攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

2169 / 2169
非攻略キャラのほうが人気が出る法則

「あーっ、みんな早いわねえ。お疲れ様で〜す!」

「おっ、さやかちゃん先生が来たな。これで全員か」

 

 リア充陽キャグループのリア充陽キャぶりに、圧倒されるものを覚えて慄然としているうちにまだ来ていない残りの面子がやって来た。クラスメイトが二人と、担任のさやかちゃん先生。

 これで全員来たわけで、いよいよ焼肉屋に突入するタイミングとなる。時間的にもちょうどいい16時55分、周りを見ればもうみんな、すっかり焼肉のことで頭がいっぱいになってきているよ。

 

 かく言う俺ももはや辛抱たまらない。なんやかや昼飯にインスタントラーメン一個きりなのはさすがに足りなかったな、空腹でお腹がじんわり痛い。

 脳内のアルマもぎゃーぎゃー騒がしいったらないよ、こいつは腹減ったとかですらなくただただ、暴食を貪りたいだけなんだろうけどもね。

 

 

『ああ、もうさっさと入れ店に、さっさと肉を焼け、そして食え、肉も野菜も何もかも! 僕の味覚にあの素晴らしい焼肉の味わいを堪能させてくれないか! 肉! 野菜! 米! なんなら酒も飲め!!』

 

 

 とのことである。怖ぁ……もはや食欲そのものみたいだ。

 そして酒はさすがに飲めるか馬鹿野郎! お酒は20歳になってから! 法律はしっかり守る俺ちゃんである。

 

 ともあれそんな調子でみんなしていよいよ店に入る。予約を入れてくれたクラスのチャラ男伊藤くんを筆頭に、次々店内へと進んでいった。

 そのまま奥のテーブル席にそれぞれ人数を分けて座る。俺、梨沙さん、松田くんに木下さんの四人だね。近くには片岡くんや遠野さんもいるよ。

 

 そんでもって軽く店員さんから説明を受ける。オーダーは2時間制でラストオーダーは30分前、ドリンクバー付きでバイキングもあるよ、と。

 とりあえずさっそくドリンクから各自用意するよ、俺は率先して同卓のみんなのオーダーを受ける。ふむふむ、俺と松田くんと木下さんはコーラで梨沙さんはオレンジジュースと。

 他の席のクラスメイト達もみんな思い思いに頼んでいくね。

 

 その間、店員さん達が各席を回ってテーブルの真ん中にある大きなくぼみ、備え付きのコンロに火をつけてそのうえに敷かれた金網を熱し始めているよ。

 これで打ち上げが始まってすぐ、スムーズに注文した肉や野菜を焼けるわけだね。

 

「えーっとコーラ、ジンジャーエール、グレープジュースに烏龍茶ねー」

「俺モクテルやりてえから自分で行くわー」

「あ、私もー」

「俺も、コーヒー飲みたいから自分で用意するかなあ」

 

 俺同様にみんなの分も用意する人、自分なりのドリンクを作りたいから自分で行く人。いろいろいるけど、みんなテキパキと動き始める。

 その間に残る席の面々で、卓上の注文用タッチパネルでお肉を注文しておいてもらうよ。さてさて行こうかなあ。

 

 ドリンクバーまで行ってトレイと人数分のコップを用意し、順番に並んでジュースを用意していく。こういうのも結構楽しいなーって思うのは、たぶん打ち上げの空気の熱量に浮かされているからかもしれなかった。

 用意し終えて再び席に戻る。その途中、さやかちゃん先生がリア充陽キャグループの関口くんや伊藤くん、そしてグループ外だけど文化祭以降やたらクラスで存在感のある藤堂大監督様と同じ席で何やら、店員さんとやり取りしてるのが見えたよ。

 

「そしたらとりあえず、生中ジョッキを一つお願いしますぅ。えっと先生だけはアルコール付き飲み放題コース、なのよね伊藤くん?」

「そっすよ先生……でもパネェっすねマジ、ソッコーいきますか。ちっちゃくても大人なんですね、超ギャップがかわいい!」

「あー、ちっちゃいは余計〜。んふふふ、先生も今日みたいな日はハメを外しちゃうのです! えへへっ!」

「あざとい! 先生マジあざとい! パソコンゲームだったら攻略対象じゃないことにユーザーから不満の声が出てファンディスクで追加シナリオとか作成されそうな女教師キャラかってくらいにあざといっ!!」

「と、藤堂大監督!?」

 

 怖ぁ……なんか始まる前から阿鼻叫喚になってる。主に藤堂大監督が。

 さやかちゃん先生のいつもながらのあざとい素振りに、ツッコミたくなる気持ちは分かるけどもそのパソコンゲーム大丈夫? 俺達の歳だとやっちゃいけないやつじゃない?

 

 隣の関口くんなんか、藤堂さんの勢いに完全に慄いちゃってるし。探査者をも退かせる勢いはさすが大監督だよ。

 なんなら周囲の女子達もやっぱりなんか怖いし。さやかちゃん先生のナチュラルあざとい仕草、というよりはそれにコロッと参っちゃいがちな我が校の男子生徒に対する視線が厳しい!

