攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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全クリ後に手に入る最強武器

「えーと、俺の正体については明日語るとして」

「今語ってください。今! ナウ! なう!」

「トゥモロー! 明日語るとして!」

 

 俺ちゃんの新しい戦闘スタイルのために生み出した、超絶便利補助服であるこのファッション。

 そもそもの話をしだすと、俺自身がコマンドプロンプトでしたってところから話さなきゃいけなくなる。なのでそこは明日、みんなにまとめて話したいから割愛する。

 

 香苗さんがすげぇ不服そうに見ていて怖ぁ……だが、この服の話は今のところ、香苗さん以外にするつもりはないからそれで勘弁して欲しい。

 そう言うと目に見えて機嫌が直った。かわいい人だな、やっぱり。

 微笑ましさとともに説明を始める。

 

「俺のこの服、神魔終焉結界は、能力で拵えたものです。普段は異空間に保管していて、俺の呼びかけに応えて瞬時に現出します。ちなみに結界という名のとおり、服の形をした結界ってのが正体ですね」

「異空間に結界って……またさらりと言いましたね。スキルなのですか?」

「いえ、えーと。なんやかんやで使えるようになった能力ですね。これに関してはワールドプロセッサも関係なければ、アドミニストレータもオペレータも邪悪なる思念も関係ありません」

 

 コマンドプロンプトとしての能力を、今使える全力を駆使して創り上げただけだしな。ワールドプロセッサはこれについて、なんの関与もしていない。

 ……と、称号が変わったな。香苗さんに断りを入れてから、ステータスを見る。

 

 

 名前 山形公平 レベル617

 称号 忠告:やりすぎないように

 スキル

 名称 風さえ吹かない荒野を行くよ

 名称 救いを求める魂よ、光と共に風は来た

 名称 誰もが安らげる世界のために

 名称 風浄祓魔/邪業断滅

 名称 ALWAYS CLEAR/澄み渡る空の下で

 名称 よみがえる風と大地の上で

 

 称号 忠告:やりすぎないように

 解説 ことが終わっても、あなたのことは見ています

 効果 なし

 

 《称号『忠告:やりすぎないように』の世界初獲得を確認しました》

 《初獲得ボーナス付与承認。すべての基礎能力に一段階の引き上げが行われます》

 《……あなたの専門分野とはいえ、その権能は行使しすぎると世界そのものに歪みが生まれます。言うまでもないのでしょうが、ほどほどにおねがいします》

 

 

『あっははははははははっ!! ワールドプロセッサに釘刺されてるよコマンドプロンプトが! なんて珍事だ、これは面白い!!』

 

 うるさいよ! 笑いすぎだ馬鹿野郎!

 脳内で大爆笑する邪悪なる思念に抗議しつつ、俺は顔を引きつらせた。

 くそーワールドプロセッサめ、見ていますじゃねえよ。騒動が終わってもまだ見てんのかよ俺のこと。ていうか、称号を連絡掲示板扱いするのは止めろって!

 

「どうされましたか公平くん、称号に変化が?」

「ええまあ……なんてことはない、ワールドプロセッサの世間話みたいなもんです。後で紙に書いてお見せしますね」

「は、はあ」

 

 訝しむ香苗さんも、きっと内容を知れば微妙な顔をするんだろうな。

 何しろ香苗さんから見たら、アドミニストレータがワールドプロセッサに釘刺されてんだもんよ。何したの? って、絶対聞かれる。

 はあ、と一息深呼吸して。俺は、とにかく話を戻した。

 

「それは置いといて。この服、俺の弱点を補う目的で創ったんですよね」

「弱点? 公平くんほどの方に、そんな言うほどの弱みがあるとも思えませんが……さっきの飛行能力については、頷けますね」

「さすが香苗さん、話が早い」

 

 戦闘経験豊富なこの人だから、救世主云々のバイアスはともかく、一探査者としての俺の弱点にはあらかた、気付いてくれているみたいでありがたい。

 そう、近距離主体ゆえに遠距離の敵や空中の敵に対しては実質、闇雲に衝撃波を打つしか手がなかったのも弱点の一つだ。それを補うために仕込んだ能力の一つが、飛行能力ってわけ。

 

「他にも《誰もが安らげる世界のために》の出力を上げすぎた際に発生するダメージを肩代わりするとか、物理攻撃の効かない相手にも攻撃を通す、なんてのも仕込んであります」

「ああ……マリーさんたちからも聞いています。出力を上げた結果、反動ダメージが非常に大きなことになっていたとか」

「ぶっちゃけると、その時の経験がきっかけなんですよね。この服を作ろうと思ったの」

 

 厳密には邪悪なる思念との一対一の時、100000倍の出力を強制的に引き出した場面だな。

 あの時、活動限界である一分を一秒でも超えていたら、俺は間違いなく死んでいた。敵にやられるとかでなく、反動ダメージの大きさに耐えきれないのだ。

 いくらなんでもリスクが大きすぎる。何より痛い、チョー痛い。あんなの、有事だからってホイホイ使ってられるか。気が狂うわ!

 

 そんなわけであの痛みを無くして、かつスキルの効果を最大限に使用できる方法を考えた末。編み出したのが補助効果を複数、組み込んだ服型の結界。すなわち神魔終焉結界というわけだった。

 ちなみに仕込んだ機能は全部で8つある。因果改変をしやすくする機能くらいかな、常に発動してるのは。

 後はまあ、次第に合わせて披露するかなって感じだ。

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