攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ホットスナックを売ってる自販機、めっきり減りもうした……

『どうも覇王忍者です。さっきの話なんですけど、もうなるべく早いほうが良いよねってなったんで可能でしたら今日、早いうちからで良いですか?』

『ドーモ山形です。いいですよー、今リーベとシャーリヒッタと一緒に全探組の談話室いるんで、どこかでおちあいましょうか。話し合いは適当な依頼を受けて、ダンジョンのなかで探査しながらとかどうです?』

『さすがハーレム救世主、いつでも女侍らせてますねぇ。そんでもって探査デートってのもなかなか覇王忍者ポイント高いですよ! 100万点くらい贈呈!! 今からそっち行きますので適当に依頼見繕っておいてくださーい』

『なんの話!?』

 

 

 さっそく都合がついた形になるガムちゃんとのやりとりだけれども。相変わらず口さがないというかハーレム救世主扱いをナチュラルにしてくるうえによく分からないポイントまでもらってしまって怖ぁ……としか言えない。

 っていうかリーベとシャーリヒッタは社会的には義妹にあたるんだから別にいいだろ一緒にいたって。どうもそのへん、ガムちゃんの発想はだいぶ偏っている気がしなくもない。

 

 ともかく思っていたよりはるかにスムーズに今日、今からおかし三人娘と話し合うことが決まった。

 こちらに向かってきている間に、リーベとシャーリヒッタに任せている探査依頼の申請をできる限り進めておこうか。

 

「おかし三人娘、今からこっち来るってさ。なんか良い感じのダンジョンを頼むよ」

「もう見つけましたよー。E級ダンジョン、3階層は11部屋で地形変化の疑いは低し。場所もここからそう遠くない公園ですねー」

「話し合いがメインなら、そう大規模高難度なやつを選んでもいられねーですからねェ。それにおかし三人娘の実力や公平さん以外のメンツの等級も考えると、こんくらいにしといたほうがいいと判断しました!」

「となると俺は引率役かな、B級だし。本当に良い感じだぞ、さすがだ二人とも」

 

 もうすでに今回のシチュエーションに適したダンジョンを見繕ってくれている、精霊知能達に感謝だ。

 リーベもシャーリヒッタも満足げに笑いつつ、そのまま申請フォーラムに必要事項を入力していく。

 

 ネットを使った登録は楽でいいんだけど、俺は個人的にはやっぱりカウンターで受付さんに直で申請するほうが気楽でいいかなー。

 やっぱこう、スタッフさん立ち会いのもとで行うほうがお互い後腐れとか揉めごととかなくて済みそうな気はするし。

 こればっかりは性格の違いでしかないんだけれど、だからこそ今回はサクッとスマホで申請することにも手慣れたこの子達がいてくれて助かっているよ。

 

「さてさて。それじゃあおかし三人娘が来るまで軽く待機だな……あ、コーヒーでも買ってくるけど二人は何がほしい? 今日、付き合ってくれてるお礼になんでも奢るよ」

「ありがとうございますー! それじゃあそれじゃあー、リーベちゃんはアップルジュース!」

「公平さんと同じやつがいいんだぜ! あ、でもブラックコーヒーだったらそれの砂糖入ってるやつがいいんだぜェ……」

「了解。俺はブラックコーヒー頼むつもりだったから、シャーリヒッタにはカフェオレでも買ってくるよ。ちょっと行ってくる」

 

 助けてもらっているお礼も兼ねて、ちょっとそこの自販機に向かう。俺ちゃん最近ブラックコーヒーを好んで飲みがちだ、なんか大人っぽくて苦いけど好きなの。アダルティテイスト山形くん。

 談話室の隅に3台、並んで設置されている自販機へ。うち2台は至って普通の飲料水自販機なんだけども、もう1台はなんとホットスナック系の自販機になっている。

 

 ハンバーガーとか焼きおにぎりとか、はたまたたこ焼きとかホットドッグとか売ってるアレ。俺も探査者になるまではテレビでしかたまに見なかったんだけども、その実物がここにあるのだ。

 さすがに初見の時は感動したよね。なんでも探査前後にここでひとときを過ごす探査者達が、小腹を満たす用にと設置したとのことなんだけども……

 俺同様、こんなん滅多に見ないよって探査者が面白がって買うそうで、かなり人気を博しているらしかった。

 

「なんか食べるとしたら……そうだなあ、せっかくなら普段距離が遠いものを食べたいなあ」

 

 さてそんな自販機を前に、俺ちゃんちょっぴり悩んじゃう。朝食はしっかり食べたけど、しかしそれはそれとしてたまにこういう自販機のものを食べたくもなるのだ。

 少しばかり逡巡してから、俺はさしあたりひとまず飲み物を問題なく買って、それから焼きおにぎりを買うことに決めた。

 

 地味に食べる機会少ないからね、焼きおにぎりって。アレ作るの地味に大変なんだって前に母ちゃんが言ってたよ。

 自販機にお金を入れてポチッとな。すると調理時間のカウントダウンが始まり、何やら温めている音がしばらく響く。そして表示が0になるとともに、取り出し口に白く簡素な紙パックが出てきた。

 

 手に取る。熱い、探査者じゃなければやけどしてたかも? ってくらいの熱さだ。

 このなかに焼きおにぎりが入ってるんだ。ううむワクワクしてきたぞ。ていうか勢いで買ったけど、ブラックコーヒーには合わないなあこれ。まあいいけど。

 

 席へと戻り、リーベとシャーリヒッタにドリンクを渡す。

 そんでもって俺はすぐ、紙パックを開けて焼きおにぎりを食べることにした。




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