攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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なんだかんだやっぱり幼馴染だぞ、伝道師と剣鬼!

 スーパーパワーの力の源泉、魂の力についてのトリビアはともかくアンジェさんの斬撃が疾走する。

 踏み込み一歩目からギアマックスって感じの超加速でアゲハペンギンに切り込み、うち二体を切り刻みながら吹き飛ばすことに成功していた。

 

「ぐげ────ぇ」

「くえっ!? くええっ!! くええええっ!!」

「そんでもって《重力操作》グラヴィティ・フィールド! 今出せるフルパワーやってみましょうか、ざっくり私の周囲の重力、100倍ッ!!」

「こけええええええっ!?」

 

 一体を光の粒子に変えた後、すぐさまスキル《重力操作》を発動。読んで字のごとく重力を操作する効果でもって、彼女の周辺3mほどの空間の因果が改変されていく。

 当然ながらあのスキルも、熟達していくにつれてその威力を増す仕様となっている。今の100倍も相当だけれど、鍛えていければやがて200倍、300倍──果ては1000倍とかも目指していけるかもだ。

 

 そして100倍ともなれば無論、強烈な威力だ。射程内にいるアゲハペンギンがまとめて全員、地に叩き伏せられてうめき声と叫び声をあげる。

 いいね、特に厄介な嘴を使いづらくしたのは大きい。ダンジョンの床と重力のプレスで挟まれたのだから、開こうにも開けないでいるのだ。

 

「《光魔導》。アンジェリーナ、さすがの手際ですね」

「アンタにパス回すのに、あんまり不甲斐ないことしてちゃ幼馴染として恥ずかしいものね! 任すわ、S級!!」

 

 そこに、香苗さんが虹を架けた。速攻で敵陣へと斬り掛かって数を減らした後、一網打尽で敵の動きを封殺した幼馴染の動きを微笑みとともに褒め称えている。

 アンジェさんも強気に、不敵に叫びながらも笑う。本当に幼馴染って間柄っぽい、気心の知れた感じのやり取りだね。

 

 そうして香苗さんは、倒れ伏すアゲハペンギンへと手を翳した。技の発動だ!

 今回も敵の近くに人がいる、ゆえにのべつ幕なしの範囲攻撃は取れない。だが問題ないと言わんばかりに、彼女はアーチを描く虹から光を放つ。複数の虹色の銃身が飛び出して、アゲハペンギンへと精密無比な狙撃を行ったのだ。

 

「終わりです。プリズムコール・レールシュート!!」

「ごげげがっ!?」

「くぐげっ!!」

「くぎ──────」

「私に当てないための精密射撃技、か。虹から狙撃用の銃身が飛び出てるの、なんかシュールねえ」

 

 アンジェさんが呆れたように笑った。たしかにこう、虹のアーチからニョキニョキっと銃が飛び出て狙撃してくるのはどこかシュールだ。ぜんぶ虹色だもんで余計にそう感じるのかな。

 しかして狙いと威力は当然抜群だ、アゲハペンギンが次々に撃ち抜かれ、光へと変わっていく。

 

 戦闘終了だ。切り込み兼制圧役のアンジェさんと、殲滅役の香苗さん。息の合ったみごとな連携を見せてもらったよ。

 ランレイさんと二人、彼女らのところへと向かう。アンジェさんも香苗さんの元へ向かい、ハイタッチの素振りなんか見せているよ。

 

「ナイスよ香苗! ハイターッチ、ほらほら!」

「お疲れ様でしたアンジェリーナ。ええと、こうですか?」

「ぃよいしょおっ!! ──久々になんだか、素敵な幼馴染って感じね、私ら」

「そうですか? ……そうかもですね」

 

 パーン! とお互いの手を軽く手を叩き合わせる二人。

 アンジェさんは満面の笑みで香苗さんも、どこか照れたようにしながら微笑んでいるよ、なんかエモいね。

 

 連携も幼馴染も久しぶりだったらしいけれど、今しがたの動きはそんなブランクを感じさせないくらいスムーズかつスマートなものだった。

 新旧A級トップランカークラスともなると、多少の不慣れなんて感じさせない連携なんてのもお手の物なんだろう。

 

 俺とランレイさんも彼女達を讃える。特にランレイさんは相方と憧れの探査者のコンビネーションに、目に見えて興奮しているようで眼鏡の奥の瞳が星のように煌めいているよ。

 

「す、す、すっごかったぁ……! アンジェちゃんも香苗さんも、すすすすごかったようー!!」

「あっはは、ランレイってばはしゃいじゃって、もう! でもあれよ、やっぱ遠距離型と組むと立ち回りとか役割を考えるから大変よ。その点ランレイとだとストレートに背中同士くっつけて暴れるわけだから、わかりやすくてそっちのが性に合うわね!」

「私の《光魔導》も、小手先の技ももちろんありますが十八番は広範囲爆撃ですからね。近距離専門の方と組む場合にはいくらかそのあたりを考えて行く必要があるのはたしかにそのとおりです。正直なところアンジェにしろランレイさんにしろ、切り込み役と連携するならば即興でなく綿密な打ち合わせを行なっておきたいところですね」

「あー……それぞれのスタイルと戦法の噛み合わせですね」

 

 お二人が口々に、自身の戦闘スタイルとそれを駆使した戦法を活かした連携について語る。

 言っちゃうと速攻で切り込んで暴れるタイプなアンジェさんランレイさんに対して、速攻で広範囲一撃必殺をかますタイプな香苗さんの組み合わせって実のところそんなに噛み合ってはいないんだよね。

 

 それでもお互い譲歩というか、相手のことを考えて動いたあたりが今しがたの戦闘におけるコンビネーションで、そこがさすがの上澄みなんだけど。

 仲間の都合上、常に自分のやりたいことができるわけじゃないって当たり前のこと──そこにどう対応していくかってのも探査者の頭の使いどころなわけだ。勉強になるよ。




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