすがに従姉妹っても困惑されちゃうだけだしさ、ごめんだけど」

「もちろんだぜ! えへへ、父様〜」

「もはやすっかり父親が板についてきてますねー」

 

 そんでもって俺がソファにてのんびりしていると、自室からやって来たリーベとシャーリヒッタが傍に来た。だもんで来週日曜、春香との約束について話す。

 隣県の大きな駅前のショッピングモールにて受験生リューさん応援! それに伴い新しい山形家の一員であるシャーリヒッタのご紹介! ……そう提案するとシャーリヒッタが突然抱きついてきて、全身で喜びを表現しているのが今である。

 

 小柄ながら、甘えてくる様子はまるで大型犬である。ちょっとボサッとした感じの赤色ロングヘアもどことなくそんな感じするしね。

 まあ、当日の父様呼びは控えてくれそうなのでなされるがままに頭を撫でておく。穏やかに笑うリーベが、俺の隣りに座って肩に頭を乗せる形でもたれかかってきた。

 なんだい今日は、二人とも甘えてくるなあ。

 

「シャーリヒッタが抱きつくなら、リーベちゃんだってしなだれかかりますー。えへー、スキンシップ、スキンシップ」

「あー、父様に抱きつく至福だぜー」

「抱き枕か何かかな? ……父ちゃんも母ちゃんもまだ仕事だからあれだけど、優子とかに見られたらからかわれるぞー?」

「優子ちゃんはアイちゃんを抱きしめてぐっすりお昼寝中ですねー。日頃公平さんに一番甘えてるあの子を今日は独り占めできる! って、朝から昼すぎまでずーっと一緒でしたよー」

「えぇ……?」

 

 何してんのあの子。妹ちゃんが相変わらずのアイに首ったけ過ぎてもはや安心感まである。普段からアイを可愛がるあまり、その親として認知されている俺にも結構ヤキモチ焼いてるもんなあ。

 それで今日は朝から今まで俺が外出してたから、思う存分に構い倒せてご満悦で夢のなかってわけか。まあ可愛がってくれるならぜんぜん構わないんだけどね。

 

 ちなみにそんな優子ちゃんも優子ちゃんで、土日休みは結構友達と遊びに出かけたりする。

 何しろ当時の俺と違ってリア充グループ所属の陽キャムーヴしてるらしいからね、中学では。学業も成績優秀だし何より兄貴目線を抜いても可愛らしいのである種のマドンナ扱いさえされているそうな。

 

 本質的には俺とそう変わらないレベルの陰キャで、母ちゃんとそう変わらないレベルの怖がりなんだけどなあ、あの子。父ちゃん譲りのちゃらんぽらんさは対外的な部分では上手いこと隠しているみたいだ。

 やはり死ぬほど告白されるらしい美少女ともなると、全自動でスクールカースト最上位に位置するということなのだろう。兄妹でこの格差よ、怖ぁ……

 

「まあ寝てるなら寝かしておこうか。後であの子にも来週についての話はしないとな。たぶん来れると思うけど、先約があったらそっち優先だろうし」

「ですねー。それにその前に明日はみんなでミュトスちゃんのお家訪問ですしー。なかなか騒動が終わっても、忙しいものですねー」

「それな。まあ明日とか来週については強制じゃないから、そのへんは気にはしてないけど。やりたいようにやってるだけだしね、俺も」

 

 気付けば結局、毎週何かしら予定の詰まっている俺ちゃんにリーベがしみじみ言う。

 たしかに、なんやかやと休みの日もいろいろやることをやる感じになってはいるね。委員会絡みの一連の騒動が終わった今、もうちょい暇になるかと思ってたけどそうでもないらしいのは良いやら悪いやらって感じか。

 

 とはいえ仕事なわけでなし、自分達で好きに決めたことなので使命感がどうの責任感がどうの言うわけでもないので身軽なのは間違いない。

 探査業にしろプライベートにしろ、やりたくてやっているんだ。それが疲れないわけでもないけど、少なくともモチベーションは高めに動けるから良いよね。

 

「インターフェイサーの話とかの話もしないとですからね……父様にはお手数おかけしてます」

「立場柄、総責任者は俺だから気にしないでくれよシャーリヒッタ。気楽に、どんどん頼ってくれて良いんだ」

「現世におけるシステム領域関係の総責任者、コマンドプロンプト。公平さんにはアドミニストレータだけでなくいろんなところでずーっと、お世話になっちゃってますねー。ありがとうございます、本当に」

「こっちこそありがとうだよ、リーベ。二人も含めた精霊知能達のおかげで、なんだかんだと世界の理は保たれているんだから」

 

 互いに労い合う。たまにはこういう、穏やかな時間があっても良い。

 コマンドプロンプトと精霊知能。揃ってシステム領域の私達は……軽く微笑み合って、夕暮れ時のしばしのひとときを過ごしたのであった。




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