攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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トリプル精霊知能のご帰還だな!(満面の笑み)

「えっ、それじゃあ兄ちゃん、ご飯食べたらすぐ仕事行くんだ!?」

「あらー、忙しいわねあんたも」

「きゅう〜! きゅうきゅうきゅう!」

 

 ひとまず荷物を部屋に置いてからのリビング。数日ぶりということで盛大に甘えてくるアイの頭を優しく撫でながらも、今日の予定について知らせると母ちゃんと優子ちゃんが驚いた感じで反応してきた。

 帰ってきたかと思えばすぐさま仕事だ。それも例の犯罪組織との決戦かもしれないって言うんだからそりゃ、驚くよねー。

 

「ニュースでなんか、すごい化け物相手にしたっていうからさ。てっきりそこで決着ついたのかと思ってたけど……まだ終わってなかったのね。しつこいわねーその部活動だかなんだかって人達」

「倶楽部ね、倶楽部。まあ実際のところ壊滅状態なのには変わりないし、逃げてる二人の幹部がたぶん隠れてる最後のアジトに突撃するってだけだから。すぐに終わるよ」

「ならいいんだけど……ま、S級探査者の人達がたくさんいるみたいだし大丈夫かしらね。あんたその人達に迷惑かけないようにだけ気をつけなさいよ」

「もちろん」

 

 言われるまでもなし、こんな肝心な局面で仮にみんなの足を引っ張るなんてことになったら一生の恥だからね。

 ていうかシャーリヒッタまで出張る案件で早々、情けない姿は晒せないよなあ。なんでかあの子、俺のことを本気で父親だと思って慕ってるみたいだし。

 

 ああそうだと、シャーリヒッタ絡みでリーベに視線を向ける。テーブルに着く俺の隣で、寄り添うように椅子に座っている彼女へと俺は話しかけた。

 

「リーベ、悪いけどお前もついてきてくれるか? 連中との決戦が予想されるわけで、場合によっては負傷者も出るだろうし……」

「かわいいかわいいリーベちゃんの超絶有能《医療光粉》の出番かもしれないわけですねー! お任せください、最終的に全員、無傷でご帰投いただきますよー!」

「頼むよ」

 

 スレイブモンスターだけならともかくバグモンスターだの、果ては概念存在だのまで絡む戦いとなれば、回復役はいてくれるに越したことはない。

 回復に近いことができる俺は概念存在にかかりきりになるだろうし、そうなるとバグスキル対策方面とは別口に代理を立てたほうが良さそうなのは間違いないからね。

 そこをリーベに来てもらうことで穴埋めをすると、これはそういう提案なのである。

 

「シャーリヒッタとも久しぶりですしー、なんだかワクワクしてきますねー! リーベちゃんにヴァールにシャーリヒッタ、三大精霊知能の揃い踏みですよー!」

「三大……? そんな括りあるのか、精霊知能」

「いえ、特にはー。そもそもそんな括りがあるとしても、ヴァールは入らないでしょうしー」

 

 まあ、なあ。今のヴァールは単純に、システム領域に属してないからね。

 代わりに入るとすればアフツスト──精霊知能の統括を担う精霊知能が妥当かな。ワールドプロセッサの補佐役シャーリヒッタに、精霊知能の人事関係を担うリーベに、精霊知能全体を統括するアフツスト。この三体はどれが欠けてもシステム領域に不全が生じかねない、まさしくキーパーソンだった。

 

「シャーリヒッタも元気そうだったけど、アフツストはどうしてるかな。いつも死にそうな顔してた印象が強いけど」

「今はもうちょいマシになってますねー。なんか別の問題でいろいろ動いてるみたいですけどー、例によってワールドプロセッサとの間でコソコソやってるみたいなんでリーベちゃんにも分かりかねますねー」

「えぇ……?」

 

 相変わらず秘密主義なやつだな、ワールドプロセッサ……アフツストと共謀するって大分大事な気がするけど、大丈夫なんだろうか?

 そのうち機会があれば、それこそシャーリヒッタあたりに聞いてみようかな。

 

「……さて。というわけで俺、ご飯早めに食べてシャワー浴びたら出かけるよ。リーベもそのつもりで頼むな」

「了解しましたー! ふっふっふー、今回の件ではここに至るまでほぼ蚊帳の外でしたけど、ようやっと公平さんのパートナーらしい活躍ができるかもですよー!」

「無理しないようにね~二人とも。あ、ご飯まだ作ってないから冷凍のチャーハンなりカップ麺なり食べてね」

「はーい」

 

 時間的には11時前、そりゃまだ早いよねご飯には。

 さっそく冷凍庫を漁ってみる。チャーハンに、おっ、焼きビーフンあるじゃん! あると嬉しいんだよね焼きビーフン。冷蔵庫のほうにレンジでチンしてできるハンバーグもあるし、この辺をガッツリいただきましょうかね。

 

「リーベちゃんはカップ焼きそばをいただきましょうかねー。決戦前のカロリー、カロリー!」

「二人分、ハンバーグ作るぞー」

「ありがとうございますー」

 

 リーベと二人、台所でテキパキ動く。決戦前ということもあり、すでに俺達はお仕事スイッチオンになってきている。

 しっかりエネルギーを補充して、どんなやつと相対しても問題なく実力を発揮できるようにしないとな。そんな想いで、俺は、冷凍食品からハンバーグまで順番にレンジに入れて温めていくのだった。




ブックマークと評価のほう、よろしくお願いいたしますー

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「攻略!大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」2巻、発売中です!
書籍、電子書籍ともによろしくお願いいたしますー
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