攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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従姉妹が業の深い道を歩みだしてる気がする……(WSS)

「ぃよーう久しぶりだな公平に優子! それにリーベちゃんも元気だったかー?」

「リューさん、お久しぶり! 俺達はこの通り元気満々だよ、リューさんは? 受験勉強の調子どう?」

「わはは、まあぼちぼち! でも正味な話やる気でねえのなんのって!」

「えぇ……?」

 

 挨拶もそこそこにいきなり満面の笑みで、元気いっぱいにやる気の枯渇を語る我らがいとこのリューさん。

 チャラチャラした見た目とは裏腹にこの人も俺同様大概な陰キャで、なんなら趣味がギャルゲーとネットでチートハーレム小説執筆らしいという筋金入りっぷりだ。

 けれど俺達に対してはすごく明るくて頼もしい兄貴分をしてくれている、素敵な高校3年生のお兄さんだよ。

 

 そんなリューさんだけど、見るからに空元気って感じでお疲れモードが隠せていない。

 どういう感じかな? ともう一人のいとこ、リューさんの妹で俺と同い年の春香に目を向けると、こっちはこっちで初対面のシャーリヒッタと何やら挨拶していた。

 

「えーっと、あの、リーベちゃんの妹さんで最近、公平と優子ちゃんの家にやって来たっていうのが、あなた?」

「おう! シャーリヒッタ・山形ってんだァよろしくな! 姉貴から話は聞いてるぜ春香、そこの隆太郎ともどもな!」

「そ、そう……よろしくね。リーベちゃんが天真爛漫アイドルって感じだったけど、こっちはなんだかワイルドなのね。公平、いやさハーレム救世主はこういうのがお好きなんだ? へー」

「なんでこっちに飛び火するんだ! 止めろ止めろ、誤解だそんな風評!」

 

 シャーリヒッタが身内というか、家族認定しているのはあくまで俺が属する山形家までのようだ。

 親戚に該当する春香やリューさんにはフレンドリーな態度ながら、どこか一線を引いた態度で接した感じがある。

 

 それでもタメ口なので、そのへんちゃらんぽらんなリューさんはともかく結構神経質なところがある春香的にはどうかな? と一瞬心配したものの……

 春香はなぜだか俺のほうをじっとりした目で睨みつけてきて、ネットのアレな噂を真に受けたようなことを言うばかりだ。誤解にもほどがあるだろ!

 

「あー。春香姉ちゃん的にはそりゃ、気が気じゃないよねえ……え、もしかして家でもこんな感じだったりするの、リューさん?」

「おう、そりゃもう気にしいやっとるぞ。何しろ盆からこっち、まーた公平のやつテレビに映ったろ? なんか空飛んでデッケェぬりかべ相手にビーム撃ってヘリに叫んで。それ見てますますのめり込んだっぽいんだが、裏腹にネットでの公平の噂も見ちまって見事にお脳みそがパーンってなりかけてるというか」

「あ、あははー……公平さんハーレム救世主説については本当にあることないこと取り沙汰されてますもんねー」

「匿名掲示板とかじゃそれをネタにしたショートストーリーみたいな小話まで拵えるスレもあるほどだ。ナマモノでよくやるよって感じなんだが、そういうのも見ちゃって順調に拗らせつつある感じだなあ」

 

 優子ちゃんとリーベに、家での春香の様子を淡々と解説するリューさん。命知らずだなー春香がものすごい形相で睨んでいて俺もシャーリヒッタもあんまり横向けないくらいなのに。

 どうも話を聞くに、認定式での俺全国デビュー半年ぶり二回目の映像を見たようで、あとネットでのアレな噂も仕入れたようで、それで春香がずいぶん影響を受けたみたいなんだろうか。

 

 まあ、外野で騒ぐ分にはやりすぎなければ好きにしてくれ派なのでなんでもいいんだけれど。さすがに身内の春香までもがそういうのに左右されだすと具合が悪い。

 だもんで一応、リューさんと春香には念入りにネットのあれこれは否定しておこうかな。二人の両親、俺にとっての叔父と叔母である山形洋介さんや真理子さんにも変に誤解されたままも嫌だしね。

 あっそうだ。一応聞いておこうかな。

 

「う、うっさい兄貴! 黙っといてよそーゆーの、てか拗らせてないし脳破壊もされてない! ネットの風評が何よ、くだらない!」

「そうだよ、さすがにデマだらけの情報を信じられても困る……っていうかリューさん、春香。じいちゃんやばあちゃん達は元気してる? たまに寄ってるんだよね、親元」

「んん? おう、そりゃもう元気してるぜ。夏子おばさんも元気だ、なあ春香」

「……ま、まあね。あと啓太くんに恵ちゃんも元気いっぱいよ公平。もっとも例のアンタの動画ずっと見てて、シャイニングシャイニング騒がしいみたいだけどね」

「そ、そう……」

 

 二人の家は実のところ、うちの県の北西部にある親元からは割合近い。だもんで、盆に限らずちょくちょく訪ねてくれているんだ。

 三郎じいちゃんと八重ばあちゃん、あと父ちゃんと洋介おじさんの妹にあたる夏子おばさんとその子供の啓太くんと恵ちゃんが今、親元で生活しているからね。ちびっ子達の様子見も兼ねて、家族の安否をたしかめに山奥の山村まで足を運んでくれているのがリューさんと春香なのだ。

 

 このへん、やっぱり面倒見がいい兄妹だなと感心するよ。

 探査者になる前、厨二を患い陰キャボッチ全盛期だった俺相手にもわだかまりなく接してくれた二人には、正直なところ頭が上がらない思いさえある俺ちゃんだ。

 そんなリューさんや春香とこうして遊べる機会なんだから、しっかり楽しんでいこうと思うよ。




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