攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

2225 / 2225
山形家with愉快な精霊知能達

 たまたま出会った愉快な酔いどれ仲間達とも別れ、改めて帰路に着く。家までそう遠くはない、のんべんだらりと参りましょ。

 空は曇りがちでいかにも冬らしいんだけど、残念ながら雪が降る気配は今のところない。ホワイト・クリスマスなんてこの近辺じゃ滅多にないことだから、まあこんなもんかってくらいの寒さだね。

 

 道行く人々はなんというか、こういう日だからこそかカップルさんやらご家族さんやらが多い。おお、翻って俺ちゃんのボッチが浮き彫りになる。

 でも良いもんね、帰ったらパーティーだもんね。美味しい食事を家族や友人知人達と食べて楽しみ、語らう時間が待っているのだ。

 

「というわけでメリーただいまクリスマス〜」

「メリーおかえりクリスマス〜」

 

 そんなことを考えてたいへんウキウキしつつもついに帰宅した。テンション高めに玄関を開けるなり告げれば、すぐさま母ちゃんののんきな返事が返ってきたよ。

 もはや家の外からでも気配は感じ取れていたけど、身内の数より多いオペレータの数にああ、お客さん方はもうすでに来てらっしゃるなと察する。

 

 さすがに香苗さんはさっきの今だ、まだ来ていないみたいだけど他はどうかなー? と、一旦リビングに向かうよ。

 ていうか客人もいるなかで身綺麗にするためとは言え風呂に入るの若干気まずい気もするなあ……まあいっか! パーティーだしな!

 

「ただいま戻りましたよーっと。おお、やっぱり何人かお着きで」

「あ、おかえりなさいでごぜーますだコマプロ様々! えーっとこういう時ってアレですよね、食べるか呑むか打つか風呂か私か、みたいなこと聞くんでしたっけ?」

「選択肢が多いうえに若干ろくでもないのが混ざってる!? 酒とギャンブルはしませんけど! ていうか酒は君がもう昼間から呑んでるでしょ、ミュトス」

「ウェヒヒヒヒイカにもタコにもそのとおり! さっきグルチャにも投稿来てましたけど、二次会行きの面々とお会いなすってたんでやんすねえ」

 

 リビングに顔を出すなり、その客人のうち一人が陽気にケラケラ笑って話しかけてきた。

 水色の長髪が美しいけど陽気で明るくてむしろ印象としては可愛らしいおねーさん精霊知能、ミュトスだ。

 

 見るからに酒が入っていて陽気な様子でなんともはや、ふにゃふにゃ笑いながら微妙に意味不明なことを言ってきてるよ。

 これが酔っぱらいかあ。後ろで案の定リーベが怖い笑顔を浮かべているよ。その隣にはヴァールとエリスさんもいるね。

 

「ミュトスちゃんてば、お昼もあんなに呑んでまだ呑む気なんですから、もうー!」

「後釜、気持ちは分かるが今日くらいは良いと思うがな。マリアベールやミュトスの身体を案じる気持ちは同じ精霊知能として立派に思うが、ハレの日くらいは羽目を外させてやるほうがむしろ日頃の節制につながる。そうだろう、エリス」

「えっ私に振ります!? ……あー、ハッハッハー。まあまあリーベちゃんも、水は飲ませつつでも今日はあまりとやかく言わないってのもいいんじゃないかなーなんて、ハッハッハー」

「エリスちゃんまで! まあ、ヴァールの言うことにも一理はあるかもですけど……それを言うならまず二人もお水、飲むんですよー? 特に昼間に散々愚痴ってたヴァール! オメーですよオメー、ミュトスのこと言ってられないじゃないですかー!」

「失敬なことを言うなアイドル気取りのおもしろマスコットめ! ワタシは酔ってなどいないし愚痴ってもいないしそもそも妹ではない、姉だ! シャーリヒッタもだが昼から続けてこの際いい機会だ、仮に姉妹だとしたらワタシこそが長姉であるべきだということをこれ以上ないほどの理屈と理論で証明してやる! 論破だ!」

 

 怖ぁ……ヴァールちゃん完全に酔ってる。見かけは全然変化がないにしてもテンションが明らかに酒が入った時の彼女特有の、愚痴上戸というか絡み気味の酒癖のやつだこれ。

 なんならエリスさん、精霊知能同士のやり取りに巻き込まれて若干引き気味に対応してるし。なんかすみませんうちの三姉妹が、こういうところやっぱりヴァールちゃん末っ子感ありますよね。リーベも大概だけれど。

 

 ギャースカ騒ぐテーブルの向こう、ソファのほうではうちの父ちゃん母ちゃんと優子ちゃんとシャーリヒッタ、そして神奈川さんとステラが並んで座ってテレビを見ている。

 クリスマスだからってことで、それらしい題材の洋画を観てるね。ジュースやら酒やらつまみやらポップコーンやらつまみつつ、テーブル付近に比べると相当穏やかに団欒しているよ。

 

「クリスマスになったらなんとなく、この映画見ないと落ち着かないんだよなあ昔から。公平や優子はあんまり興味ないんだけど、神奈川くんは結構楽しんでくれてるんだなあ」

「あー、まあそもそも映画自体普段あまり観ないので、新鮮なところはあります。もっと言うとクリスマスにこうして誰かと過ごすのも、ステラと出会う以前は10年以上なかった気がしますし。だから正直、すごく楽しいです」

