攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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あとがきにてご報告があります
ぜひご覧くださいませ


サイキック・カンフー美女

 ヒットアンドアウェイ上等、確率即死の大斬撃スタイルって感じのアンジェさん。

 それに対してランレイさんのスキルは、これまた別なベクトルで特徴的なものではあった。

 

 

 名前 シェン・ランレイ レベル653

 称号 拳法家

 スキル

 名称 念動力

 名称 気配感知

 名称 気配遮断

 

 スキル

 名称 念動力

 効果 掌を翳した対象を自在に操る

 

 

 まず思ったのが、アンジェさんよりレベル高いんだ!? という率直な思いだ。

 なんなら香苗さんと大差ない。つまりはA級トップ層と言っても過言でない位置であり、S級だって下手したら視野に入ってきているほどじゃないのか?

 

「うわ、ランレイレベル高っ! え、もう700近いじゃん!」

「えへ、えへへ……うん。やることないし、ひたすらダンジョン潜ってるから」

「リンリンも似たようなこと言ってましたねー……星界拳士はそういうのが好きなんでしょうか」

 

 リーベが感心とも呆れともつかない感じで呟く。たしかにリンちゃんも以前、似たようなニュアンスのことを言っていたな。修練とかなんとか。

 強さへの貪欲さは妹同様、星界拳士ゆえなのだろうな……なんとなく、やることないしって言葉からいろいろ読み取れてしまいそうな気もするけどそういうことにしておこう。

 ランレイさんの名誉のためにでもあるし、深堀りすると俺までいらないダメージを負いそうだからね。

 

「そして、スキルの《念動力》ですが。これは……」

「あ、えと、便利なんですよこれ! サイコキネシスって感じで」

「というか、実際にサイコキネシスだな。過去の探査者にも何人か使用していたものもいる。そこまで珍しくはないがなかなか有用なスキルだぞ」

「えへ……そ、そうなんです。こう、動きを止めて空中に放り出してから、蹴りを入れるんですえへへ」

「怖ぁ……」

 

 思わず言ってしまった。何その必殺技前の標的ロックオン。

 リンちゃんを見ればわかるけど、星界拳は割と空中戦も得意だ。蹴り上げてからの追撃で大技をぶちかますってムーヴがやたら多くて、つまりは敵が宙を舞っているほうが具合がいいんだろう。

 その状態をこの人は、スキルを使って無条件かつ強制的に生み出せるのだ。技のセットアップが遠方からでも簡単にできるので、すなわち大技を発動してかつ、クリーンヒットさせるまでを非常にスムーズに行えるわけだな。

 

 いや怖いよ。本当に怖い。これまでに見てきたリンちゃんの、星界拳の大技の数々を見て心底から震える。

 容赦ないんだよ基本、星界拳って。相対したモンスターもヴァールも三界機構の断獄も、最終的には軒並み身体がボロボロになるまで蹴り穿たれ砕かれ崩されていたし。

 リンちゃんが素で急所最優先の考え方してるからってのもあるけど、そもそも技の構成と蹴りの威力が相手を破壊することに特化しまくってるのだ。

 

 実際、それを味わったことがある身として思うところはあるのだろう。

 ヴァールが幾分、顔色を悪くして言った。

 

「星界拳の威力はワタシもよく、知っている……為すすべなく拘束された状態でアレを喰らうというのは、ゾッとしない話だな」

「敵の一切の行動を封じ、こちらの攻撃だけを一方的に叩き込む。戦闘の理想であり極意とも言えますが、それを手っ取り早くスキルという形で実現できるわけですね。星界拳という、極めて強力な武器あってこその話ですが……お見事です、ランレイさん」

「! ほ、ほめ、ほほほほめられた! 御堂香苗に、褒められた!!」

 

 香苗さんからの評価に、舞い踊るように喜ぶ様子のランレイさん。やはり、ライバルとして意識はしているけれど、対抗心と言うよりは尊敬とか憧れのほうが強いみたいだ。

 元々が頭打ちした自分の、超えるべき壁の象徴としてのライバル認定だったみたいだしな。もしかするとそれ以前には、どちらかといえば香苗さんへのファン意識すらあったのかもしれない。例の動画チャンネルの配信、見ていたみたいだし。

 

 さて、これでお二人のステータスは確認できた。あとは実際の戦いぶりを見させてもらって、なにか言えるところがあるなら言うかという感じだな。

 ダンジョンの入口を見る。12階層に100部屋と俺にとってはかつてない規模だが、アンジェさんやランレイさんの戦いを見学するには丁度いいだろう。

 俺は、みんなに促した。

 

「それじゃあ、行きましょうか……アンジェさんとランレイさんがメインで、俺、香苗さん、リーベ、ヴァールは後詰めとフォロー、サポートってことでいいんですね?」

「ええ! しっかり私たちの戦いを見ていてよね!」

「ぜ、ぜぜひ! あ、アドバイスなど貰えれば!!」

「無論です。私にとってもS級に昇級する前、A級トップランカーとしての最後の仕事と認識しています。よろしくおねがいします、アンジェ、ランレイさん」

「……! は、はいっ!!」

 

 香苗さん、結構重い決意を持って今回の探査に臨むみたいだ。それを受けてランレイさんが、強く、凛々しく頷いた。

 A級トップランカーとしての御堂香苗、最後の使命。それが今、始まった。




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 それに伴い本日より各書店様で予約が開始されましたことをここにご報告申し上げます。
 
 書籍の内容につきましては、WEB版ではライヴ感で書いていたため表記や口調、設定が揺れていた部分を修正。ストーリーラインの整理整頓を図り、物語としてのスマートさと統一感を持たせたものとなります。
 イラストはnyanya先生に描いていただきました。山形や御堂が美麗で繊細なタッチで描かれております。御堂の美しさはこっちこそ狂信者になりそうなほどのものですので必見です。
 
 さらに書籍版には書き下ろし番外編をつけた内容となっております。
 また、電子書籍では書き下ろしショートストーリーがつき、書店によっては特典SSやサイン本の実施等も行います。
 山形以外の視点での幕間や、本編内にて起きたちょっとした日常を描いております。
 
 予約に関しましては各サイト様にて「大ダンジョン時代」「てんたくろー」等で検索いただければ該当ページにたどり着けるかと思います。
 ぜひともご予約いただければありがたいです。
 
 より詳細な情報、続報、その他もろもろに関しましてはTwitterのほうでも記載していきます。(@tentacle_clow)
 PASH!ブックス公式Twitterやnyanya先生のTwitterも併せてご紹介いたしますので、ぜひともそちらもご覧くださいませ。
 よろしくおねがいします。
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