攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
突然ながらおかし三人娘と監督役の関口くんと一緒に探査することになったよ、俺ちゃん。
香苗さんにも連絡したけど特に問題なく即レスでOKも出たため、このまま問題なく依頼を受けに行くことにする。
先にも言ったけどおかし三人娘がメインで探査するダンジョンになるわけなので、基本的には彼女達の級であるF級に合わせた難易度で探査することになる。
二つも三つも上の級の探査者が、下の級の探査者に同行して探査するってのは実のところ、全探組からするとあまり推奨してないことだったりはするんだけどね。そこは程度問題で、俺ちゃんみたいにハイペースで探査してるなかで息抜き程度の頻度なら問題ないとは前に言質を取っていたりする。
何ごともやはりほどほどが一番なのよ、うん。
そんなことをしみじみ考えていると受付にてチョコさんが、元気よく受付のお姉さんに話しかけていた。
すごいコミュ力だ、そっと背後から見守っておこう。
「こんにちはー! 依頼受けたいんですけど、大丈夫ですか?」
「こんにちは。あら、おかし三人娘のみなさんに関口さん……に、山形さん?」
「アッハイ。山形です、いつもお世話になってますです」
「たまたまロビーで出会いまして! 以前にもお世話になっている方なので、せっかくならご一緒に探査しませんかってことになりました!」
なぜに即座に俺に視線と言葉がいくのか解せぬ。普段から俺ともやり取りするお姉さんだし、珍しい組み合わせだってのもあるんだろうけどね。
思わずぎこちない挨拶になっちゃったよ、怖ぁ……隣で引っ付いてるガムちゃんがニヤニヤしてるし。
そのへんもうまいこと説明してくれるチョコさん。受付さんも俺がヘンテコな人脈に満ち満ちているのは承知済みのことだもんで、何やら一瞬だけ苦笑いしたあとすぐに仏様めいた穏やかな笑みに変わったよ。
加えて関口くんも三人の指導役として、証明書を提示しながら説明をしていく。
「山形くんと、それから現地追加で探査するS級の御堂さんには僕から正式におかし三人娘の指導助言をお願いしている経緯があります。これについては他の指導担当の斐川さん、荒巻さん、早瀬さんに確認していただいても構いません」
「ああ、そこは存じておりますのでご安心を。おかし三人娘と山形さん、御堂さんが一緒に探査していたこともありますし、こう言ってはなんですがほら、山形さん自身がちょっとこう、予想外な面々を引き連れて探査することが日常的に多いので……」
「そ、そうなんですか。そうですよね、山形だし」
「御堂さんや望月さんの時点で大概だったのが、国外探査者からS級から果ては統括理事とも複数回です……それでもトータルで見るとソロ探査が一番多いのも、それはそれで心配なんですけどね山形さん。ちょっと極端すぎますよ?」
「は、ははは……き、基本ソロなのでスキルの関係上。あの、ほかの方々についてはその、まあこれも縁ですからははは……」
怖ぁ……受付さんの蓋し正論に引きつった笑いで応えざるを得ない。関口くんも山形だしってなんだよーって思うけど、正直そう思われても仕方ない自覚があるからなんとも言えない残念さだ。
いくらなんでも人脈がおかしい、この一言に尽きる。いつもソロでボッチでロンリーでソーリーな俺ちゃんだけど、たま~に誰かと探査行くべってなった時には大体大層な肩書の方々ばかりだもんなあ。
伝道師さんとか使徒さんだって、そこを差っ引いても大概有名だったりインフルエンサーだったりするし。海外からの探査者さんだってて珍しいのに加えてトップランカー候補からS級だったり幅広いし。
挙句の果てに、やはりソフィアさん……ヴァールもたまに同行したりしてるのが致命的だったんだろう。そりゃそうだ、永遠の探査者少女ったらマジで天下の統括理事だもの。
そんなのとこんなのが一緒に探査してたら、嫌でも印象に残るよなあ。
「パイセンの年上キラー同年代ハンター年下ラヴァーちからが余すことなく発揮されてますねパイセーン。いくらなんでも年齢不詳最低100歳超えの統括理事はもはやマスターでしょパイセーン」
「マスター!? 何が!? ていうかキラーでもハンターでもラヴァーでもないんですけど!」
「ガムの軽口はともかく、山形の人脈がとんでもないのは事実だからな……俺なんかは意識的に人脈作りに励んでいるからアレだけど、お前はたぶん適当というか成り行き任せなんだろ? それでよくあそこまで大物ばかりと繋がれるよ実際、だから若手のなかでも浮いてるんだぞお前」
「ぜ、絶妙に気にしているところを突かれた!?」
「むしろまだ気にしてたのか……それはすまないけど、それにしてはピンポイントでS級やA級トップランカーとつながるんだな。別に悪いこととも思わないけどさ」
特段、悪意も悪気もない感じの言葉だけに余計に俺に刺さる! そーです若手で一人だけ浮いてるのがわたくし山形公平でございます。
関口くんはそのへん、人脈作りを意識的に行ってきたある意味意識高い系だから理解してくれているところはあるけど、にしてもデビュー半年でこの有様なのはさすがに困惑を隠しきれないらしい。おかし三人娘や受付さんも微妙な顔をしつつも同意のうなずきを軽くしているし。
真面目な話、すべては成り行きによるものなんだけどね……
因果の妙を、因果律管理機構たる俺が痛感する羽目になってるんだから人生ってば面白いもんだよ、本当。
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