『千尋、だからとても嬉しそう……たくさん食べて飲んでね。ここにいる人達はみんな、千尋の味方だからね』

「すっごいイケメンに見るからに幽霊さんが抱きついてるの、ちょっとしたホラーよねー」

「しかも本人は父ちゃんと揃って酒飲んでおつまみ食べて映画に夢中だし。慣れてるんだねえ」

「ポップコーン美味いぜェ」

 

 こっちはこっちで、父ちゃんと神奈川さんが酒飲んで楽しげに話してるし、ステラはいつも通り神奈川さんに抱きついてるし。

 しかも映画よりそっちの光景に興味津々の母ちゃん優子ちゃんときて、一人ポップコーン食べてジュース飲んでるシャーリヒッタときた。

 

 和やかなんだけどなかなか特殊な光景っていうか……賑やかだなあ。

 でもこっちのが我が家らしいと感じるようになってきたあたり、俺も相当慣れちゃってるよね、こういう環境にさ。




【ファンボックスやってますー】
https://tentacle-claw.fanbox.cc/
限定スピンオフ「日々是好日、大ダンジョン時代」と無料で設定とか裏話とか見れますー
ソフィア、ヴァールとエリスのほのぼのライフですー(*´ω`*)

「大ダンジョン時代クロニクル」
https://syosetu.org/novel/362785/
第三部・第三次モンスターハザード前編─黄金の胎動─
完結しました!後編は2026年12月頃から!
よろしくお願いしますー

「大ダンジョン時代ヒストリア」完結!
https://syosetu.org/novel/333780/
よろしくお願いいたしますー

「攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」コミカライズ発売中!
ぜひともみなさまお求めよろしくお願いしますー!

コミカライズ版スキルがポエミーも好評配信中!
下記URLからご覧いただけますのでよろしくお願いします!
 pash-up!様
 ( https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32 )
 はじめ、pixivコミック様、ニコニコ漫画様にて閲覧いただけますー!
 
 加えて書籍版1巻、2巻も好評発売中です!
 ( https://pashbooks.jp/tax_series/poemy/ )
 よろしくお願いしますー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【書籍化】異世界で職業:ヒモとしてみんなにバフを撒いてたら完全に逃げられなくなっていた話(作者:河葛幸狸/スーパー巨大特濃葛根湯)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

突然神様に「魔王が次に地球攻めるっぽいから、その前の異世界で倒して」と異世界に集団で転移させられたけど、割り振られた天職が『ヒモ』だったので僕の冒険が始まる前に終わってしまう話。▼スケベ衣装エルフに変異しちゃった先生、デコ出し委員長、小動物系多動後輩、貞子風顔隠れコミュ障先輩、ド派手王子様女子、腹黒守銭奴商人などなど……のパーティのヒモとしてみんなにバフを振…


総合評価:20419/評価:9.04/連載:160話/更新日時:2026年10月28日(水) 22:23 小説情報

【書籍化】配信に興味ないダンジョン配信者は今日も配信する(作者:もけねこ)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

ダンジョンが世界中に出現してはや半世紀。社会も早々に順応し、新しい秩序が形成された頃。▼そんな世界の隅っこで配信(?)をしている冒険者の話。▼カクヨムとマルチ投稿しています▼DREノベルスさんで販売中です▼【挿絵表示】▼


総合評価:5064/評価:7.72/連載:184話/更新日時:2026年10月23日(金) 22:32 小説情報

全員覚悟ガンギマリなエロゲーの邪教徒モブに転生してしまった件(作者:へぶん99)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

 正教徒vs邪教徒で争ってるファンタジーなエロゲーの邪教徒モブ側に転生したらしい。▼ ただし、戦いに勝つためならガチで何でもやってくるガンギマリな奴らしかいない模様。▼ 俺の人生終わってるかもしれねぇ。▼*2026年1月20日より書籍版第四巻発売中!▼*2026年7月5日よりチャンピオンクロス様にてコミカライズ版配信中です!毎月第一日曜日更新となります!


総合評価:27180/評価:8.55/連載:144話/更新日時:2026年11月02日(月) 22:58 小説情報

ハンマー少女はバズらない! 固有スキル【隠遁】で自由に探索してたら伝説になってました【本編完結】(作者:chikuwabu)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

 魔物からも認識されないし、人間からも認識されない、配信にだって映らない。そんな癖の強いスキルのおかげで人知れずソロ探索をしていたら、いつの間にかドワーフだとか座敷童子だとか、変な目撃証言が広まっちゃった、見た目子供な女の子(18)のお話。▼ そんな噂は気にもせず、妖精少女をパートナーに従えて、カレーを食べたり、探索したり、人助けをしたり、たまに目撃されたり…


総合評価:10575/評価:8.8/完結:652話/更新日時:2026年10月31日(土) 23:00 小説情報

最凶のゼロと運命の女神(作者:鵲くん)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

一影九拳、八皇断罪刃の全員のテストケースとして一人の弟子が居た…その男は最強だが…その実力は最強と言うよりも…▼一影九拳と八皇断罪刃の全員から教えを受けた、達人がダンまちの世界に来たら…って話です、一応原作開始四年前からスタートします。▼どうしても思いついた設定覚えてる内に書きたくなったので…▼ゼロ魔の方も続けていくので勘弁してくだしあ▼合う合わないの癖が強…


総合評価:1078/評価:7.33/連載:33話/更新日時:2026年09月08日(火) 20:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>