攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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人材マニアのソフィア・ チェーホワ!?

 探査が終わった。すべてのモンスターをみごとにおかし三人娘が倒しきった先に辿り着いた最奥にて、ダンジョンコアを入手する。

 ここまで来れば始原概念の今回の仕事も終わったわけで、統合武装と化していたゴンベ達も始原領域へと還っていくよ。

 

『今日も素晴らしい戦闘であった、大義だったなアメ、チョコ、ガム! 我々大満足!』

『一歩一歩、着実に前に進んでるわよあなた達。その調子でコツコツ頑張るのよ、焦らずにね』

『次の探査でもまた喚んでね、特に我は防具だもんで喚びやすいだろうし! かーっ人気者は辛いなーっかーっ!』

『黙れ巨大怪鳥! ……それではおかし三人娘よ、そして山形公平達よさらばだ。またそのうち会うこともあろう、アメ達のことを今後とも導いてやってくれよ』

 

 それぞれ四体、言いたいことを言って消えていく統合武装ゴンベ。ネムレスやノナメはともかくムメのドヤ顔感がエグい、声だけなのに1mのインコがやたらドヤってる光景が目に浮かんだよ怖ぁ……

 まあ、彼らがおかし三人娘に寄与している力の大きさ、存在感の強さを思えば多少は調子に乗ってもいいかもしれないけどさ。でもムメは他三体からそろそろ詰められそうな気がするから自重してもろてって感じかな。

 

 さておき、そうしたら俺達も後は帰るだけだよ、例によってショートカットとしてワームホールを展開しようか。

 接続先はダンジョンの手口すぐ手前。手をかざしてエイヤッと権能を使うと瞬時に、俺ちゃん謹製のそれなりにクオリティが高いと自負しているつもりの空間の穴が現出するよ。

 

「よし、じゃあ帰ろう。開け、ワームホール」

「うわ出た! 前にも見たけどパイセン一番のイカレチート能力じゃないですか」

「やっぱ思うよなあ。大概の探査者がみんな同じ思いだと思うぞ、山形の持つ力のなかでもこれが一番インチキ臭いって」

「えぇ……? いやまあ、結構知り合いから言われるけども」

 

 サクッとダンジョン出口手前に繋げた時空間の穴を生成すると、即座にガムちゃんと関口くんが反応してきた。

 うわ出たってなんだよ、ちょっとしたホラーかな?

 

 実際、チートではあるしね。これさえあれば少なくとも帰り道は実質的になくなっちまうんだ、時短的な意味ではこんなに頼れる能力だってそうそうないだろう。

 やろうと思えば100階層の最奥からでも一瞬で地上だからね。普通なら下手しなくても数日かけなきゃいけないところを秒だもの、そらインチキ臭いとか言われるよ。

 

「山形さんのそれ、まことしやかに囁かれてるんだけどチェーホワ統括理事も同じようなスキルを持ってるらしいですね! もしかして統括理事から習得法を教わったりしたのかなあ、アメさんどう思う?」

「えっ……え、えぇ〜と、まあそうねえ。そんな気もする、かも? かしら〜。ええと伝道師香苗さんとしてはどうでしょうか?」

「良い質問ですよお二人とも我らが救世主山形公平様がその偉大なる御業の一つとして行使なさるこの空間転移ワームホールですが実のところ古くからWSO統括理事であるソフィアさんが有事の際に似たような技術を使っていることが確認されていますここから巷では救世主様が統括理事の秘蔵っ子であるという説も出ていたり補強していたりするのですが救世の光の公式見解としては異なります我々が思うに救世主様と統括理事はたまたま同じタイプのスキルを保持していたそのこともあり互いに技術交流を図る機会を設けておりその結果なのだということですお話を伺うに空間転移と一言で言っても生み出すワームホールのクオリティは保持者それぞれに異なるらしくそれゆえに意見交換の機会として両者ともに乗り気なのでしょう余談ですがソフィアさんはそれこそ100年前からこちら有望な人材に対して積極的に声かけして縁を結ぼうという積極的な行動が度々見られまして実は人材マニアなのではないかという噂もそこはかとなく以前から噂されていますねそんな彼女に御方こそは救世主なりと認められている我らが救世主山形公平様はやはり偉大であり至高なのだと言うことになんの躊躇もありはしません救世主様ッバンザーイ!!」

「! 救世主様バンザイ! 救世主様バンザイ!! 救世主様、バンザーイ〜!!」

「怖ぁ……」

「こっちもうわ出た。もうなんか、パイセンと御堂さんの組み合わせとなると逆にこれが一度は見ないと不安になりますね。アレもしかして私も知らない間にそこはかとなく伝道くらって変質してますかね?」

 

 チョコさんなんかはとうとう、ソフィアさんってかヴァールがこれまでの長い生のなかで用いてきたらしいワームホールについて言及しだした。どうもモンスターハザードの時なんかによく便利に使っていたみたいだね、あの子。

 そのへんが俺がソフィアさんの秘蔵っ子だってネットの噂と結合して、彼女から教わったスキルかも? みたいに思われ出してるみたいだ。

 

 真実をすでに知っているアメさんなんかはしどろもどろに誤魔化すけれども、それにも増して勢いよく句読点さんをアンコールワットあたりに飛ばしたのがそうだね我らが伝道師さん。

 再度ガムちゃんがうわ出たやってるのを尻目にひとしきり伝道を披露した後、使徒さんとともに万歳三唱している光景はとてもじゃないけどシャバに出せないものだよ。

 

 ダンジョン内での出来事で本当に良かった……関口くんの引きつった顔をチラ見しつつもそっと息を吐く。

 ともかくここで駄弁りすぎても仕方ない。適当なところで荒ぶる狂信者さん達を鎮め、俺達は速やかにダンジョンから脱出することにしたのだった。




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