攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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もしかして:私らって革命(レボリューション)なんだ!?

 冬はおこたでぬくぬくしてるらしい、なんだかほっこり香苗さんのことでアレコレ話なんかしてると、それだけでもずいぶん時間が経って早一時間ほどが経った。

 そろそろ待ち合わせの時間なので、おかし三人娘も来てくれるだろう。というか三人組のオペレータの気配がこっち来てるのを感じるし、もしかしたら彼女らかもしれない。

 

「トリオで探査者が談話室に向かってきてるけど、おかし三人娘だと思う?」

「んー、思うに一票!」

「せっかくだしオレも思うに一票なんだぜ」

「じゃあ俺は思わないに一票かな」

 

 暇を持て余しすぎてこんな余興すら交えつつ、その三人組が談話室へと来るのを待つ。言って間もなく、人影が見えてきた。

 ドンピシャだ。最近よく見る女性探査者三人組、イノシシチョコさんに愛され系アメさんに覇王忍者のガムちゃん様だ。

 

 その名も……今は別段高くないけど、すぐに有名になりそうな気配のある探査者パーティ・おかし三人娘。

 向こうも即座に俺達に気付いて近付いてきた。開口一番、ガムちゃんがにこやかに話しかけてくる。

 

「ちはーっす覇王屋でーっす。昨日ヤベー連中なのが判明したパイセン一味のみなさん元気してますかー?」

「ガ、ガムちゃん!? 失礼にもほどがあるよっていうか、そんな態度取ったらこの世から塵一つ残さずデリートとかされちゃわないかなあ!?」

「しませんけど!? チョコさん俺達のことなんだと思ってらっしゃいます!?」

「そうよチョコちゃん、この世の救世主たる先生とその使徒たるリーベ様シャーリヒッタ様方が、私達みたいな救いを待つ衆生子羊にそのような無慈悲をなさるわけがないわ!」

「アメさんもアメさんでだいぶ使徒ムーヴが色濃い!」

 

 怖ぁ……のっけからこのノリだよ。おかし三人娘らしさ全開まであるけど、相変わらずすぎて若干ホッとするまである。

 いや、ガムちゃんアメさんはともかくチョコさんはちょっと微妙かな? 明らかに俺達への見方が同世代探査者へのものでない、得体の知れない上位存在に対しての感じになってるっぽいか。

 

 ガムちゃんもどこまで理解して把握してるかは未知数だし、そのへんのフォローや補足を今回の話し合いで行わないといけないな。

 静かに精霊知能達と目配せしつつ、ひとまずはにこやかに着席を勧める。

 

「ま、まあアレコレありますけども。ひとまずは座って落ち着いてからにしましょうか、あ、なんかジュースとかいります? 買ってきますよ」

「お、お構いなく! あの、その、きょ、今日はお招きいただきまことに恐悦至極と申しますやらなんとやら」

「パイセーン、私はともかくチョコさんなんだかんだ真面目で直情的ですから、昨日リーベちゃん達から知らされた情報の洪水をまともにワッと浴びちゃって混乱気味なんですよね」

「あー、やっぱり? 見るからにだし、正直仕方ないだろうし」

「なのでここはもう、さっさとダンジョン入ってなかで話し合いしたほうが話が早いと思いますよ? ……私も正直なところ、前置きは良いからパイセンの口からいろいろ直接聞きたいなってところ、ありますし」

 

 慌てふためくチョコさんを気遣うも、ガムちゃんはそれなら早く話し合うべきだと提案してきた。つまりそのくらいにはチョコさんは混乱と言うか戸惑っていて、なんならガムちゃん自身も正味そんなところがあるんだろう。

 アメさんもさすがに固唾を呑んでいるし、そうだな。ここは一息入れてーとか呑気してないで、さっさとダンジョンに行ったほうが良い流れだな。

 

 というわけで立ち上がる。リーベとシャーリヒッタも加え、計6人でのパーティだ。

 依頼も申請済みなことと、ダンジョンの規模まで伝えてみんなで歩き出す。その間にも、チョコさんは不安を隠しきれない様子でチラチラとこちらに視線を向けてきていた。

 

「…………あの、山形さん?」

「はい、どうしましたチョコさん? 遠慮なしになんでも質問してください、突っ込んだ話となるとダンジョン内のほうが余人に聞かれず済むでしょうけど、それ以外なら今こうしている間でも答えますよ」

「あ、ありがとうございます。その……山形さんから見て、私達はもしかして特別なものがあったりするんですか?」

「……? 特別なもの、と言いますと?」

「その、山形さん達のことを昨日聞かされて、インターフェイサーについての提案を受けて、まず最初に思ったのがそこでした。これまでいろいろ面倒見ていただきましたけど、もしかして何かそうするだけの値打ちが、可能性が私達にはあるのかなって」

「あ、それ私も気にしてます。まあ覇王忍者は覇王忍者であるがゆえに覇王忍者なんですけども、やっぱ覇王忍者だってのはパイセンからしても分かっちゃうもんなのかなって」

 

 言葉と視線に宿る、期待と不安。俺の正体を知り、インターフェイサーへの協力と報酬を提示されて、チョコさんやガムちゃんがまず考えたのがそこまで気にかけられていることへの疑問だったようだ。

 システム側のトップに立つ俺が、手ずからアドバイスしたうえに始原概念まで紹介した。それはおかし三人娘には何か特別な可能性があるんじゃないかって、そう期待したんだね。

 ちなみに覇王忍者については特に関係ないからね、悪しからず。

 

 それはともすれば野心や慢心を引き出しかねないものかも知れないけど……俺の見る限り、今のチョコさんやガムちゃん、アメさんにはそんなものは見受けられない。

 ただ、事実を知りたいという強い眼差しがあるばかりだ。どういうつもりで自分達にここまでしたのか。そこに、システム側なりの何かしらの意志が介在しているのかを、だ。




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