攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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佐山も地味に属性多いな……

「おーっしゃ! まずは軽くレースゲームでもやるかぁ公平!」

「いきなり!? いやまあ良いけど」

「いくら探査者っても車の運転まではしたことねーだろ? だったら俺もお前も条件は一緒だ、ましてやゲームだしな! となりゃあこの手のゲームもまあまあ遊んでる俺のほうに有利ってわけよ!」

「えぇ……? いやまあ、納得はするけども」

 

 そんなこんなで開きましたよショッピングモールの朝10時過ぎ。さっそくゲーセンに向かったところ、いきなり肩を組んできたリューさんが意気揚々と俺にレースゲームでの勝負を仕掛けてきた。

 どうやら俺が探査者であることを考えた上で、それでも自分のほうが経験値が高いだろうゲームでなら勝てると踏んだみたいだ。まさかのいきなり勝ち負け決めようとしてくる姿に、春香が肩をすくめるのが目端に見えたよ。

 

 しかし甘いな、リューさん。アマチャズル茶のように甘いと言わざるを得ない。いやアマチャズル茶の味とか知らんけど。

 実のところ、こういう場所には梨沙さんや松田くん達ともそれなりに行くのが昨今の俺ちゃんだ。

 

 もちろんこのゲーセンではなくて地元の、どちらかと言うとクレーンゲームばかり並べているようなお店だけどレースゲームとか格闘ゲームとかシューティングゲームなんかも一応一通り揃えてある。

 だもんで俺とか松田くん、片岡くんは頻度こそ高くないものの、一応多少はそのへんのアーケードゲームも嗜んでいたりするのだ。なんなら梨沙さんや木下さん、遠野さんも交えて遊んだりもするよ。

 

「────うおおっ!? 公平おま、お前嘘だろこの操作、慣れてるとまでは言わねえけど明らか経験のあるやつの動きじゃん! まさか一人でゲーセン行って一人でハンドル握ってるのか!? 多人数プレイしたがってるちびっ子の席を奪うなよお前!!」

「一人じゃないんですけど!? いやー最近は学校でも友達がいてくれるからさ、その子達とたまに行ってるんだよ、ゲーセン。その関係でまあ、これこの通り」

「本格的にボッチ陰キャを卒業してるんだ、公平……っていうかそれ差っ引いてもあんた、余裕綽々っていうか冷静すぎない? 隣でアホみたいに騒いでる兄貴がアホみたいなんだけど」

「アホってなんだアホって!? ってああああ負ける、負けちまうー負けたー!!」

 

 てなわけでさっそくレースするんだけど、上記のこともありそれなりの走りを見せる俺に舐めきってたリューさんもビックリ仰天だ。後ろで春香も驚いてるね。

 あと冷静すぎるという指摘も受けたけど、これこそ探査者としての経験と能力が活きている形だ。さすがにレベルも四桁超えた身体能力と、半年ながら凝縮された濃厚な戦闘経験があればどうしてもこの程度では焦る必要はないのだ。

 

 なんならコマンドプロンプトの演算能力まで駆使してるわけではないので全然加減してるほうである。

 それでも割とガッツリ完勝したところ、よほど自信があったのかリューさんはんがー! と断末魔の叫びをあげ、自身の握るハンドルに倒れ込んでしまった。勝ったぜー。

 

「く、くう……!! ま、負けた……! ぐ、グッドゲーム……」

「お疲れ様リューさん。まあ、意外と俺も最近は青春を謳歌してるってことでひとつ」

「マジかよぉ……え、ちなみに女友達とかもいんの? まさかとは思うけど彼女とかいんのか? 夜のハーレム救世主なのか?」

「あ。それ私も気になる、どうなの公平ってか優子ちゃんにリーベちゃんにシャーリヒッタちゃん。こいつ学校でも女の子ひっかけてたりすんの? 夜のハーレム救世主やってんの?」

「人聞きの悪いこと言うな兄妹揃って! 彼女なんかいるわけないだろ、でも女の子の友達はいるよ」

 

 怖ぁ……リューさんも春香も何やら鬼気迫った感じに俺を、俺の彼女持ち夜のハーレム救世主疑惑を問い質してくる。

 夜のハーレム救世主ってなんだよ。そもそもハーレム救世主違うし。そして彼女ももちろんいない、いるのは友達と仲間と伝道師と使徒だけだ。後ろ二つがなかなかにどデカいノイズである。

 

 聞かれて答えない理由もないので、簡単ながら答える。

 東クォーツ高校1年13組、そこでできた大切な友達のみんな──俺といつも遊んでくれる、素敵なみんなのことを。

 とりわけ松田くんと梨沙さんには本当にいろいろお世話になってるからね。そのへんも込みでアレコレ説明すると、優子ちゃんにリーベ、シャーリヒッタもそこに付随してきた。

 

「兄ちゃんの学校でのお友達は夏に私も見たよ。特に佐山さんってすっごいギャルギャルしてるんだけどすっごい兄ちゃんに甲斐甲斐しくって! 若干の保護者みすら感じたくらいだもん」

「リーベちゃんも何度かお見かけしてますねー。松田くんに木下さんに片岡くん、遠野さんもみんないい子達ばかりですよー」

「オレはあんまり関わりねえなァ。でもまあそのうちどっかで面合わせもするだろうし、そん時が楽しみだぜェ!」

「そう、なんだ……ギャルママJK佐山梨沙、ねえ」

「なんか知らんけどその呼び方止めよう? なんか知らんけど、ホント」

 

 何に反応してるんだか、小声で梨沙さんの名をつぶやく春香。今しがたの説明からわかる要素をぜんぶまとめるとまあそうなりそうなんだけど、なんとなく誤解を招きそうだから止めとこう?

 そんな俺の呼びかけも無視して、しばし考え込む。急に空気の変わった春香を怪訝に思っていると、すぐそばにいたリューさんと優子ちゃんがニヤニヤ笑いながら肩をぽんぽんと叩いてきた。

 なんだよう。




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