攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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システム領域パーティwith伝道師!

 週に一度のおやつパーティーなんか開いちゃって、たらふくカロリーを摂取した後に晩ご飯もきっちり美味しくいただいちゃった日から数日が経過して、週末土曜日。

 この日も当然ダンジョン探査に赴くべく、俺ちゃんは全探組へと足を運んでいた。そんでもってすでに依頼も受諾済みだ、午前から夕方くらいにかけてきっちりガッツリ探査をするぞ。

 

「そして今回もまた、珍しいというかあまりないメンツでの探査だなあ。少なくとも日常的なダンジョン探査においては初めてに近いんじゃないかな」

「そうですね……普段から身近にいるものの、探査者としてパーティを組むことはこれまでにあまりない面々で私も楽しみですよ、公平くん」

 

 談話室にて集った面々を眺め、香苗さんと語らう。今日も今日とてカメラを回す気満々の伝道師さんだけど、特に今回はなかなかレアなメンバーが揃ったこともあり、探査者としても興味関心熱意が溢れている感じがするよ。

 さもありなんやって感じだ。何しろ今回の仲間達は、ある意味では探査者サイドですらないシステムサイドが集結したのだから。

 

 そう、言ってしまうと現世にて活躍している精霊知能達が一堂に会したのだ。発起人は我らがかわいいかわいいリーベちゃんで、今も呼び出した面々相手に和気藹々と話を振っている。

 探査者生活に熟れてきたもんで、そろそろ一度くらいはやりたいですーとか言ってきたのがつい一昨日くらいのことで、そこからすぐに全員集合させたのだ。さすがのコミュ力である。

 

「いやー、同じ住まいのシャーリヒッタや頻繁にお家に行ってるミュトスちゃんはともかく、神奈川くんとステラちゃん、何よりヴァールまで何気ない普通の探査の呼びかけに応じて来てくれたのは嬉しい限りですー! 感謝、感謝!」

「気にするな、忙しいと言っても四六時中稼働していなければならないほどでもない。たまに息抜きがてらダンジョン探査を行ってもいるので、その分だと思えば物珍しさもある」

「俺とステラもそんなに忙しくはないですから大丈夫ですよ。むしろ呼んでくださりありがとうございます」

『精霊知能として、先輩のみなさんとも親睦を深めたいと思ってましたから願ったり叶ったりです。ね、私の千尋』

 

 主催者として謝辞を述べるリーベに、ゲストたる精霊知能達……ヴァールや神奈川さん、ステラが快く答えてくれる。

 日常生活のなかではよくやり取りしてる印象もあるが、ダンジョン探査なんてのはヴァールでも数回、神奈川さんやステラとは初めて一緒に行う形だ。俺としてもなんだかワクワクしちゃうところはあるよね。

 

 同時にもう二人のゲスト、これまた精霊知能のシャーリヒッタとミュトスもリーベの隣でうんうんとうなずいている。

 シャーリヒッタはそれこそ家族としてリーベともども同居しているけどダンジョン探査は初めてだし、ミュトスに至っては新規探査者教育を受けたばかりの子ですらある。

 最近デビューしたところを、即座にリーベが声かけして誘った形になるね。

 

「おうミュトス、お前さんも今日はよろしくなァ!」

「あいあいよろしくデスティニー! なんちて! いやーデビューして早々こんなに大所帯でかつ、先輩方やいろんな意味で同期さんともご一緒できて感謝感激雨あられですとも! よろしくお願いしますみなさん、山形様に香苗さんも!」

「よろしくミュトス。ヴァールに神奈川さんにステラも、今日は胸をお借りします」

「むしろこっちの台詞ですよそれは……精一杯頑張ります、よろしくお願いします」

 

 天真爛漫なミュトスも、落ち着いた態度の神奈川さんも揃っていつも通りって感じだ。特に気負いなく、一緒にモンスター達の浄化を手伝ってもらえるならこんなに心強いことはない。

 それはもちろん、精霊知能三姉妹にも言えることだね。リーベもシャーリヒッタもヴァールもそれぞれ強力なステータスを持つ探査者だ、多少の敵でも問題なく倒しきれるものだと確信しているよ。

 

 というわけでまとめると俺、リーベ、シャーリヒッタ、ヴァール、ミュトス、神奈川さんとステラ、そして香苗さんと……

 香苗さん以外はものの見事に精霊知能が集結した、いわばシステム領域パーティで今回はダンジョンに挑むよ。ソシャゲとかだったら何かしら特殊シナジーがありそうな組み合わせだね。

 

 なんならさすがの香苗さんも、錚々たるメンツに興奮しつつもちょっと所在なさげにこっちを見ている。

 たぶん一人だけ立ち位置的に無関係に近いからだと思うんだけど、そこはほら、これまでの関係性ってやつがあるから安心してほしい。

 微笑みかけ、香苗さんを安心させるように話しかける。

 

「もちろん香苗さんも、いつもながらよろしくお願いします。今日はいつもやってる俺と香苗さんの組み合わせに、リーベが発案して呼びかけた面々がくっついてくる形になりますからね。引率は結局俺達二人ですから、まあまあ気合入れてやっていきましょうー」

「! そ、そうですねそうですともさすがです私の救世主様正直なところちょっぴり不安というか私ここにいていいのかなとか思わなくもないではなかったのです何しろ明確に立ち位置が私だけ違いますからね無論そんなことで扱いや立場を変えるみなさんでないことは承知していますがただいま明言いただいたとおり我々二人こそがむしろゲストに招いたみなさん方を引っ張っていくべきなのでした蒙が啓かれたとはまさにこのこと偉大なる我らが救世主山形公平様によりまた一つ大いなる教えを授かりましたありがとうございますこの伝道師御堂香苗は身に余るほどの光栄に浴しこれまで以上の情熱と信仰心と忠誠とをもってあまねく世に救世主神話伝説を広めることを改めて誓います救世主様、バンザイ!!」

「怖ぁ……」

「頼むからダンジョン探査中にしてくれるなよ、それは……」

 

 俺の言葉に何やら伝道心を刺激されてしまったのか、盛大に句読点さん達がどっか行っちゃった。今度はどこ行ったんだろう、モルディブとかかな?

 これには周囲の精霊知能達も苦笑いしきりで、特にヴァールは呆れ返ったように注意しているほどだ。

 

 さすがにTPOは弁えて伝道するから、この人も……戦闘中はやらないと思うよ、戦闘中は。

 ダンジョン探査中でやらないとまでは思わないので視線をそっとずらしつつも、かくして今日の探査も幕を開けた。




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