攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

1979 / 2051
ヤンデレヌケキッテナイステラチャン

 ダンジョン探査が終わり、意気揚々と全探組施設へ戻る。

 それなりに長いこと潜ってたもんで時間的には概ね15時過ぎってところだ、家に帰ってのんびりするのも良いしちょっとお外でティータイムとかも良いよねって感じの頃合いだよ。

 

 リーベ、シャーリヒッタ、ヴァール、ミュトス。そして香苗さんに神奈川さんと今は透明だけどステラ。

 主にルックス面で錚々たるメンツが颯爽と全探組を歩けば、少なからずいる探査者のみなさんの目をまあ惹くこと惹くこと。

 すみませんね一人だけ地味なのがいて。どうも山形くんでごぜーやすとも。

 

「報告は今日は俺がしますよー。ひとまずここで解散ってことで、みなさんお疲れ様でした!」

「はーい、お疲れ様ですー! 今日はお夕飯のお手伝いもする予定でしたし、リーベちゃんは一足お先に帰りましょうかねー」

「おう、優子と一緒に由紀サンのハンバーグ作りな! 手でこねこねするのが興味深ェし、なんならオレもご一緒するぜェ」

「ハンバーグか……良いですねぇお酒が飲みたくなってきました! 私はちょっと今からウェヒヒ、ちょっと早めに開いてる飲み屋行ってウェヒヒ!」

「えぇ……?」

 

 地味なのが一人混じってるのもアレだしと、報告は俺が行こうかなということで解散宣言したらみんな、思い思いに今日この後の予定を言い始めた。

 今日の山形家の晩御飯は手作りハンバーグで、しかも母ちゃんのみならず優子ちゃんにリーベ、シャーリヒッタと我が家の女性陣みなさんが総出で参加して拵えるそうな。

 

 そういうことからこの二人は早々に家に帰る予定らしいんだけど、ミュトスは今の話を聞いてなぜか食欲でなく飲酒欲を唆られたらしかった。今から居酒屋行って飲みだすと言ってコミカルに笑ってるんだけど怖ぁ……飲兵衛じゃん。

 別に仕事終わりだしそういうのも当然ありなんだけど、極力自分の健康や安全は意識しながら適度な酒量を心がけてほしいもんだよ。ほらリーベとヴァールがじっとりした目で見てるもの。マリーさんの前例があるから、そのへん敏感なんだよねこの子達は。

 

「まったく、放っておくと質が悪い飲み方をしそうで堪らんなこれは……神奈川、ステラ。悪いがこの後暇ならミュトスに付き合ってやってくれ。一緒に呑む者がいるなら多少セーブもかかるだろう」

「分かりました、俺も腹が空いてたんでちょうど良い話です……構わないよな、ステラ?」

『もちろん! あっでもミュトス、酔った勢いで私の千尋に変な色目とか使ったら……ね?』

「使いませんよう!? 好きでもない男の人に、しかもパートナーがいる人相手に飲んだ勢いでアレな絡みするのはどんな世界でもNGオブNGですから!」

 

 見かねたヴァールがミュトスに対し、同行として神奈川さんをつけた。彼自身もどこかで食事するつもりだったみたいだし、ちょうど良いと言えばちょうど良いのかな?

 でも反面、ステラは久しぶりに目のハイライトが消えちゃってるんですよね怖ぁ……そういえばこの子、割とヤンデレハイッテルステラチャンなんだった。神奈川さんと魂レベルで融合したことで鳴りを潜めていたんだけど、それでも出る時は出るんですね。

 

 さすがのミュトスも、そんなあらぬ疑いをかけられるのは堪らないみたいだった。困惑とともに両腕でビシーっとバッテンマークを作って無害なことを示す。

 神奈川さんに対して恋愛感情もないようだし、そもそもすでにステラがいるのに酒飲んでアタックとかする子にも思えないし。大体そのステラが常に一緒にいるのが分かっていてやるはずもないし。

 

 ステラもそこはちゃんと理解しているみたいで、ヤンデレった目を元に戻して普通に愛らしい微笑みを浮かべた。

 ……いやでもさっきの今だし、そこはかとない圧は感じるなあ。

 

『うんうん、ミュトスのことは信じられるよ。変なこと言ってごめんね? ……でも私の千尋はカッコいいから、お酒を飲んでるとそれだけで変な女が寄ってくるの。うふ、うふふふ』

「いや怖いでやんす……これむしろ神奈川さんの虫除けに私がなっちゃいそうな予感までするんですけども。ステラさんも早いとこ受肉してもらわないと、いろいろ大変ですねえ」

「す、すみませんうちのステラが。こらステラ、ミュトスさんに失礼すぎるぞ……なるべく早く受肉できるよう頑張るから、な?」

『うん、私の千尋。待ってるよ、いつも、いつまでも、どこどこまでも……』

 

 これまで、幾度となく神奈川さんが女の人に言い寄られている場面を見てきたのだろう。実感の篭った薄暗い笑みを浮かべるステラに、一同ちょっと後ずさる。

 大層な、なんて表現をぶち抜いてるレベルのイケメンさんだからね。そんなのが一人でうろついてたり酒飲んでたりしたらば、肉食系な女子の方々のなかには果敢にアタックなさる人もいるだろう。

 

 正直それ自体は責めることではないというか、ステラがいるにしても人前では透明なんだし、気づけというほうが無理な話だ。

 なんだけどもやっぱりステラからすると、自分のパートナーに対してなんだぁこいつらぁ……ってなっちゃうんだな。それも理解できるもんで、なんともはやな話だよ。

 

 こうなると神奈川さんの言うように、なるべく早くステラが受肉できるレベル500にまで到達してもらうしかないわな。

 まあこの人のことだしそう時間はかからないだろうから心配してないけども、それまではひとまずステラにも落ち着いて待っておいてもらわないといけないね、これは。




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