攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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救世主(仮)と伝道師(真)と統括理事(裏)とおかし三人娘

 ステラのヤンデレモードを久々に見たなあ怖ぁ……というのもそこそこに、ひとまずここでパーティ解散となって各自自由行動となった。

 先ほども述べたとおりリーベとシャーリヒッタは家に帰って優子ちゃんと一緒に母ちゃんの料理のお手伝い。ミュトスと神奈川さんとステラはお腹すいたってことで今からでもやってる居酒屋へ向かう感じらしい。

 

 となるとあとに残るのは俺ちゃん、香苗さん、ヴァールの三人なんだけど……

 ひとまずはダンジョン踏破の報告に行くべやってことで、全探組施設の依頼関係のカウンターへと向かったのである。

 

「報告が終わり次第、ワタシは一旦WSO施設に向かい、引き継ぎ関係や書類関係の業務を行う。あなた達はどうするのだ山形公平、御堂香苗」

「そうだなー……特になんもなきゃ帰るかな? 家に帰っていろいろやることもあるしなあ」

「私も帰って伝道配信の準備ですね。今日も今日とて素晴らしい救世主様のご活躍をカメラに収めることができました、これは何がなんでも世に広めねばなりませんので」

「そうか……そうか、うむ、そうか……」

「怖ぁ……」

 

 何気なくこの後の用事を尋ねてきたヴァールだけれども、俺はともかく香苗さんの返事がいつも通りすぎてもはや悟りの境地に達したような遠い目でうなずいているよ。

 いい加減に分かっていたろうに、でも気持ちは分かるよ。何気なく振った話でも当然とばかりに信仰キメられちゃうとアッハイそうですねーしか言うことないよね。

 

 まあ、そういうわけで報告が終われば俺も大人しく帰るつもりだ。個人的なところでそろそろ、やらなきゃいけないことがあるしね。

 受付にまで行き、ササッと踏破達成報告とダンジョンコアを引き渡す。職員のお姉さん、明らかに俺と香苗さんとヴァールの組み合わせに目を剥いて驚いているのがなんだか申しわけないや。

 

 平和な日常に突如襲来した救世主(仮)と伝道師(真)とWSO統括理事(裏)だもんな。そりゃそうなるよ。

 ともあれスムーズに報告も終えた、あとはすんなり帰るだけかなーと、考えた矢先のことだった。

 不意に呼び止める声がしたのだ。

 

「あっ、山形さんだ! ちょうど良いところに出くわしちゃったよ、おーい!!」

「先生〜! 山形先生様ぁ〜!! こちらです〜救世主バンザ〜イ」

「こんな良いタイミングとかさすが覇王忍者たるこのガム様、持ってますねーってことでパイセン、パイセンおーいパイセーン」

「うん?」

「おや?」

「なんだ? ……どういうんだ?」

 

 と、不意な話に三人して振り向く。見ればそこそこな賑わいの集まりから、見知った顔達が俺に手を振っている。

 あれは……まあ口振りから即座に分かっていたけどおかし三人娘だ。可憐な美女美少女トリオが、周囲の目を惹きつけながら俺の名前を呼んでいるよ。ああ悪目立つ!

 

 俺より後にデビューした期待の超新星三人組探査者パーティ・おかし三人娘。

 チョコさんこと徳島千代子さん、アメさんこと鹿児島天乃さん、そしてガムちゃんこと新潟花夢さん。

 その3人がこちらを見ていたのである。

 

「あれは……以前にも見たな。それにインターフェイサーでの話にも挙がっていた、たしかあなたが始原の四体と結びつけたというルーキーか」

「ああうん、おかし三人娘の徳島さんに鹿児島さん、新潟さんね。それぞれ下の名前からチョコさん、アメさん、ガムちゃんって愛称で親しまれているからおかし三人娘だよ、よろしくしたげてな」

「とりわけアメさんこと鹿児島さんは我らが救世主山形公平様の崇高なる真実をすでに御存知の、どこに出しても恥ずかしくない立派な使徒の一人です。個人的にもキャリアこそ離れていますが同年代の同性で同じく信仰心を持つ同士ということでかなり気安く感じていますね救世主様バンザイ」

「えぇ……?」

「そ、そうか。使徒については言及は差し控えるが、山形公平についての深いところまで知っているのだからこちらとしても話はしやすいか。シャーリヒッタがインターフェイサーにスカウトするつもりだというのもうなずける話だな」

 

 たしか夏休みに入ったあたりだったかな? ヴァールも一度だけおかし三人娘とは会っていたはずだけど、一瞬のことでそんな記憶も薄いだろうし、インターフェイサー絡みで多少話は受けているだろうが改めて簡単に間柄と経緯を説明する。

 彼女達は、俺やシステム領域にとって特異な点がいくつかある。俺が教えたことで始原概念の召喚法をしっていることと、その始原概念達から溺愛されている召喚スキル持ちのアメさんが、世界の真実についてご存知だってことだ。

 

 というのもアメさんが、まさかの概念存在から愛されまくる体質というとんでもない天然チートだったのだ。

 さすがにこれは俺も予想外だったけど、それならそれでと本格的に始原の四体がおかし三人娘に力を貸すように仕向けたのである。

 

 おかげで今やおかし三人娘は揃って同期同世代のなかでも飛び抜けて目立ち活躍する期待のルーキーってことになっていて俺も鼻が高いよ。

 でも同時にアメさんやガムちゃんが救世の光の使徒だとか、シャイニングハーレムの一員だとヒソヒソ囁かれることになってるのはシンプルに居た堪れないけどね。

 

 特にチョコさんなんて、指導教官役である関口くんのことが好きなんだからいつ自分まで巻き込まれるかって気が気じゃない可能性まである。

 なんとかそこは飛び火しないよう、友人の恋路を応援するチアフル山形くんとしては気をつけていきたい所存ですよ。




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