攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

2174 / 2175
バランスブレイカー山形!?

 さてさて宴もさらなる盛り上がりを見せ、俺ちゃんの肉食う手もますます勢い盛んになっていくよ。

 もうここまで来たらカルビやハラミをどっぷりタレにつけてご飯やサンチュとともに食べまくって、たまに間食感覚ですぐ焼けるタンをいただくローテーションだ。野菜? うんまあ、美味しいけどもうん。今は肉だね。

 

 関口くんも自分とこの皿と箸をこっちに持ってきて、何やら俺の席の隣に落ち着き出している。相変わらず梨沙さんとも隣なので、イケメンと美少女に挟まれるパンピー俺ちゃんの完成である。

 怖ぁ……でもいいもんお肉美味しいし。なんて考えつつ舌鼓を打っていると、同じく頼んだお肉を焼いて頬張っていた関口くんがそう言えばと話しかけてきた。

 

「山形、お前も年始あたりからのクラン対抗戦になんか関わったりするのか?」

「ほへ? ……いやあ、今のところは特に。なんで?」

「最近、おかし三人娘の新クラン立ち上げにお前が結構アドバイスとかしてるみたいだしさ。そのままお前も加わって、対抗戦に殴り込みかけるのかなってふと思ったんだ。ていうか、他のクランの連中はそのへんだいぶ気にしてるぞ」

「えぇ……? なんでぇ……?」

 

 マジで意味不明である。なぜに俺の同行を見も知りもせぬよそのクランの方々がお気になされることがあるのか。おかし三人娘へのアドバイスったって、それもそんなにしとらんし。

 割とガチめに困惑する。そもそもこちとらクランに参加する予定もなければ、必然的に対抗戦なんて考えたこともないことだよ。だって基本ソロですし。

 

 集団行動に苦手意識はないものの、探査者としてのスタイルの都合上、割と対極にいるのが僕ですしおすし。

 そんな感じのことを言うと、関口くんはなるほどとうなずきつつもなおも言ってきた。他のクランの方々の、反応とやらについてだ。

 

「いやな、昨今のクランブームもあって今度の対抗戦も割と、実質新人や若手クランの競い合いみたいな色が強いんだけど……一部探査者コミュニティで声が上がってるんだ、お前がそこに殴り込むのは反則だろって」

「あー……ああ、うん。言いたいことは分かる、かも」

「実力でそのへんの扱いを変えるのは、俺としては基本反対なんだけどな……とはいえたしかに分かるんだよ、お前はちょっと規格外すぎるし。あと人脈も異常すぎるから、そのへんもまとめておかし三人娘の新クランに取り込まれると勝負にもならないから困るんだってな」

「……それ、公平くんが悪いの? なんか、おかしい気がするけど」

 

 思わずといった感じで、横で話を聞いていた梨沙さんが口を挟んだ。俺も関口くんも苦笑いでまあまあと宥めるんだけど、正直我がことながら何やらお騒がせして申しわけない。

 ぶっちゃけバランスブレイカーだものな、俺。自分で言うのはだいぶ自惚れてる感あるから嫌なんだけど、おそらく厳然たる事実として俺が特定のクランに参加して対抗戦に参戦した暁には、それなりに勝利に貢献してしまうだろう。

 

 シンプルに探査スピードと頻度がおかしい自覚はあるからね。ワームホールによるショートカットも踏まえれば、通常の数倍のペースで探査を行なっているもの。しかもソロだもんで、他のメンツに負担をかけないエコロジー山形くん仕様だ。

 いろいろ他の手段はあるとは言え、対抗戦におけるポイント加点方法の基本がダンジョン探査である以上……実質的に"いるだけで大幅ボーナス"になりかねない俺の存在はそりゃ、反則扱いされるのも仕方ない話だよ。

 

 そのへん、当たり障りない範囲で掻い摘んで説明すると梨沙さんもなるほどと納得してくれた。

 ことはルールに則って正々堂々、競い合いましょうって話だからね。別に俺への悪意ありきで言っているわけじゃないから、こればかりは憤慨してくれなくても良いことなのだ。

 

「ポイント稼いでの競い合い、そこになんでもこなせる公平くんが特定チームに加担したら、それだけでそのチームが圧倒的有利になっちゃう、かあ……難しいね、それは。私は、公平くんが参加したいっていうなら、それなのに参加できないのはおかしいって言いたいけど」

「ありがとう梨沙さん。でもそもそも俺、クランに参加するつもりも意欲もないからね。当然対抗戦にもあんまり興味はないし、変に勝負の場を荒らす真似だってしたくないし」

「だろうなあ。一応言っとくとその、よそのクランの連中もそこは分かってたぞ。あのシャイニング山形がそんなことはしないってな。なんなら救世主バンザイって言って万歳三唱してる人も見かけた。お前あちこちで信徒抱えてるなー」

「知りませんけど!? ていうかそんなところにまで!?」

 

 怖ぁ……どんどん広がる見知らぬ信仰の輪。もはや俺にはすっかり制御不能だ、というか伝道師さん以外には誰にもどうもできないんじゃなかろうか?

 界隈問わず、謎の救世主信仰が広まっていくことに思わず肉を食う手も止まってしまうよ。

 

 脳内のアルマがいいから食えー! と騒ぎ立てるのはともかく。最近、どこででもバンザイの声を聞くなあ……と、遠い目をするしかない俺なのでした。




【ファンボックスやってますー】
https://tentacle-claw.fanbox.cc/
限定スピンオフ「日々是好日、大ダンジョン時代」と無料で設定とか裏話とか見れますー
ソフィア、ヴァールとエリスのほのぼのライフですー(*´ω`*)

「大ダンジョン時代クロニクル」
https://syosetu.org/novel/362785/
第三部・第三次モンスターハザード前編─黄金の胎動─
完結しました!後編は2026年12月頃から!
よろしくお願いしますー

「大ダンジョン時代ヒストリア」完結!
https://syosetu.org/novel/333780/
よろしくお願いいたしますー

「攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」コミカライズ発売中!
ぜひともみなさまお求めよろしくお願いしますー!

コミカライズ版スキルがポエミーも好評配信中!
下記URLからご覧いただけますのでよろしくお願いします!
 pash-up!様
 ( https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32 )
 はじめ、pixivコミック様、ニコニコ漫画様にて閲覧いただけますー!
 
 加えて書籍版1巻、2巻も好評発売中です!
 ( https://pashbooks.jp/tax_series/poemy/ )
 よろしくお願いしますー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。