攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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関口と三人娘

 やっぱりイケメンくんは違うなあ、と思わず言いたくなるような登場。麗しの美女美少女を3人も引き連れて関口くんは、まるでそれが当たり前かのように堂々と佇んでいる。

 学校でもちょくちょく見かける光景だ。やっぱり人気者で学内における最上位カーストに位置する彼は、それゆえ各学年各クラスの人気者なリア充さんたちとも繋がっているからね。

 

 いつでも美男美女とか明るくて目立つ人たちと過ごしているのは、もはや東クォーツ高校においては彼こそが、主役でありスターなのだということを端的に示しているような気すらしている。

 早い話、世界が違う感じなんだよね。おかしいな僕も探査者なのに、入学しても相変わらずとにかく地味な山形だよ?

 

「新人の世話ですか。さすがにそこは、それなりにちゃんとやっているようですね」

「はい! もちろんですよ……他の先輩とローテーションで、ですけど。香苗さんのように教えられるかわかりませんが、精一杯知っていることを伝えています」

「関口さんにはほんと、お世話になってます! 強いし頼りになるし何より信じられないくらいイケメンですし、もう最高の指導教官です!」

 

 香苗さんに相対して関口くんと、赤い髪を肩口で切り揃えたボーイッシュな女の子が話す。女の子は笑顔で、溌剌とした語り口調もありフレッシュな雰囲気の子だ。

 たしか、徳島千代子さんだったか? 名前がチョコと読めるからあだ名がチョコになってる人だね。

 この3人の新人はそれぞれ、お菓子にちなんだあだ名を持つからお菓子トリオってことで、3人一組での探査活動を行うつもりみたいだ。なんかこう、絆があっていいよね。

 

「山形さんも、お疲れさまです! これから探査ですか? 御堂さんと」

「お疲れさまです。そうなんですよ実は。この暑さですし、ちょっと涼んでから行こうかと思いまして」

「そうなんですね! 私たちもこれから探査なんです! お互い、頑張りましょう!」

「あっ、はい。頑張りましょう」

 

 明るい! そして熱血だ!

 いかにもスポ根っぽいノリで押忍! ってしてるチョコさんが、俺には恐ろしく眩しい。

 フレッシュすぎて目が潰れそう。なんでだろう、歴で言えば俺も紛れもなく新人なのに、こういう新鮮な輝きは当初からなかったと自分でも思う。なんなら代わりに物理的な光り方をしていたくらいだ。フレッシュっていうかフラッシュだったね。

 

 若さってなんだろう……と遠い目になる山形公平くん15歳。でも実質500歳でもあるしなあとか考えていると、チョコさんの隣、お菓子トリオのもう二人が俺に挨拶してきた。

 ええと、アメさんにガムちゃんだっけ?

 

「おはよう、山形くん。こないだもA級探査者のシェン・フェイリンさん相手に大立ち回りしたみたいね〜」

「おはようございます、鹿児島さん。いやあ、あれはその……断りきれず戦ってたら、つい盛り上がってしまって」

「アメでいいわよ〜。ふふ、カッコよくて素敵だったわ。ああいうふうに戦えるなんて、やっぱり救世主なのねえ。私、あんまり運動しないからシェンさんにもあなたにも、憧れちゃうわ〜」

 

 しっとりした黒髪ロングが妖艶な雰囲気を纏うお姉さん、鹿児島天乃さん。通称アメさんだね。

 色っぽく笑うのがすごく美人さんで、なんかこう、清楚なのに梅雨時みたいなじっとりした色気がある。香苗さんや宥さん、アンジェさんやランレイさんとはまた異なるタイプのお姉さんって感じだ。

 

 そんなアメさんはどうやら、こないだの俺vsリンちゃんの動画をバッチリ見ていたみたいだ。カッコよくて素敵って言われるのは率直に嬉しいんだけど、迂闊に救世主って単語は使わないほうがいいなって僕は思いました。

 何故なら隣で伝道師がおっ! 伝道志望かな? みたいな目でアメさんをロックオンしたからです。怖いです。怖ぁ……

 

「お久しぶりってほどじゃないですね……覚えてます? 私のこと」

「もちろんだよ、新潟さん。ガムちゃんって呼んだほうがいいかな?」

「新潟でもカノンでもガムでもお好きにどうぞ。お元気そうで何よりです」

 

 金髪の小柄な女の子、新潟花夢さん。花の夢と書いてカノンと呼ぶそうだけど、本人はガムと呼ばれがちだと話していた。

 倣ってガムちゃんって呼ばせてもらうんだけど、彼女はわずかに頷いただけだった。静かで落ち着いた子で、チョコさんとはある種、対極にいる子だな。

 

 熱血系、お姉さん系、クール系。なんというかバランスが取れているというか、個性的だよねおかしトリオ。

 俺とも二、三言葉を交わした彼女らに、関口くんが話しかけた。

 

「探査者歴の浅い山形はともかく、香苗さんは今やS級探査者にもなるこの業界のトップクラスに位置するお人だ。3人もいつか、香苗さんのような探査者になれるといいな」

「はい! 頑張ります!」

「無理はしない程度にね、チョコちゃん」

「アメ姉も……案外意地っ張りなの、よくないよ」

 

 3人揃って息の合ったやり取りを見せながらも、探査者として頑張るつもりではいるみたいで先輩の関口くんに応えている。

 そして彼と彼女たちは、ちょっと離れた席についた。俺たち同様ちょっと休んでから、探査に臨むんだろう。

 

 思いがけない出会いだったけど、結構楽しい人たちだったな。

 香苗さんに話しかける。

 

「個性的ですねえ、あの三人」

「キャラ性もトリオとしてのインパクトもあり、何より新人ユニット。ふむ……我ら救世の光に参加していただき、リーベちゃんに次ぐアイドルユニットとして活躍してもらうのもありかもしれません!」

「前途洋々たる新人さんたちを、怪しい道に引きずり込むのやめましょう?」

 

 この人、とんでもないこと考えてたよ。

 アメさんを凝視してた時点でちょっと予感はしてたけど、アイドルユニットて……あの組織、どこに行くつもりなんだろう、本当に。

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