攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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どんなご飯も美味しくいただこうという心こそが最高の調味料なのです(キリッ)

 一向にこれといった対策が出てこない中、次第に行き詰まりを感じてきた俺達は一旦、一時間ほどの休憩を取ることにした。

 俺やリーベはちょっと小腹も空いてるしね、昼ご飯食べてないから。虫養いも兼ねてちょっくらお菓子でも食べに行こうってことにしたのだ。ちょうど3時だしね。

 

「はあ、さすがに盆は勘弁してほしかったなあ」

「本当ですねー」

 

 リーベと二人、肩を落としつつ居間へ。リーベは私服だけど俺は化物封印の都合上、神魔終焉結界を着たままのコスプレスタイルとなる。

 一応蒼いコートは脱いで小脇に挟んでるんだけど、下地の大陸系ファッション、ちょっと大きめのサイズな白ズボンと黒い半袖のシャツはそのままだ。夏に適した装いっぽさではあるんだけれど、やはりコスプレ感は漂う。

 

 だからだろうね、居間に顔を見せた時、その場にいた親族一同が一瞬にして静まり返ったのは。

 何やら珍妙なものを見るように、いやまあ実際珍妙な格好の俺なんだけどさ、見てくるんだから堪んないよなあ。

 

「え、何あの服。公平あんな派手なの着てたっけ」

「なんか探査者する時の仕事着らしいよ? 一月前くらいから着だしてるんだけど、正直なんか、アニメっぽいよね」

「あー、なんか中華ファンタジーとかでありそう。つうか中2チックじゃね? 不思議と似合ってるのがすごいけど」

 

 ひどい。アニメっぽいとか中華ファンタジーとか中2チックとか、春香に優子ちゃんにリューさんがトリプルで俺を好奇の目で見てきているよ。でも不思議と似合ってるって言ってくれたリューさんはありがとうございます。

 夏子さんはへー、みたいな顔して見てきてるし啓太くんと恵ちゃんは目をキラキラさせてコートを触ったりしている。こらこらよしなされ、害はないけど一応これ服の形をした結界なんだからね。

 

 とりあえず並べられたテーブルの空いてる席にリーベと二人座る。ちょうど目の前にお菓子の盛られたお盆がある位置だね。

 とにかくお腹減ったしお菓子に手を付ける。小袋入りのチョコレートとかこういう時には最高のやつじゃーん。早速食べて、脳に糖分を補給する。

 あの化物の対処法、考えるためにも糖分は必須だからね。

 

 と、そこで父ちゃんが尋ねてきた。隣でじいちゃんとばあちゃんも、興味津々に俺を見ている。

 

「公平……仕事はどうしたんだ? リーベちゃんも」

「あー、ちょっと休憩。あと俺達はお昼抜いてたから、ちょっと小腹空いちゃって」

「なんだ、腹減ってるのか? 素麺ならまだ余ってるけど、食べるか?」

「マジ? めっちゃ食べたい!」

 

 別に隠す理由もなし、正直に腹減ったし飯食いに来たーって言ったら素敵な言葉が返ってきた。残ってるのか、素麺。

 渡りに船とばかりに食べたい旨を伝えると、じいちゃんがよっしゃよっしゃ任せろ任せろと張り切って台所に行く。

 

 そして数分後、俺とリーベの分のお椀とお箸、つゆと調味料、そして大きなざるにてんこ盛り乗った素麺を持ってきてくれた。

 いやかなり残ってるね!? 俺とリーベが抜けた分を差っ引いても、だいぶ残ってるよこれ!

 

「リーベちゃんも食え食え、リキ付けろ!」

「え、ええーと……す、すごい量ですねー?」

「天ぷらも残りあるぞ、ほれ!」

「えぇ……?」

 

 明らかに盆で親族が揃うということでテンション上がりまくった結果、やたら量を多く作ってしまったんだろう素麺の山。みんなが腹一杯になるまで食べてなおこれってことは、元々の量はマジでとんでもない量だったんだろうなあ。

 なんなら追加で山菜の天ぷらまで出てきた。もうこれおやつの量じゃないよ!

 

「ま、まあ……晩ごはん食べることを念頭に置きつつ食べるか、リーベ」

「はーい! お夕飯もごちそうですもんね!」

 

 

 まあでも腹ペコの俺とリーベだ、それなりに量に気をつけながら食べても結構、食べきれちゃうかもしれない。

 ここは遠野さんスピリッツを見習って食べるんだ、俺! ……と、冗談めかした内心はともかく、素麺と天ぷらを美味しく食べ始めた。

 水気を吸って伸びてるけど素麺は冷えてて美味しいし、天ぷらもレンジで温めてくれたからホカホカで美味い。山菜系の天ぷらだから、素麺の上に乗せたりすると彩りになっておしゃれでいいね。

 

『むう、伸びた麺に油でふやけた衣の天ぷらか。まあ食い時を逃したんだししかたない、これでもかつての異世界で食べたものよりは万倍美味しいしね。ここは初心に帰ろうか──うまい!』

 

 アルマさんが何やら我が親元の飯に文句をつけたがっていたみたいだけど、異世界のひどかったらしい料理を思い出したらしく妙に謙虚なことを言い始めた。

 どんなだよ異世界メシ。なんでもうまいと感じる努力をする姿勢は素晴らしいけど、逆にそんな邪悪なる思念をして万分の一とまで言わしめる異世界の食事事情が気になってしまう。

 

「あー、くそ! なんだこのボス、ふざけてんのかバグだろバグ!」

「…………うん? リューさん?」

 

 と、不意に俺の近くに座ってたリューさんが苛立たしげに呻くのが聞こえた。なんじゃらほい?

 見ると携帯ゲーム機を持って何やら頭を掻きむしっている。まさかこの人、親族の集いでまでゲームしてるのか……




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