攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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時代を担う、探査者達の戦い

 エリスさんを妄執的に求めるバグモンスター・火野についての個人的言及はそこそこに避けつつ、とにかくやつを倒して止めるための戦いが再開された。

 《極限極光魔法》のチャージも完了したことで、二度目の総攻撃を仕掛ける手筈が整ったのだ。

 

「ミスター・公平にまでお鉢は回させませんとも」

 

 未だ再生に手間取りつつもりがなー、もりがなぁーと呻くバグモンスターを見据え、ベナウィさんが右腕を掲げた。

 同時に視線を俺に向け、不敵に微笑みを投げかけて言う。

 

「鬼島の相手をお任せした上、火野との決戦さえ頼ることになっては我々の立つ瀬がない。S級探査者がこれだけ揃っていてそのようなことになるのは、偉大な先達にもやがて来る後進にもまるで示しのつかないことですからね」

「公平さんが託してくれた、この戦いは私達の戦いだ。まあ精霊知能さんも加勢してくれてるけどね、メインはやっぱり私達、大ダンジョン時代を生きてきた探査者のみんなってことでよろしく。ハッハッハー」

 

 エリスさんも続けて、ナイフを数本《念動力》で浮かべて臨戦態勢を取りながら笑う。他のみんなも各々のスキルを発動して、火野への攻撃準備を完了させていった。

 なんだか気を遣って頂いてる感じで恐縮ではある。別に俺が後詰めとして動くことになったとて、それでこのメンバー、ひいては現代の探査者が頼りにならないってことには断じてならないんだけどね。

 

 でも、そういうプライドを持って自分達の使命を果たそうとする姿は素敵だ。

 俺にとってはどうなろうと、今ここにいるみんなが尊敬に値する素晴らしい探査者であることには間違いないと確信できる。

 

 火野を前に、ベナウィさんがいよいよ動き出す。

 ──倶楽部幹部との最後の戦いだ! 決戦の火蓋は、昼間にあってもなお極限に燦めく極光をもって切り落とされた!

 

「《極限極光魔法》奥義、オーロラ・パーティータイム! ──さあ行きますよ、オーロラバスタービーム!」

「もりがなあああああ……もりがな、あっ?」

 

 手始め、と言うにはあまりにも強烈な一撃。かつては三界機構・災海をさえ破壊し尽くした究極の熱放射線が、虹色に輝く光の本流として放たれ、バグモンスターの巨体に直撃する。

 貫通しないものの、肉体を焼き穿つのが見て取れる。再生能力を俺か空けた風穴に集中させなければならない現状、追加で与えるダメージはそのまますべてが有効打となる!

 ベナウィさんの、技の連発が始まった!

 

「オーロラ・グレートスマッシャー! オーロラ・アサルト光線! オーロラ・オーラブレイカー! オーロラ・オムニクラッシュ! オーロラ・デストロイヤー! オーロラ・バーストセイバー! オーロラ・クライムアンドペナルティ!」

「うわわわっ! あ、相変わらずの超連打!? 眩しいっ!!」

「オーロラ・バリアペネトレーション! オーロラ・シーズンディザスター! オーロラ・ええとゴッドビーム! オーロラ・ウルトラデストラクター! オーロラ・えーと全滅ビーム! オーロラ・滅殺オーロラ! オーロラ・バグモンスター撲滅運動波動光線!」

「名前もまー適当って感じですねー」

『後半もはや勢い任せだなァ。それでも威力は据え置きだからやべーけど』

 

 怖ぁ……ひたすらぶっ放してる。昼間ですら眩しすぎて目を開けていられないような輝きが、視界いっぱいに広がる。なんだか目がおかしくなりそうだ!

 一発だけでも山一つ消し飛ばしかねない極太ビームの連発。数あるスキルの中でも単純威力はトップクラスな《極限極光魔法》の、真価がまさしく目の前にあった。

 

 このスキルはそもそも、超巨大モンスターを相手取ることを想定して作られた、すなわち対S級モンスター用の能力だ。

 今ベナウィさんがやっている、チャージ後に短時間ながら一切の遅延なく発動し続ける使い道こそが本来の使用法であり、この過剰火力をもって単独でもS級モンスターを仕留められるようにデザインされていたりする。

  

 それを、チャージせず単発で放つことにより普通にダンジョン探査で使うベナウィさんが本来、異端といえば異端なわけで。地味にすごい技術なんだよね。

 うっかり出力調整をトチってダンジョンごと崩しちゃった、テヘッ! みたいな逸話も、想定と違う使い方してるわけだし分からなくもないのだ、実際。

 いやまあ、なんであれやらかしてるのは間違いないからそこはかばえないけどもさ。

 

「オーロラ・ファイナルカッター! ────ふう、打ち止めです皆さん、あとはおまかせします」

 

 都合16発くらい、かな? それだけの数、ビームを敵にぶち当ててそこでベナウィさんのチャージは切れた。

 すさまじい、視界全体を染めあげる閃光と爆音が収まる。後に残るは涼しい顔のベナウィさんと、俺と同じように目を開け敵を確認するみんなと。

 

 そして、再生能力も尽きたのか……

 身体の前面を大きく削られ、白い肉質の中身を露出させている、バグモンスター・火野の姿だった。

 

「《炎魔導》! サウダァァァァァァデッ・バトォォォォォォルファァァァァァイッ!!!!」

「《雷魔導》! 師匠を良くない目で見るな、化け物めーっ!!」

「《光魔導》! 青樹さんにした仕打ち、今ここでつけを払ってもらいましょう!!」

 

 ベナウィさんの、後を託す言葉を受けて戦闘メンバーが一気呵成にスキルを発動する。

 サウダーデさん、葵さん、そして香苗さんのトリプル魔導スキル。戦闘に特化したこれらスキルの最大火力が今、火野に向けて放たれた!




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 【お知らせ】

「攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」のコミカライズが4月13日(木)から配信されることになりました!
 それに伴い予告編に相当する0話が専用ページにて配信されております!
 
 pash-up!
 ( https://pash-up.jp/content/00001924 )
 様にて閲覧いただけますー
 
 能勢ナツキ先生の美しく、可愛らしく、そしてカッコよくて素敵な絵柄で彩られるコミカライズ版「スキルがポエミー」!
 漫画媒体ならではの表現や人物達の活き活きとした動き、表情! 特にコミカライズ版山形くん略してコミ形くんとコミカライズ版御堂さん略してコミ堂さんのやり取りは必見です!
 
 上記の通り第一話が4月13日(木)より配信され、第二話が4月27日(木)に配信されます。
 以後は毎月第二、第四木曜日にそれぞれ更新となりますので、皆様なにとぞ楽しんでいただければと思います!

 加えて書籍版1巻、2巻も好評発売中です!
 よろしくお願いしますー!
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