攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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あと一ヶ月なので一応告知しますー
「大ダンジョン時代クロニクル」
第二部後半は2026/1/1の0時からスタートしますのでそちらもご期待くださいませー!



思わず本場関西のツッコミを入れちゃうほどの衝撃!

 さてリーベに取次をお願いして待つこと数分、エントランスの奥の方にあるエレベーターが開いて、そこからミュトスがやって来た。

 ジーンズに白シャツ、サンダルとラフな格好だ……もうその姿を一目見ただけで分かるよ、ああすっかり落ち着いた暮らしぶりをしてくれてるんだなーって。

 

 銀髪を長く揺らす彼女は、パッと見だとクールな印象を受ける美人さんだけど、その実コロコロと表情を変える明るくて元気な方でもある。

 だもんで今も俺達を見るなり、満面の笑みを浮かべて手を振って軽く小走りで来たのだ。

 なんだか人懐こい大型犬を思わせるなあ。

 

「はろはろにゃちわ〜、ミュトスですー! いやはやみなさま本日はお忙しいところお越しくださり感謝感激雨あられ、何とぞよろしくエレガンス! なんちて!」

「おうミュトス、今日は世話になるぜェ! 何しろビッグゲストの公平サンも来てくださってるからなァ。部屋の掃除はバッチシか、一応聞いとくけどよ」

「もちのロンです! 不肖ミュトスちゃん、最新家電のお力を借りまくって埃一つ残さないようにしてますよ! テレビドラマの姑さんみたいなことしてもらっちゃったりしてもダイジョーブイ! ですとも!」

「えぇ……?」

 

 それアレじゃん、窓の縁に指でついーってやって、埃がついてたら嫌味いうアレじゃん怖ぁ……どんなテレビドラマ見てるんだミュトスさん。

 何やら偏った知識を仕入れてそうだけど、ともかく元気満々な姿を見せてくれたミュトスは、シャーリヒッタはじめ俺達に挨拶してくれる。

 

 それに応じて俺やリーベ、ヴァールに神奈川さんも口々に挨拶を返して、さっそく彼女の住まいに向かうことにした。

 いつまでもエントランスにいても仕方ないしね。あと、コンシェルジュさんがいるところであまり突っ込んだことは言えませんし。

 

「じゃあ行きましょう! 我が居城、マンション33階は16号室まで、いざレッツラゴー!」

「へぇー、33階……33階!? そんなあんのこのマンション!? いや外観からしても相当高そうだったけども!?」

「40階まであるな、こちらの高層マンションは。地下にも一階分エリアがあるがこちらは地下駐車場となっている。規模で言うならば県下最大と言えるだろうな」

「リーベちゃんも初めて来た時、びっくりしましたよー! 織田さんのところのマンションでも相当大きかったのに、それに輪をかけてますしねー」

「首都圏中心部の方だとそう珍しくもない高さだけれど、このあたりだとたしかに珍しい気はするなあ」

 

 なんかナチュラルにものすごい階層に住んでることが明らかになったぞ今、ダンジョンか何かかな? 似たようなもんか。

 みんなを載せたエレベーターが、見たこともないような階層に向けて上がり始めた。リーベやシャーリヒッタ、ヴァールは完全に慣れた様子で、神奈川さんもあくまでこの近辺だと珍しいとして、首都圏は山程あったよこのくらいの高さ的なことを仰っている。

 

 たしかに、首都圏はマンションじゃなくてビルだったけどもっともーっと、背の高い建物がわんさかあったもんな。

 それを考えると33階くらいどうってこともないのかもしれない。関西生まれ関西育ちのパンピー山形くんとしては軽いカルチャーショックって感じだけど。

 

 しかもこのエレベーター、あんまり揺れないし静かなのに結構早く昇っているみたいでぐんぐん階が上がっていくのがなんか面白いぞ。テンポが良いと言うか。

 結局予想よりずっと早く、目的階層の33階まで到達しちゃった。下りて周囲を見回せば、うわー綺麗な大理石の廊下と壁と天井! 照明もどことなしお上品なクリーム色!

 

「ていうか織田のとこもそうだったけど、全体的に静かだなあ……マンションってあんまり行かないから新鮮だよ」

「あはは、それ私も思いました山形様! でも時折人の出入りとかもありますし、ご近所さんとも会ったりするので住む分には意外と賑やかな時間帯があったりするかもです」

「あ、やっぱりあるよねそういうお付き合い。良くしてくれそうな人達だったりする?」

「それはもちろん! 何しろこの階の人達、救世の光の信者さんが結構いまして! 伝道師さん直々に使徒認定されたミュトスちゃんなんてのはそりゃもう、大変温かくしていただいておりますとも!」

「…………んんん!?」

 

 今明かされる衝撃の真実すぎるんですが。あまりのことに思わず呻くしかできないんですけど。

 ご近所さん、例の宗教の信者さんなの? 嘘でしょ? リーベやシャーリヒッタ、ヴァールを見る。ああ3人とも当然のごとくうなずいてるんですけど怖ぁ……

 

 神奈川さんやステラもさすがに目を丸くしてミュトスを見ている。まさかこの階に住む人達までなんて思いもしないじゃんそんなん。

 困惑しているとヴァールがこほん、と咳払いをして説明してくれた。

 

「ああ、その、なんだ山形公平。ミュトスの言っていることは事実だ。このフロアの住民はそれなりの数、救世の光に入信しているな」

「えぇ……?」

「言っておくがこれは御堂香苗の伝道ありきでのことでもないし、我々としても意外な成り行きだった。まあ、御堂香苗が影響しているのは間違いないが……彼女の能動的な行動によってそうなったわけでなく、自然とこうなったのだ。元からいた住民達が、自然とあなたを信仰し始めた形であるのが事前調査の上で判明している」

「なんでやねん」

 

 ツッコむしかないやんこんなん。絶句しながらもどうにかできた反応がそれくらいしかなかったとも言う。

 静かな通路に虚しく響くツッコミ。唖然とするしかできない俺の背中を叩いて、ヴァールはまずはミュトスの部屋に行こうと囁くのだった。




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第二部・第二次モンスターハザード前編─北欧戦線1957─
完結しました!後編開始は2026/1/1の0時から!
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