攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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おかし三人娘、いざ出陣!!

 ちょっとした一幕を挟みつつも集結した俺達、さあダンジョン探査だ! 依頼書に記されたダンジョンのあるほうへと、一同並んでてくてくと歩いていく。

 本当にここから近場のようで、アメさんも知り合いのお家の敷地内らしい。彼女が先導して俺達を案内することおよそ10分足らずで、目的地へとあっさり辿り着けたのである。

 

「おお、神社さんとこの娘さん! あんたも探査者やってるのか!? いつの間にスキルを得たんだ?」

「はい! つい最近ステータスを獲得した、新人なんですよ〜。今日はよろしくお願いします〜!」

 

 今回、ダンジョンの被害を被ったお宅の旦那さんが驚きとともにアメさんはじめ、俺達探査者を迎え入れてくれた。

 やけに数を揃えてやってきたことに"うちのダンジョン、なんかヤバいのか!? "と若干焦っていたのは申しわけない。

 

 すぐさまおかし三人娘が新人なこともあり、ベテランが指導がてら補助に回っているという制度上のものであることを説明すれば、彼はホッとして納得してくれたみたいだね。

 主に香苗さんに目をやりつつ、なるほどと頷いている。

 

「あの御堂さんが補助役か……あの、ええと救世主? さんもいるみたいだし、いろいろあるんだな探査者ってのも」

「救世主様が私の先生なんですよ〜! いろんなことをたくさん、教わったり授かったりしてます〜!!」

「へえ、そうかそう──んんん? 先生?」

 

 ああ、アメさんが言わなくてもいいのに余計なことを言ってしまった。救世主が地元の神社の娘さんの先生? と、怪訝な顔して旦那さんが俺を見ちゃってるよ。

 首を傾げられながらもダンジョンの入り口へと案内される。念のためとブルーシートで覆い隠されているのを剥ぎ取れば、どこでも見かける穴があった。

 

 それじゃさっそく参りましょうかと、俺はおかし三人娘へと呼びかける。

 今回の主役は言うまでもなく彼女達、特にチョコさんとアメさんだ。俺と香苗さんとリーベは後ろからついていって、各種サポートやレクチャーなどをする立場なわけだね。

 

「よーっしやろう、二人とも! おかし三人娘、しゅっぱーつ!」

「あのスキルは、絶対今回の探査で身につけるわ……! 御方々と先生の教えは、必ず実現させるんだから!」

「ま、気負いすぎずにアメ姉。今回が駄目でもまた次行けば良いだけなんですし。ですよねパイセン?」

「そうだね。くれぐれも無茶は駄目だよ3人とも、無理せず堅実に行きましょう」

 

 軽快に気炎を上げるチョコさんと冷静沈着なガムちゃんはこないだご一緒した時と同様のテンションだけれど、アメさんがちょっと気負い過ぎな感じになっている。

 始原の4体からの期待や応援とか、俺からの言葉とかをいろいろ、重く受け止めてしまっているんだろう。

 

 そこはガムちゃんの言う通りで、今回が駄目なら次、次が駄目ならその次に行けばいい。別に覚えられないからって死ぬわけじゃなし、当然ながらなんとでもなる。

 そう言って肩の力を抜くように言うと、アメさんは少しホッとしたみたいだった。そうそう、テイク・イット・イージー。

 

「それではおかし三人娘から先に入ってください。我々はその後ろからついていきます」

「万一負傷者が出てもリーベちゃんにお任せあれー! 治療、治療!」

 

 香苗さんとリーベの言葉も受けつつ、旦那さんに見送られながら俺達はダンジョンへと進入した。

 入り際に"救世主ハーレムメンバーってことか? 小さな頃から知ってる、あの娘さんがかぁ……"などとつぶやき、複雑な色を宿した視線を俺に向けてきていた旦那さんに怖ぁ……ってなる。

 

 知ってたのかよ、知ってるわなそりゃ。

 香苗さんを知っていた以上、彼女が伝道師として布教している者についても知っていておかしくないわけだし。

 改めて俺の知名度が、本来の探査者としてのものでない方向で大変なことになってきたなあと戦慄してしまうよ。

 

「──っと、見えてきました。数は2体、ゴブリンです」

 

 しみじみと慄いていると、おかし三人娘の指揮官役であり、同時に忍者として斥候も務めるガムちゃんが先行して敵の姿を捕捉した。高まる緊張の空気。

 すっかり見慣れたゴブリン達だが、おかし三人娘にとってはまだまだ油断ならない存在なんだ。実力的にはまったく問題ないだろうけど、慣れてきた頃に油断するのが一番怖いからね。

 良い緊張を保ちつつ、ガムちゃんが二人に指示を投げる。

 

「いつもならアメ姉は《召喚》で喚び出した召喚物に指示を投げて先手打ち、チョコさんと私で斬り込むって流れなんだけど……今回はアメ姉のスキル修得が目標だしね。パイセン、お願いできますか!」

「分かった、準備に入ろう! アメさん、始原の4体を呼び出してください」

「分かりました!」

 

 完全にお決まりの戦法まで構築できているあたり、もはや連携不全でアタフタしていたおかし三人娘はどこにもない。

 そのことに頼もしさを覚えつつも、けれど今回は俺によるレクチャーを先に入れさせてもらおう。指示を出すとアメさんがすぐに頷き、スキル《召喚》を使用した。




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