攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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忙しい時はちゃんと忙しいぞ、インターフェイサー

 はい、というわけで週末の土曜日を迎えました。来週明けには12月に突入し、いよいよ期末テストが始まるまさに直前ですね。正直ちょっと緊張する、赤点取ったらどうしよう。

 しかしそんな不安も募るなか、俺は精霊知能達を集め、文字通りの我が魂の故郷であるシステム領域に帰還しようとしていた。

 

 今回は以前と違い俺の家の俺の部屋に集合ではない。何しろ人数が前より多いからね……ギュウギュウ詰めでワームホール開くのもあまり格好がつかないもの。

 なのでインターフェイサーの拠点、現時点ではほぼ精霊知能の溜まり場となっているミュトスのお家に寄らせてもらっているのである。

 

「しかし増えたな、現世住まいのシステム領域関係者……神奈川さんとステラを別々にカウントした場合、前に帰った時に比べてほとんど倍の人数だぞ」

「以前はあなたとワタシ、シャーリヒッタ、後釜の四人だったな。今回はそこにミュトス、神奈川、ステラの三人が加わり七人での帰還となる。よくよく考えればすさまじい事態だ、システム領域のモノがこうも受肉して現世で暮らしているとは」

「今後も増えていくかもなんだろ? 賑やかなのは良いけど、なんだか不思議な感覚だよ」

 

 朝9時ちょうどに訪れて、そこから30分ほど軽く雑談しつつまったりしているミュトスの家の居間にて。

 即座にシステム領域に行っても良かったんだけどそこはそれ、一応インターフェイサーの集会もしておこうかという話で軽くシャーリヒッタを中心に打ち合わせを行っているのが今だ。

 

 主に今後の活動指針やら、おかし三人娘やイヴさんとの連絡状況について話し合っているね。

 それを総司令って立ち位置の事実上相談役な俺ちゃんと、まだWSO統括理事ってことでやはり事実上相談役なヴァールが少し離れたところから並んでソファに座り、眺めている構図となる。

 

「おかし三人娘が自前でクラン創るってのァ渡りに船かもしれねェぜ。新人がそんなことするなんて滅多にないことなんだろ? だったら世間に向けての強みとか特色は欲しいはずだァ、インターフェイサーへの協力の見返りなんかは特に魅力的かもしれねェ」

「もうアメちゃんには連絡してますからー、明日にでも会いに行って話ができる段階ではありますねー。リーベちゃんが交渉しに行きますよーネゴシエート、ネゴシエート!」

「レギンレイヴとも明日にはオレが案内と紹介の都合つけてるしよ、インターフェイサーでの修行のお時間も近いんだぜ! データ領域内の専用空間の用意もしないといけねェし、地味に忙しいぜェ」

 

 たちまち明日、おかし三人娘にはリーベが、イヴさんにはシャーリヒッタがそれぞれ接触する。前者はスカウト、後者は案内のためだね。

 

 おかし三人娘はこないだのとおり、自分達で新クランを創るというかなりチャレンジャーなことをしようとしている。

 そうなると独自の強みとか武器は多く持っていたいだろうから、インターフェイサーへの協力に伴う報酬──世に出回ってないスキルの習得方法だとか特殊なタイプの武器防具だとか──なんてのは、十分彼女らの気を惹けるんじゃないかと期待しているよ。

 

 そしてイヴさんについてはシャーリヒッタによるインターフェイサーの案内と紹介だ。

 何しろ、そこからさらに近日中にはデータ領域内に拵えた特訓用空間を使い、彼女の現状の力試しと空間そのものの試用を行う必要があるからね。

 

 これは俺達が望んだことでなくイヴさんたっての希望だ。何やら俺を師匠ってことにしていろいろ学びたいらしいけど、概念存在のそれも戦乙女なんて大物相手に教えられることなんてないんだけどなあ。

 どうにか、満足してもらえると良いんだけども。

 

「俺とステラ、ミュトスさんも愛知さんとアポイントメントが取れています。さすがにちょっと先の話ですけど、彼女と面談してインターフェイサーへの加入を打診してみますよ」

「頑張りマッスル情熱ハッスル! ミュトスちゃんの水の女神として培った交渉力を発揮しますよ〜」

『愛知九葉の事情も可能であれば聞き出してみるつもりですが……さすがに無理矢理とはいきませんので無理そうなら素直に諦めようと思いますが良いでしょうか』

「もちろんですよー! 話したくないものを無理に話させるのはNGですしー、インターフェイサーに入る場合でも事情を説明してくれなくて全然構いませんー。ね、シャーリヒッタ!」

「おう! 向こうが話したくなったら話しゃ良いんだぜ!」

 

 一方で神奈川さんとステラ、そしてミュトスは少し先の話になるけど、愛知さんを相手にインターフェイサーへの加入を打診するみたいだ。

 やる気満々で助かるものの、彼女が持つ複雑そうな事情については極力、失礼のない範囲に留めてくれるとありがたい。

 どうも相当な話みたいだし、いくら協力を打診するからといって必ずしも無理に聞き出さなければならないものでもないだろうしね。

 

 いずれの活動もこれがうまく行けば、インターフェイサーの組織的規模や実力は大変跳ね上がること間違いなし。

 つまりどれ一つとっても大切なミッションだから、俺含めみんな気合いを引き締めて行きたいところだよ。

 

「話はまとまったようだな……ちなみに済まんがワタシは引き続きWSOの業務だ。引退業務はもちろん、委員会の捜査から通常業務までタスクは山ほどある」

「ヴァールとソフィアさんが間違いなく一番多忙だものな……無理しないでくれよ? 辛かったらなんでも言ってくれ、手伝えることがあれば手伝うし、なくても話を聞くくらいはできるはずだし」

「ありがとう、山形公平。あなたがそう言ってくれていること自体に、ワタシもソフィアもずいぶん心が助かっているよ」

 

 微かにはにかむヴァール。この子こそ一番忙しいからね。インターフェイサー絡みでなくてももちろん心配だし、何かできることがあるなら全力でお手伝いしたい。

 ともあれそれぞれにそれぞれの段取りを組んだわけだけど……こうなるといよいよ、システム領域へと向かう頃合いを迎えたわけだった。




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