攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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歴代聖女については大ダンジョン時代ヒストリアもよろしく!(宣伝)

 三代目聖女マルティナ・アーデルハイドさんについては、正直なところあんまりよく知らない。

 認定式の際にマリーさんから軽く聞かされたくらいかな? それにしたって雑談ですらない軽口程度、あまり深く突っ込んだわけでもないし。

 

 なので今回、シャルロットさんの口から初めて詳細なお話を聞けたわけなんだけれど……予想以上に濃ゆい人物らしくてヤバいよ。

 聖女就任と同時に騎士団を設立して初代団長をも務めたほどの剣の使い手で、なんとあのマリーさんとさえ比較できるほどの腕前だったのだとか。

 

 つまり紛れもなく当時の、いや現代にあっても世界最高峰クラスの剣士だということになる。

 かねてから聖女さんって武闘派が多いなあと思っていたわけなんだけど、にしたってマリーさんクラスはさすがに想定外だ、マジかよって感じになる。

 あの人と明確に比較対象になる聖女なんて、それこそエリスさんくらいしかいないと思ってんだけれど、なあ。

 

「三代目様の剣技の全盛期は、概ね第五次モンスターハザードの頃と言われていますが──その当時には、かの剣聖マリアベール・フランソワ氏とも肩を並べた機会が多くあり、同行していた多くの探査者やマスコミからも互角扱いをされていたのだと聞きます」

「あの"ハザードカウンター"アラン・エルミードさんも自伝のなかで触れているね。こと剣技の冴え、力強さにかけてはアーデルハイドさんはフランソワさんにも匹敵していたと。史上最高の探査者と名高い人の見立てだ、事実がどうあれアーデルハイドさんが相当の腕前なのは間違いないだろうね」

「怖ぁ……」

 

 身内であるシャルロットさんはともかく、愛知さんからもその説を補強するような話が出てくるあたり、かなり信憑性の高い話だぞこれ。

 しかもあのアラン・エルミードさんまで触れていたというのだからなおのことだ。

 

 第五次モンスターハザードの英雄にして、今なお史上最高の探査者と呼び名も高い"ハザードカウンター"。

 ロナルドさんのお師匠さんでもあるそんな方が自著のなかで──ていうか自伝とか書いてるんだ。そういう探査者も結構いるから違和感はないけども──明言していると言うならば、やはりアーデルハイドさんが相当の使い手なのは確実なのだろう。

 

 ただし、とシャルロットさんは続けた。

 彼女ならではの、アーデルハイドさんと直に接した時のエピソードをも話してくれたのだ。

 

「当の三代目様は、そうした評を大層厭うておられました。マリアベール特別理事の名を出しただけで盛大に顔をしかめ、舌打ちをも零してその場でお酒を呑みだしたほどです。アレはいわゆる、ヤケ酒でしたね」

「えぇ……? なんでぇ……?」

「なんでも若い頃から苦手だったようです。過去には仕方なく共闘したこともありましたが、本当ならそもそも近づきたくもなかったと。これはその、統括理事に対しても同じニュアンスを仄めかしておられましたね。お話を聞いた時に同席していた五代目様も苦笑いするほどに、三代目様は特別理事と統括理事を嫌っておられました」

「それはまた、意外と言うべきか……まあ、人それぞれに好き嫌いはあって然るべきだろうけれども」

 

 マリーさんだけでなく、ソフィアさんまで本気で嫌って距離を置いていたかったのか。アーデルハイドさんの意外な話に愛知さんともども目を丸くする。

 初代聖女のエリスさんはもちろんのこと、五代目の神谷さんだってあの二人とは親しげだったし、その中間にいる三代目とかも大体そんなもんかと思ってたんだけどな。

 

 とはいえ愛知さんのいうように、こればかりは個々人のまさしく好き嫌いだ。無理に好きになれと言えるわけもなし、余人に口を挟める部分でもないだろう。

 ただシンプルに、イメージ的にちょっと意外だなーってだけだよ。

 

「マリーさんとソフィアさんが苦手、かあ。ちなみにエリスさんのことはどうだったんです? そのへん、何かお話とか聞いてるんですか?」

「まあ軽く。そもそも三代目様は師にあたる二代目ラウラ・ホルン様を特に慕っていたのですが、その二代目様が姉として敬慕されていたというので初代様には好意的な様子でしたね。ただ、五代目様曰く扱いは雑だったようですが」

「雑」

「なんでも……第五次モンスターハザード終結直後、人知れず行方を晦まそうとしていた初代様を簀巻きにした挙句三日三晩そのまま引きずり回して、二代目様がお住まいだったイギリスにまで持ち帰ったとか。あまりの乱暴さに二代目様と五代目様が激怒して、四代目様が仲裁に入ったと聞いています」

「怖ぁ……」

「いや何してるんだ、歴代聖女」

 

 なんか唐突に面白エピソードを聞かされてしまった。エリスさんに対しては嫌いではなかったらしいけど、にしても簀巻きて。三日三晩引きずり回すて。

 そんでその状態で連れてこられた日には、そりゃエリスさんを慕っていたホルンさんや神谷さんも怒るよ。仲裁したという四代目ヴィルタネンさんの心労も偲ばれるよ。

 

 なんならそんな状態でもなんか、ハッハッハーとか呑気に笑ってそうなエリスさんの姿まで思い浮かべられてしまう。

 在りし日の歴代聖女達の、どこかコミカルな活き活きとしたエピソード……と、言えるんだろうな、これは。




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