 

「ハハッ、はーオモロ。ウケるわホンマ。けっ」

「男ってマジでさ、あーゆーのに弱すぎん? けっ」

「大監督の言ってることもよく分からんけど、あざといのはマジ同意。あれで天然なんだから始末に負えねー。けっ」

「伊藤はともかく関口くんまでお熱じゃなくて良かったぁ……良い先生だけど関口くんはさすがにライン超えだし。けっ」

「それな。けっ」

「えぇ……?」

 

 ジト目で伊藤くんを眺める女子陣の恐ろしさときたら、僕はもう息を潜め気配を殺して横切るしかできない。

 ちなみにこれでいて女子的にも、さやかちゃん先生のことはしっかり生徒に向き合ってくれる良い先生って扱いされており──翻ってさやかちゃん先生のあざと仕草ムーヴに関しては、彼女自身でなく彼女に惑う男が悪いという認識だったりする。

 

 まあ、本人も完全に無自覚な普段の言動や仕草だけで変に好意を持たれたりやっかみを受けるなんてのは、普通に気の毒だし理不尽だからさやかちゃん先生が嫌われてないのはとてもいいことなんだけどね?

 男としてはまあ、うん。体育教師からクラスのリア充までデレっとなっちゃうところにも、理解できなくもないからなんとも言えないところなのだ。

 

 触らぬ人気者達に祟りなし、と。

 そんなことをクワバラクワバラ言いながら思い、席に戻っていく俺ちゃんである。




【ファンボックスやってますー】
https://tentacle-claw.fanbox.cc/
限定スピンオフ「日々是好日、大ダンジョン時代」と無料で設定とか裏話とか見れますー
ソフィア、ヴァールとエリスのほのぼのライフですー(*´ω`*)

「大ダンジョン時代クロニクル」
https://syosetu.org/novel/362785/
第三部・第三次モンスターハザード前編─黄金の胎動─
連載始めました!
よろしくお願いしますー

「大ダンジョン時代ヒストリア」完結!
https://syosetu.org/novel/333780/
よろしくお願いいたしますー

「攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」コミカライズ発売中!
ぜひともみなさまお求めよろしくお願いしますー!

コミカライズ版スキルがポエミーも好評配信中!
下記URLからご覧いただけますのでよろしくお願いします!
 pash-up!様
 ( https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32 )
 はじめ、pixivコミック様、ニコニコ漫画様にて閲覧いただけますー!
 
 加えて書籍版1巻、2巻も好評発売中です!
 ( https://pashbooks.jp/tax_series/poemy/ )
 よろしくお願いしますー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

芸術的で文化的な異世界生活を目指して(作者:生しょうゆ)(オリジナルファンタジー/日常)

異世界に転生したからといって冒険する必要はない。▼転生者ジョット・ブレイクはそう考える。別に自分は戦いたくもないし苦労したくもない。好きな時間に起きてオペラなり博物館なりを見に行く生活が理想である。その横にこの世で最も美しい少女を侍らせれば、そこは地上の楽園だろう。▼しかし現実は厳しいのだ。魔術の才能があったばかりに帝国学院に通わされるし、絵画や彫刻を手に入…


総合評価:28149/評価:8.95/連載:82話/更新日時:2026年09月02日(水) 00:00 小説情報

【書籍化決定】クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

学校で進路を悩んでいた斎藤隆史(サイトウ タカシ)はクラスに馴染めずに居た。▼そんな最中、突如異世界にクラスごと召喚もとい拉致され、魔王と戦えと言われる。▼そして各自に役職と能力が付与されているからとステータスを開くように言われてステータス画面を見ると……皆が普通のRPG表記なのに、俺だけポケ◯ンみたいにレベル形式だし、技ってのが見える。▼そして始まる異世界…


総合評価:3070/評価:7.95/完結:95話/更新日時:2026年08月06日(木) 10:50 小説情報

現代ダンジョン発生初日。世界がパニックになる中、俺だけが攻略wikiの知識で最強ビルドを試している~将来のSSS級探索者? ああ、全員俺の弟子です~(作者:パラレル・ゲーマー)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

ある日の朝、世界各地に「ダンジョンゲート」が出現した。 自衛隊が出動し、人々がパニックに逃げ惑う中、35歳の社畜サラリーマン・八代匠(やしろ たくみ)だけは、震える手で歓喜していた。▼「間違いない。ここは、俺が死ぬほどやり込んだ神ゲー『ダンジョン・フロンティア』の世界だ!」▼初期の混乱期(黎明期)こそが最大のチャンスだと知る彼は、すぐさま会社を辞め、脳内の「…


総合評価:6385/評価:7.66/連載:149話/更新日時:2026年04月05日(日) 22:42 小説情報

【完結】俺は死んだはずだよな? (作者:破れ綴じ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

「なのになんで生きてる? しかも全く違う体で?」▼ *▼ 処刑された盗賊崩れの男アシェルが、何故か全く知らない肉体・全く知らない場所で目覚めて、何とか生き延びるために奮闘するお話です。その過程で色んな人の脳を焼いたり、因縁を作っていったり、修羅場に巻き込まれたりします。▼ 全10章100話完結+おまけ20話+設定です。


総合評価:10338/評価:9.09/完結:121話/更新日時:2026年06月24日(水) 12:15 小説情報

カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている(作者:暁刀魚)(オリジナル現代/日常)

【書籍発売中!】▼ カードゲームで世界が滅ぶのはカードゲームの世界だと定番だ。▼ そんな世界に転生した俺、棚札ミツルは念願かなってカードショップの店長になることができた。▼ カードバトルをする人たちが楽しそうなこの世界で、それを近くで眺めていたかったのだ。▼ しかし、そんな俺は端から見ると大きな事件を解決し、先達として子どもたちを見守る前作主人公のように見え…


総合評価:49574/評価:8.92/完結:376話/更新日時:2026年08月08日(土) 12:05 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>