攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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いやー、なんで触手なんだろうね。ホントなんでだろー?(渾身のすっとぼけ)

「ちゃっちゃと行きますよニトロスパイダー! ────三界機構の名の下に今、必殺を告げる! ディヴァイィィィン・ラグナロォォォォォォックッ!!」

「きししゃあああああっ!?」

「ぅーっしゃあ!! 一番めんどくさそうな蜘蛛さんは仕留めました! 後の熊に鎧も、それぞれ個別にやっつけちゃいます! 《イミタティオ・トリニタス・コスモス》、換装!!」

 

 瞬く間に、本当に一瞬のうちにニトロスパイダーを仕留めてみせたミュトス・魔天。当たり前ながら圧倒的な速度とパワーに、改めて三界機構とその力の依代たる彼女の実力に感心するよ。

 しかして一切の油断なくミュトスは、次いでアイアンベアとゴールデンアーマーに狙いを定めて再度スキルを使用した。

 

 《イミタティオ・トリニタス・コスモス》、魔天から別の三界機構への換装である。

 プレーローマ・アンドヴァリ戦でも見せていたけど、三つの形態を自在に使い分けていくのもまた、ミュトスの戦法の一つなのだ。

 

 頭部の兜と背中の翼が消え、地面に着地する。その時にはすでにさらなる形態への変化は完了しており、そのフォルムも著しく変わっていた。

 腕と脚に纏った白銀の重装。見るからに力を放つ両の手足に装着された、その鎧の力は!

 

「参上! ミュトス・断獄!! さあてそれじゃあ熊さん、ひとつ力比べと参りましょうかあっ!!」

「ぐぉるるぁっ!?」

「まずは私から! 喰らえミュトスちゃんロケットパーンチ!!」

「力比べと言いながら遠距離攻撃をするのか……」

 

 ──三界機構が一体、断獄の力を纏い顕現せしはミュトス・断獄。ご覧のとおりパワー重視の形態で、スピード重視の魔天とは対照的なものになる。

 ちなみに災海はテクニカル重視というか、ミュトス曰く災海自身すらよく分かってない触手を操り敵を翻弄していくスタイルだとか。

 

 ところでそのへん、脳内のアルマさんや。

 彼らのデザインを担当したのがお前なら分かる? あの触手、何?

 

 

『アイツの世界の惨状を、これ以上なく端的に示したデザインだと思うんだけどね? "よく分かってない"はずもないだろうに、いけしゃあしゃあと面の皮が厚いワールドプロセッサだよ……』

 

 

 お、おう……思っていた反応と違うというか、思いの外呆れ果てた調子のリアクションが返ってきて静かに戸惑う。こいつがこの反応するのか、災海。

 災海世界のアレさはいい加減分かってきているので、それを喰らった邪悪なる思念が皮肉とか嫌味とかも込めて悪趣味なデザインをしたのもなんとなし理解できていることだ。そもそも魔天も断獄も三界機構のデザインは軒並み悪辣だしね。

 

 それでも災海についてはどこか他二つとはニュアンスが異なるあたり、こいつにとってもいろいろ思うところはあるのかもしれないな。

 まあ、だからといってこいつこそが一番面の皮が厚くて多くの世界に多くの惨状を招いた存在であることに疑う余地などありはしないんだけど。

 どんなにアレの世界でも、それを食らい尽くした邪悪なる思念よりははるかにまともでマシだ。アルマはそんな俺からの言葉には応じず、ただ黙りこくるばかりだった。

 

「ぐぉるるるるるるぁぁぁっ!?」

「ロケットパンチで、アイアンベアを掴みやがった!? そんでもって──ミュトスのほうに熊ごと引き戻してる!」

「あんな器用なこともできるんですか……! そして熊さんを引き寄せて、力を溜めたミュトスちゃんの眼前に!」

「ぐる、ぐるるぁ、ぐるるるるるぁ────!?」

 

 そうしているうちにも戦闘は、あまりに一方的にミュトス主導で続いている。まさしくロケットパンチってなもんで、右腕の鎧を飛ばしたところそれがアイアンベアをなんと、摑んで拘束したのだ。

 そしてそのまま元の、剥き出しになったミュトス・断獄の右腕に納まろうと戻っていく──アイアンベアをも引き連れて。

 

 攻撃手段としてでなくトリッキーに翻弄する手段として。ゴールデンアーマーと距離を引き離して各個撃破するために、工夫してみせたんだね。

 しかも当然ゴールデンアーマーも棒立ちのままではいない。咄嗟に右腕を飛ばした直後のミュトスに近づいて斬りかかろうとしているけれど、そこも問題ない。

 今の、自身の力をすべて取り戻した彼女なら、ね。

 

「────!!」

「おおっとそいつはイカの炙ったやつ! ──権能発動、《水よ、護れ》!!」

「──!?」

 

 当然敵の動きも把握しており、その力を──権能を発動する。かつて水の女神であったがゆえに備えている、元々の彼女の力だ。

 この世界に不時着する際に切り離され、委員会に回収された後に紆余曲折を経てウーロゴスやプレーローマ・アンドヴァリに悪用されていた権能を、すべて取り戻せた以上は当然ながら行使できるわけだね。

 

 しかもさすがの本家本元、プレーローマ・アンドヴァリとは行使できる権能の強度と質、扱いの巧みさがやはり段違いだ。

 水がどこからともなく発生し、彼女とゴールデンアーマーの間を強烈に隔てる幕を発生させた。しかも粘着質なのか、斬り掛かった敵の剣を絡め取って身動きを取れなくしているよ。

 

「あなたの相手はこの後で、今は熊さんに集中します────三界機構の名の下に今、必殺を告げる!!」

「ぐるぁぁぁああ────」

「────アーマゲドン・アポカリュプシス!!」

 

 熊ごと引き連れてきた右腕の鎧を、再度自らの腕に装着させるのと同時。

 そしてミュトスは二つ目の必殺技を放つ。ミュトス・魔天のディヴァイン・ラグナロク、ミュトス・災海のメサイア・ディスペンセーションに並ぶミュトス・断獄の奥義。

 

 アーマゲドン・アポカリュプシス。

 アイアンベアの怯んだ胸元に、両拳を勢いよく叩きつければ──光の粒子に変える暇さえ与えず、モンスターは消え果てるのだった。




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