攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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精霊知能、大集合

 そんでもって翌日の日曜日、朝。

 俺はリーベ、シャーリヒッタとともに早朝からお出かけし、ミュトスの家まで向かうことにした。

 俺にとっては初めての訪問になるけど、同行の二人はすでに何度か訪ねている場所で行き方もよく知っているため道案内してもらう形になるね。

 

「途中でヴァールも拾うんだろ? どこ予定してる?」

「今から向かう駅の改札前ですねー。そこから隣県の駅にまで行ってー、ちょっとお土産とか買い込んでから行こうかと思いますー」

「オレやリーベ、ヴァールにとっちゃもう慣れた第二のアジトみてーなもんですけど! 公平サンが初めてお越しくださるってんなら土産もしっかり用意しねえとオレ達の面目問題なんだぜ! あとミュトスも張り切りまくってるから、たぶんアレコレもてなしを受けると思うんで期待しててください!」

「アッハイ……怖ぁ……」

 

 今日は他にもヴァールを迎えてともに訪ねたりするわけで、待ち合わせ場所も含めたこの後の予定について聞いたは良いものの。

 思いの外、こっちもあっちもドタバタしてそうな気配に思わずビビっちゃったよ。単なるお宅訪問で何を仰々しいことやろうとしてるんだ、この子達。

 

 土産はまあ、引っ越し祝いとかも兼ねての訪問だから当然用意すべきだからこっちとしてもありがたい。

 でも祝われる側のミュトスが盛大に張り切ってるのがなんていうか、お手数かけして申しわけないって感じにはなるよね。そんな大袈裟にせんでもろてと言いたいとこだけど、こればっかりは本人達の厚意だからね。

 ありがたく頂戴しておくことにして、こっちもしっかりお土産選ばないといけないな、これは。

 

「めでたいぜ! ついにインターフェイサーの現状での主要構成員が大体集うんだ! これまでも精霊知能で集まったりはしてたけど、やっぱ公平サンがいないと始まらないもんな!」

「いや始めても良いから。別にそこまでトップダウンな組織ってわけじゃないんだからさあ……ないよね? ないだろ、リーベ」

「ですねー。基本的には現場指揮は隊長のシャーリヒッタですしー、リーベちゃんやヴァールみたいな隊員も含めて実働部隊が主に動くわけですから、公平さんにおかれましては報告と連絡と相談を受けて適宜アドバイスや指示、あるいは命令を下さると嬉しい立場ですねー」

「つまりは総責任者らしく総隊長、長官的なポジションなんだぜ! こういう部隊全部あげてのイベントにゃ当然、来てくださらないと始まらないんだぜー!」

 

 テンション高いなあ、シャーリヒッタ……インターフェイサーの事実上の初お披露目みたいな形だから当然ではある。

 システム領域による、現世活動特別部隊インターフェイサー。その総責任者ってことで俺が一応トップに就いてる組織なわけだけど、基本的には部隊長のシャーリヒッタの現場判断で動く部隊にしていってもらえたらとは思ってるんだよね。

 

 そこはもちろん精霊知能達に伝えているものの、こういうイベント時にはしっかり顔を見せると喜ばれるみたいだ。

 そんなに良い上司やってるわけでもないのでなんだか恐縮だ。まあ、シャーリヒッタはじめみんなが良いと言ってくれるならお言葉に甘えさせてもらうけども。

 

 あれこれと話し込みつつ歩いて、駅に到着。もうこの時点でオペレータの気配は掴めているんだけど、さすが人の行き交う場所なだけあってちらほら探査者がいるな。

 日曜朝からでもダンジョン探査を行う人もいるってことかもね。見れば武装したいかにも探査者って感じの集団を見る。

 

 内心でお疲れ様ですと感謝しつつも改札まで行けば、その人はすぐに見つかった。

 金色のウェーブがかったロングヘア。無表情でともすれば冷淡にさえ見えるが、その整った顔立ちはそれさえ魅力を引き立てる要素として成立させているクールな美少女。

 

 行き交う人々が揃って視線を向けているのは、けれどその美しさだけではないだろう。彼女こそまさしく世界的にも有名な、かの"永遠の探査者少女"なのだから。 

 WSO統括理事ソフィア・チェーホワ──その裏人格、精霊知能ヴァール。

 思いがけない護衛を一人、いや二人引き連れて彼女は静かにそこに佇んでいたのだ。

 

「────む。来たか。定刻通り、さすがだな後釜にシャーリヒッタ」

「公平さんを連れてくるのに遅刻なんて洒落になりませんよー」

「オレとリーベだけだったら寝坊とかしてたかも、なんてな! おう元気にしてたか妹よ! 姉達だぜー!!」

「堂々と情けないことを叫ぶな。あとワタシは妹ではない姉だ! ……山形公平、数日ぶりです。文化祭の折にはソフィアともどもお世話になりました」

「あ、ああ。お疲れ様」

 

 もはや恒例にも近い姉妹漫才を即座に展開しつつ、合流する俺達。相変わらず仲良しな三姉妹にほっこりするものを覚えつつも、俺はヴァールの傍に控えるもう一人の精霊知能を見る。

 銀色のメッシュが入った艶やかな黒髪。朱と蒼色のオッドアイなんて壮絶な中二力をその身に宿したとてつもないイケメンさんだ。

 

 ぶっちゃけ道行く方々のうち、女の人達のほうは彼のほうを見ちゃってるほどの異次元のイケメン。

 そしてその度、透明になっている"彼女"が彼にしがみつき、これは私の男ですと見えてもないのにアピールしている。怖ぁ……

 

「お久しぶりです山形さん、リーベさんシャーリヒッタさん。本日ヴァールさんの護衛役を務める神奈川です、よろしく」

『同じく精霊知能ステラです! お久しぶりですけど早く行きませんか? 私の千尋が女達の視線を浴びすぎちゃってますし……!』

 

 精霊知能、神奈川千尋/ステラ。

 最新にして現状唯一無二の、二人で一人の精霊知能たる彼と彼女らが、まさかの護衛役としてヴァールに付いていたのだ。




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