攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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第二部後日談編
戦い終わって束の間の宴へ


 倶楽部が作り出した偽りの神の器を、俺だけでなく俺が繋げてきたたくさんの絆とともにどうにかやっつけて後。

 さっそくその場にて始まった総勢50名にものぼる友人知人による宴会に、俺こと山形公平くんも普通に参加していた。

 

「イェーイ大勝利! おつかれみんな、お疲れ様でーす!」

「テンションアゲアゲですねー公平さんー!」

「やーっと全部終わったしな! これで心から夏休みを楽しめるぞー!」

 

 いつになくはしゃぐ俺な姿に、リーベも呼応してテンション高く絡んでくる。そりゃー高揚するよ、なんせ夏休みの実に三分の一を費やした迷惑組織解体が成就したんだもんなあ!

 

 7月最終日からいきなり湧いてきた諸問題もようやく一件落着して、なんていうか解放感がすごい。

 言うて半月くらいしか経ってないんだけど、夏休み的に言えば中盤まるまる持っていかれた形になる。何してくれてんだお前ら! って言いたくもなるよね、邪悪なる思念との最終決戦から一ヶ月かそこらだぞ。

 

 三幹部に概念存在、果ては異世界の神を入れるためのよく分からない器。よくもまあここまでやらかせられたもんだよと悪い意味で感動してしまうくらい厄介な連中だったけど……

 終わってみれば彼らのやることなすことほとんどすべて失敗したわけだから、これはもう大勝利と言って差し支えない内容だろうね。

 

 何より直近で言うと、新スキルをも使っての一大作戦が無事成功した直後ってこともあるので比較的、割とテンション高めに宴に参加している俺ちゃんである。

 はー終わった終わった! どうにか夏休み終盤は呑気できそうでたすかるー!

 

「まあ、自由研究を今からチョッパヤで仕上げなければならないんですけどね……」

「それもあるだろうが山形公平、8月下旬にはサークルやダンジョン聖教過激派絡みで首都圏入りしてもらわなければならないぞ? しっかり予定に組み込んでおかねば、最終日あたりに地獄を見ると思うが」

「それもあるんだよなあ……!!」

 

 たくさん敷かれたブルーシートの一角を陣取り、俺や関係者のみなさんで座って話し込む。ヴァールのさりげない予定確認に、俺は遠い目をして青い空を見上げた。

 そう、倶楽部の案件は本日つい先程をもちましてすべて終了したわけだけど、さりとてそこに絡んだ諸問題はまだまだ余裕で残っている。

 

 具体的に言うと倶楽部と組んで異世界の神を召喚するつもりらしいダンジョンコア密売組織サークルと、宗教組織の闇の部分とも言えるダンジョン聖教過激派の相手をしなくてはならないのだ。

 そんなわけで今月25日、首都において我らが香苗さんのS級探査者認定式がいよいよ行われることとなるんだけれど、そこに合わせる形で俺やヴァール、エリスさん達も首都圏入りする手筈になったわけだね。

 

 連中のアジトをその辺までに現地のアンジェさんやランレイさんが絞り込んで、俺達と合流してから一気呵成に制圧するらしい。

 話はすでに聞いてるらしく、近くにいるアンジェさんが強気に笑って言った。

 

「公平にヴァールさんに先輩捜査官のお二人、しかもあのサウダーデさんまで加勢してくれるんならもうアイツラも終わりね! ま、私らだけでも血祭り上等だったけど助かるわ!」

「か、か、数だけは多いから絞り込み大変なんだよね、アンジェちゃん……えへ、その分、たくさん蹴れるから私は、嬉しかったけど……えへへへ」

「怖ぁ……」

 

 獰猛に笑う彼女も、その隣でビール瓶をラッパ飲みしながらふにゃふにゃ笑うランレイさんも言ってることが怖すぎる。加勢がなくともそれはそれとして血祭りだったんですね……たくさん蹴れたんですね怖ぁ……

 

 マリーさんのお孫さんのアンジェリーナ・フランソワさん。それとリンちゃんのお姉さんのシェン・ランレイさん。

 こちらのお二方とも久しぶりだよ、たしか先月末に首都圏に行かれてそれきりだったかな。お二人ともが能力者犯罪捜査官で、いわゆるコンビとなる。

 

 その辺、今回の件で知り合ったエリスさんや葵さんと同じ感じなんだろうね。いずれにせよ皆さん揃って、極めて実力の高い探査者達だ。

 と、当の師弟捜査官コンビが、アンジェさんとランレイさんを見て何やら話をしていた。

 

「うわ、アンジェリーナさんってばマリーの若い頃に瓜二つだよ葵。いや目付きも言ってることも全然お淑やかで良い子って感じがすごいするけど、顔は完全に一緒だよ、すご!」

「そうなんですか? っていうかお二人とも、捜査官の中でもとびきり腕利きさんなんですよね……同年代なのにすごいなあ」

「葵も精進していけば必ず追いつけるよ。君には君らしい素晴らしさがあるのだから、焦らず頑張りなさいね」

「はーい」

 

 良かった、こっちは平和で牧歌的なやり取りだ。血気盛んなA級トップランカーコンビに比べ、落ち着いたやり取りが安定的だね。

 というかエリスさんの言うことがめっちゃ気になる。アンジェさんって若い頃のマリーさんに瓜二つなんだ……近くに座る御本人を見る。

 

 今でも目元とか似てるところあるなーって思う祖母と孫だから、同年代ならそっくりっていうのは割と納得いく話ではある。

 まあその祖母御本人はちょっと恥ずかしがってるみたいだけど。エリスさんに抗議してらっしゃるけど。

 

「ちょっと先輩、変なこと言わんでください……娘のエレオノールにゃ似てる孫とは思いますけどね、私の若い頃と瓜二つってのは分かりませんよ」

「いやいやそっくりだよ。当時の写真データスマホに入れて持ってるけど見せようか? ハッハッハー、まあ言動のヤバさは君の若い頃のほうがどうしようもなかったけどね!」

「……参ったねえ、この人いらんことばっかり覚えてるから私の手にも負えやしない! なんで写真なんて持ってるんですかい!?」

「ハッハッハー、こんなこともあろうかとってやつさ!」

 

 すごい……あのマリーさんが完全に手玉に取られている。

 見事に返り討ちにして、スマホをヒラヒラ見せながら笑うエリスさんのゆるーい笑顔が素敵に無敵って感じだった。




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