攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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何!?ゴブリンアーマーとは鎧をつけたゴブリンではないのか!?

 いつもの俺と香苗さんに加え、ゲストとしてアンジェさんとランレイさんを迎えての軽いダンジョン探査。

 本日はB級ダンジョン、5階層31部屋となっております。平均して1階層につき6部屋ほどでまあまあ程よくサクッとやれる規模だね。

 

 んでもって最初の部屋に待ち構えているモンスターはゴブリンアーマー。なんと鎧を着たゴブリンで、アーマー系のモンスターなんだかゴブリン系のモンスターなんだかどっちだよって言いたくなる系のやつだ。

 これについては一応探査学において決着がついていて、なんとゴブリン系じゃなくアーマー系の派生として扱われているのだ。

 つまり本体はゴブリンじゃなく、アーマーのほうだと認定されているんだね。

 

「それっていうのが──《剣術》、《重力操作》! どっせぇぇぇぇいっ!!」

「────────!!」

「ゴブリンの首ぃすっぱねても! こうして平然と斬り返してくるところから判明したのよね! こいつゴブリンに擬態してるだけの、シルバーアーマーだってねえっ!!」

 

 剣を持つ鎧を着たゴブリンが一体きり。だもんでここは剣士として私が行くわよ! と喜色満面ウッキウキで斬り掛かっていったアンジェさんが、獰猛な笑みとともに俺達へと叫ぶ。

 一撃目で即座にゴブリン部分の首を刎ね飛ばした、だのに間髪入れず手にした剣で突きを返してきたのをいなしながらだ。あまつさえその正体を示しつつ、さらなるカウンターの追撃を躱し打ち返している。

 

 なるほど、これは間違いなくゴブリンじゃないな。ゴブリンが本体だったら初太刀で終わってるはずだし。やはり本体は鎧部分、色合いからしてシルバーアーマーなのか。

 本来、シルバーアーマーはC級モンスターだ。アーマー系モンスターは明確に色で級分けできることで知られているんだけど、B級に該当するのはゴールデンアーマーだからね。

 

 ゴブリンへの擬態能力を得て、強さ的に1段階上がった扱いなのか。たしかにその性質のおかげで今、格上たるA級トップランカーのアンジェさん相手にカウンターを放っているのだから説得力はなくもない。

 とはいえやはり実力差は歴然だ。《重力操作》により超重力を付与されて刀身をメタリックな黒に輝かせた彼女の刀が、何回かの刺突をやり過ごした隙を突いてもう一度剣閃を瞬かせた。

 

「そらぁっ!! 竜断刀GRAVITY・シグルドッ!!」

「────!?」

「ウォーミングアップにはちょうど良かったわね、感謝するわ! 受けなさい新技、竜断刀GRAVITY・ゲオルグッ!!」

 

 一刀のもとに敵の剣を根本から断ち切る。それなりに殺傷力も硬度もある鉄の塊を、まさに斬鉄にて無力化してみせた。

 だがそれに留まらず、さらなる技をアンジェさんは放った。新技だ! 同時に操作している重力の質も、極端なものに変化していく。

 

 これは……ゴブリンアーマーにかかっている重力を極端に重くし、かつ自身のそれは極度に軽くしているな。加えて手に持つ刀へかかる重力も。

 敵の身動きを取れなくしつつ、自身の速度はさらに加速させての大斬撃か! 同時に複数の対象への重力を、それぞれ別個に改ざんするなんて相当な熟達度だ。

 

 《重力操作》を獲得してから数ヶ月、相当な実戦のなかで磨き上げたんだろう。

 ただ使ってるだけじゃこんなコンビネーションにも練度にも普通ならないから、並々ならぬセンスと鍛錬を感じさせるよ。

 そんな彼女の横凪ぎ、まさにすべてを断つ一閃が今、ゴブリンアーマーの鎧を真っ二つに裂いていった。

 

「────────ッ!!」

「ほい、一丁あがりぃ! これぞアンジェリーナ・フランソワ様の大立ち回りの竜断刀よっ!!」

「お、お、お見事! アンジェちゃん、さっすがぁ!」

「おおっと! ランレイ、あんたすーぐ抱きつくの止めなさいなって。納刀してなかったら怪我するでしょ、ったく」

 

 完全勝利。やはりアーマーが本体ゆえ、鎧ごと真っ二つにされてはどうしようもなくモンスターが光の粒子へと変じていく。

 別のモンスターの形質をも持つモンスターか。過去を紐解けばいろいろそういうのもいるみたいなんだよね。まったくモンスターってのも大概なんでもありというか、奥が深いと言うか。

 そりゃ学問としても成り立つよね。

 

 さておき勝利したアンジェさんの元へ俺、香苗さん、ランレイさんが駆け寄る。特にランレイさんは彼女に抱きついているほどだ。

 長身美女二人の抱擁、なんだか絵になるなあ。ランレイさんの頭をポンポンと軽く叩きながら、アンジェさんはそしてこちらに向き直る。

 俺達も彼女に、労いの言葉をかけた。

 

「お見事でしたアンジェさん。お疲れ様です」

「素晴らしい新技でしたねアンジェリーナ。《重力操作》の練度もさすがに、相当高度な領域へと進化させているようですね」

「ありがとね二人とも! もちろんよ香苗、せっかく手にした私の新しい武器だもの! しっかり高めて戦闘スタイルに組み込まなきゃもったいないってなもんでしょ!」

 

 勝ち気な笑みで高らかに笑う。強気で自信たっぷりながら、嫌みのない爽やかな笑顔だ。

 アンジェさん、夏の頃から比べても相当強くなってるよなあ。おそらくはサークルとの戦いのなかで、レベルもそれなりに高くなってるものと見たよ。

 

 これはランレイさんも同じだろうけどね。スレイブモンスターをも相手取っていたお二人は、当然ながら戦闘機会がたくさんあっただろうから。

 能力者犯罪捜査官コンビのステータスも、どのくらい変化したのか気になってきたよ。




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