攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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「もうリーベちゃん世代ってことでいいんじゃないかな?」「駄目ですよー!シャイニング、シャイニング!」

 ビックリするくらい過剰な期待を、世代単位で投げかけられてしまっているらしい"シャイニング世代"筆頭、山形公平。

 世代で言えば間違いなく同期にあたるだろう後輩探査者のリーベちゃんを連れてただいま、全探組ビルの最上階に到着だ。ていうかどこからどこまでが俺と同世代って扱いになるんだ? ちょっと気になる。

 

「たしか年齢より探査者歴で区別してるわけだし、たとえば関口くんやリンちゃんは先輩だけどおかし三人娘は同世代になるわけかな。なんだかあべこべだなぁ」

「ひとえに公平さんが混乱の元なんですよねー言っちゃうと。同世代の中でも突き抜けて実力も知名度も高い上に、先輩や大御所との交流のほうが多いじゃないですかー。反面同世代とはあまりやり取りしてませんから、ぶっちゃけ浮いてるところはありますねー」

「ウッ……そ、それはたしかに、言われてみれば」

 

 言われなくても気付けよって話ではあるよね、うん……

 たしかに俺、同期とか同世代の人達とはまるきりやり取りしてないわ。それこそおかし三人娘くらいか。

 現状、リーベと並んでデビューしたての新人さんだしな、あの人達。それ以外で言えばGWの探査者ツアーの時に知り合った、探査者歴一年ちょいの奈良さんくらいなものだろうか。

 

 それ以外の友人知人って、マジである程度年上の先輩方か超がつくベテランさんだけなんだよなあ。たしか新規探査者教育を受けていた時、俺の他に何人か同期の人いたのに。

 デビューしてすぐにアドミニストレータ計画が動き出し、以降は邪悪なる思念との戦いが行動の軸になっていたから全然関わらないでいてしまったのが悔やまれる。

 俺だって同世代の人達と仲良くお茶したい気持ちはあるんだけどなー。

 

「こんなところでもボッチだった。やはり魂から染み付いた孤独主義には抗えないのだろうか……」

「大袈裟ですよー? もう、そんな時のためのリーベちゃんじゃないですかー! 今度リーベちゃんが知り合った同期の人や、公平さんと同期だっていう人達と一緒に探査でもしましょー! 同窓会、同窓会!」

「俺の同期の人達とも仲良くなってるの!?」

 

 とんでもないことをサラリと言うよねこの子! いつの間にこんな、交友関係ハチャメチャに広めちゃってるの!?

 怖ぁ……リーベちゃんグループ出来上がりつつあるじゃん。システム領域に生きる数万数億の精霊知能、そのすべてに対して調整役を担っていたのは伊達じゃない。

 

 これもう"かわいいかわいいリーベちゃん世代"とかに改めたほうがいいのでは?

 などと考えつつも俺達は通路を進み、本部長室へと到達した。ノックして、反応が返ってきたのでドアを開ける。

 

「失礼します……えーとC級探査者・山形公平です」

「失礼しまーすっ! F級探査者・リーベちゃんでーす!!」

 

 おずおず入室する俺と、いつもどおりの天真爛漫さで勢いよく入室するリーベ。

 もうなんかこの時点でコミュ力の差がすごい。これは人気者になりますわ。そういえば今度、ついに救世の光チャンネルに出演するらしいけど、反響はどんな感じになるんだろうね? ちょっと気になる。

 

「やあどうもお二方。ようこそお越しくださいました」

「来たか山形公平、後釜」

 

 凸凹コンビのご挨拶にも一切動じず、反応するお偉いさんがお二人さん。広瀬本部長ともう一人、言わずとしれてるけどWSO統括理事のソフィアさん……いや今はヴァールだ。

 他にももうメンバーは勢揃いしており香苗さん、マリーさん、サウダーデさん、ベナウィさんにエリスさんに葵さんといつもの面子に加え、WSO日本支部の烏丸さんや全探組理事の新川さん、警察庁の郷田さんもいる。

 果てはダンジョン聖教の神谷さんとウィリアムズさんまで同席していたんだから、これまた勢揃いって感じだ。

 

「おはようございます公平くん、リーベちゃん。昨日はお疲れ様でした」

「ファファファ! よく眠れたかえ? 大変だったねえいろいろ」

「ハッハッハー、どーもどーもお二人さん。元気してるー?」

「おはようございますみなさん。お待たせしちゃいましたね」

 

 もうすっかり馴染みの人達といつもの挨拶。どうやら俺達が最後みたいだ、気まずい。

 そそくさと香苗さんの隣、空いてる席に座る。リーベはさらにその隣だ。これにて準備が整ったのか、早速とばかりにヴァールが口火を切った。

 

「よし、では定刻に少し早いが始めるか……倶楽部壊滅および幹部の捕縛に伴う会議だ。議題は今後について、だな」

「今後……倶楽部と連携して暗躍している、サークルとダンジョン聖教過激派についてかな」

「ああ。あなたが鬼島から聞き出した情報から、その者達が結託して何か共通の目的のために動いていたことが明らかになったからな」

 

 俺の確認に頷く。やはり昨日、概念領域において鬼島こと妖怪・赤鬼に吐かせた情報はヴァールにとっても聞き逃せないことだったか。

 火野を捕まえた後、俺は簡潔にだけど概念領域でのあれこれをみんなに説明している。妖怪軍団の襲来と織田の加勢、そして俺と概念存在の対話というところで、いつもながら伝道師さんが興奮に鼻息を荒くしてメモを取っていたのが相変わらずの光景でした。

 

 そして今回、話し合いのテーマは概ねその辺が絡んでいるのだ。

 関東を荒らし、ダンジョンコアを倶楽部に供給していた秘密組織サークルについてと……神の本体を召喚する、などという目的のために倶楽部・サークル両組織と手を結んでいるダンジョン聖教過激派と。

 

 倶楽部が潰えてもなお止まらない者達を、どうするかについて今日ここで話をするわけだね。




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