攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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よく考えなくてもいつでも美女を侍らせている救世主

 概ね満腹、余は満足じゃ! という感じでご飯を食べ終えた俺と香苗さん。それぞれ結構食べて俺は20皿ちょっと、香苗さんは10皿と少し、空の皿を色や模様に合わせて積み重ねていた。

 結構食べた気もするけど、以前に家族で回転寿司に行った時にはこれ以上に食べていた記憶がある。たぶん父ちゃんと妹ちゃんとの三つ巴でフードファイトをしたからそれだろうね。なお母ちゃんにはあとで揃ってしこたま叱られました。無念。

 

「ぷはー! 美味しかった、ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでした。久々でしたがいいものですね、回転寿司というのも。公平くんと一緒だから余計に楽しいですよ」

「はは、俺もです。今日はありがとうございました」

 

 お互いに笑い合う。午後からは予定を変えて関口くんとおかし三人娘の相談にのる流れになってるんだけど、まあ俺と香苗さんとしては事実上、お仕事も一段落って感じだ。

 さて、じゃあその関口くんたちはといえば。

 

『んー、おいしー! サーモン好き、めっちゃ好き!』

『こういうお店で食べるスイーツも美味しいのよね』

『お腹いっぱい……てかチョコさんマジ食べ過ぎですね』

『食べられる時に食べとかないと、ガス欠で動けなくなっちゃうかもだしね!』

『いいことだ。何ごともご飯を食べなきゃ始まらないからね。目一杯食べるといいよ、チョコ』

『ありがとうございます!』

 

 とまあ、声のやりとりから察するになかなか個性豊かなことになっている様子。

 どうやらチョコさんが一番量を食べるみたいで、反対にガムちゃんはそこまで食べてないみたいだ。そして年長のアメさんは寿司に満足したのか、サイドメニューのスイーツに夢中らしい。

 

 関口くんがチョコさんにどんどん食えと促していて、いい先輩っていうかまるで部活動のコーチみたいだ。それに応えてチョコさんも、意気込んでさらに寿司を食べるつもりみたいだった。

 総じて愉快な仲間たち感が出ているな。追加で頼んでいたジュースを飲んで、俺は香苗さんに言った。

 

「この分だとしばらく時間かかりそうですし、どうします? どこか別の場所で待ち合わせしましょうか」

「食べ終わったのに居座るのも、よくない話ですからね。そうしましょうか、合流は……最寄りのショッピングモールの喫茶店ででもいいでしょう。話し合いになるわけですからね」

「ですね。それじゃあ出ましょう」

 

 荷物をまとめて立ち上がる。いやー美味しかった。久々の寿司だからかめっちゃ満足。二人でそこそこ食べたけど、その割にはお値段も安めだしコスパもいいよね、助かる。

 席を離れてレジへ向かう。途中、関口くんたちの席を通過するのでひと声かけておこうかな。

 

「関口くん、俺たちは先に行くね。ショッピングモールの2階、喫茶店があるからそこで落ち合おうよ」

「2階の喫茶店って言うと、あそこか。わかった、俺たちも一時間後くらいには向かう」

 

 合流場所、時間の共有を行い、関口くんは頷いた。見れば彼もすっかり食べ終わった様子でコーヒーを呑んでいる。

 18皿か……勝ったぜ。なんて内心でなんの意味もないマウントを取りつつチョコさんを見ていると、なんと彼女はすでに30皿を超えていて、それでもなお勢いよく寿司皿に手を伸ばしている。

 えぇ……? と思わず反応してしまう。予想以上に食べてたよ、この人。

 

「け、健啖だねチョコさん」

「いやー美味しくてついつい! まだまだバリバリ食べられまーっす!」

 

 にこやかに朗らかに謳いながらそのとおり、バリバリって感じの勢いで寿司にぱくつくチョコさん。その量やらスピードやらに俺も香苗さんも目を丸くするばかりだ。

 そこにアメさんが、パフェを完食して満足そうにしながらも感心した様子で、彼女の食べ終えた皿の山を眺めた。

 

「すごいのねえチョコちゃん。私の何倍もお皿があるわ〜」

「アメさんはアメさんで食べなさすぎな気もしますけど」

「少食で、どちらかというとスイーツのほうが好きなの。うふふ」

 

 淑やかに笑う彼女の皿はたしかに、少食と言うだけあって数えるほどしかない。代わりにパフェはそこそこ大きいから、なるほど甘党なわけなんだね。

 そしたらガムさんはと言うと、こちらはそこそこ食べつつほどほどのところで切り上げたようで、熱いお茶を入れた湯呑を時折啜っている。

 俺の視線に気づいて、軽く会釈してきた。

 

「どうも。噂に聞いてましたけど、マジで女たらし救世主なんですねシャイニングさん」

「何が!? いきなりなんなの怖いよ!?」

「いや、御堂香苗さんに望月宥さんをはじめ、いつも大体女の人を連れて歩いてるってたまに耳にしますし。本当なんだなーってちょっと感動してます。え、もしかして知らなかったとか?」

 

 開口一番ぶっこんできたよこの子怖ぁ……クールな見た目でズバッと言うなあ。チョコさんとアメさんがえっ、て顔をしている。こら関口くん、ニタァって笑わない!

 しかし女たらし救世主て。いやまあ、それに近いことはこないだの演習の時にも言われたけれども。あちこちで耳になるくらいになっちゃってるってのは初耳だ。てっきりネットの中だけかと思っていたのに。

 おずおずとそのあたり、尋ねてみようと俺は彼女に答えた。

 

「そ、それはその……正直ネットとかでそういうふうに言われがちなのは、知ってるけど。え、もしかしてリアルでもそこそこ言われてるの?」

「んー……一部でですかね。基本は無関心で、あとは割と同情の声もあるみたいです。なんか新興宗教の人たちにつきまとわれててかわいそう、的な」

「誰がつきまといですか失敬な! なんならお望みどおりに伝道して差し上げましょうか!?」

「狂信者ステイ! 伝道師ステイ!」

 

 突如興奮しだした新興宗教の人を抑える。そういうとこだよ香苗さん!?

 ていうか無関心と女たらしはともかく、つきまとい云々はどっちかっていうと香苗さんがメインで言われてるやつじゃないかよ怖ぁ……




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