ブラックブレッド--破壊の魔獣--   作:断罪

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誤字、脱字は気にせず雰囲気でお願いいたします。感想があればお願いいたします。 
作者、豆腐メンタルなので優しくお願いいたします。


依頼

退屈な国語の授業を寝て過ごし。

数学の授業は目をつけられたら面倒な先生なので、真面目に受けているふりで過ごす。

途中で三回も当てられたが全て無視した猛者もいた。

休み時間になると小動物系の学級委員の女の子に、忘れていたアンケートを提出する。

可もなく不可もない毎日。

陸斗は背筋を伸ばしながら退屈そうに窓の外にそびえ立つモノリスを見つめる。

四時間目の授業が終わったとほぼ同時に、ズボンのポケットに入れておいた携帯が震える。

陸斗の携帯番号を知っている人は数えるほどしか知らない。

まさか雫になにかあったのかと思い、陸斗が急いで携帯のディスプレイを眺める。

げっと、相手の名前を見て思わず頬がひきつる。出たくはないがここで取らなければ、次は嫌がらせに発展する。

いつまでも震える携帯の通話ボタンを押した。

 

「なんだよ楓、こんな時間に。」

 

「もう、わかってるでしょお兄さん。もちろん仕事のお話だよ。」

 

電話口からは少し幼い、楓の声が聞こえてくる。

 

「仕事?悪いが今から授業なんだ、後じゃ駄目なのか?」

 

「駄目だよ、政府からの依頼だもん。まあ事情は車の中で話すから、一緒に防衛省まで行こう。」

 

「防衛省?なんでそんなところに。」

 

「良いから良いから、車は校門の前に止めてあるからすぐに来てね。」

 

通話が切れた携帯をポケットにしまう。

タクシーでも止めてあるのかと思いながら窓の外を見て、陸斗は息を飲んだ。校門にはいかにも高級そうな黒塗りのリムジンが止まっていた。

が、目を凝らして観てみると、リムジンの前方に古いタクシーが止まっており、楓が陸斗に手を振っている。

 

「びびらせんなよ、まったく。」

 

窓枠に足をのせた陸斗は、勢いよく外にダイブする。

一瞬浮遊感のあと、無事に着地。何事もなかったかのような歩き出す。

三階のクラスから「と、飛び降り自殺!」「警察に連絡しろ」など、混乱と狼狽を極めたかのようや騒ぎがおきているがオール無視。

校門を抜けてタクシーまで来ると、楓が腰に手を当てて怒っていた。

 

「お兄さんおっそーい、もう少しで暑さで蒸し焼きになるところだったよ。」

 

「遅いわけないだろ窓から直通できたんだからな。あと、暑いのはその服装のせいだろ、人のせいにするな。」

 

「そうかなー?」

 

くるりとその場で回る楓。

漆黒のような真っ黒な髪とフリル満点のゴスロリワンピースの袖が宙を舞う。ちらりと太股が覗かせる。

楓は陸斗の目の前で無邪気に微笑む。

年齢不明。

本人は大人だと主張するが色々意味(おもにバスト)で小柄な、見た目は少女。

しかし、一応陸斗の雇い主であり「天津風民警会社」の社長である。

いつまでも回る彼女を陸斗はタクシーに押し込むと、タクシーを発進させた。

 

「で、わざわざ防衛省まで行くんだ、なにがあるんだよ。」

 

「さあ~~実は私も知らないんだ~~。」

 

「知らない?」

 

陸斗は首を傾げる。じゃあなんの為にいくんだよと、ツッコミたいのを我慢する。

 

「私も詳しくは説明されてないんだ~。ただとにかく来い、だからね。まったく役人は民警をなんだと思ってるんだろね~~。」

 

「嫌だったら依頼を断ればよかったじゃないか。」

 

陸斗の率直な意見に楓は肩をすくめた。

 

「無理だよ、特に私たちみたいな開業したばかりの超弱小な会社はね。仕事を回さない、なんて仄めかされれば従うしかないんだよ。」

 

陸斗はため息をつく。

 

「所詮は政府のひもひきってことか。」

 

「しょうがないことなんだけどね。最強クラスのイニシエーターは単独で世界の軍事バランスまで左右するって言われているほど強いから。だからあくまで政府は、民間のすべてを自分たち手元に置いておきたい、管理したがるの。」

 

「でも」と言葉を付け足した楓が嫌な話を聞いて頭を抱える陸斗の右腕を凝視する。

 

「それ以上に、地球そのもの破壊する力は管理出来てないみたいだけどね。」

 

「コイツが管理できるたまかよ。」

 

力強く右手を握りしめる。

陸斗の中にいる「怪物」は人間が管理できる代物ではない、そんなことは彼自身が一番わかっていた。

真剣な表情で右腕を視る陸斗に、たまらず楓は抱きついた。

 

「もぉ~~、お兄さんは本当に格好いいな~~。雫ちゃんじゃなくてさ私と結婚しない?今ならオプションで私の胸をすきにしていい権利もあげるよ。ーーって、楓の胸にすきにするほどのないだろ、ってなんだよーー!!」

 

「一人で自虐ネタして自分にツッコムなんて、相変わらず器用なやつだな。」

 

ぎゃーぎゃーと、手を振り回して騒ぐ楓に陸斗はため息をついた。

天津風楓(あまつかぜ かえで)

百年に一人の神童。

天津風民警会社の社長であり、陸斗の上司でもある。

容姿端麗、頭脳明晰、運動能力抜群と神様に愛されたような非の打ち所のない少女である。

天津風流槍術の免許皆伝でもある。が、そんな彼女が唯一コンプレックスを感じているのが自身の体型、おもに胸。バスト。

陸斗と同じ歳にも関わらず、小学生並みの体格。胸は十歳の雫にも負けている。

陸斗と楓が出会って間もない時、一度だけ問われたことがあった。

 

「お兄さんは女性のどこを見たら「大人」って思いますか?」

 

「まずは胸だろ。」

 

直後、陸斗は半殺しのめにあった。

その凄惨な事件以来、陸斗は楓に対して「胸」の話題は避けて過ごしてきたのだ。

 

「ちょっとお兄さん、聞いてるの!」

 

至近距離。楓の貌が少し動けキス出来るほど近くあった。

陸斗に股がり、貌を赤く染めた瞳でこちらを見上げていた。

 

「無視するなんて、酷い。お兄さんがそこまで私を侮辱するなら、考えがあるよ。」

 

「はっ?」

 

楓は両手で胸を寄せあげる。微胸が僅かに、本当に僅かに膨らんだ。

 

「触って。」

 

「はっ?」

 

「いいから触って!私だってしっかり胸はあるもん!壁じゃないんだから!?」

 

陸斗の手を掴み、強引に自身の胸に引き寄せる楓。

 

「ば、馬鹿かお前は!!こんなところで何をするつもりだ!安いAVじゃあるまいし。運転手が観てるぞ!」

 

「大丈夫だよ、そこら辺は微妙な角度で調整して見えないはずだから。」

 

「本当かよ」

 

楓の肩越しに運転手を見てみると、確かに。

バックミラー越しからは見えない。だが、しっかりと見られている。横を向けられた運転手の顔から理解できてしまう。

 

「リア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死をリア充に死を」

 

殺意の籠った瞳からは血の涙を流し、憎悪の呪文を口にしていた。ひっ、とらしくない悲鳴が口が漏れる。

 

「まてまてまてまて!!見られている、ばっちり見られてますがな!!」

 

「もお~~そんなことどうでもいいから、私の胸があるって確かめてよ!」

 

「リア充に死をリア充に死をリア充に死を」

 

陸斗は悲鳴をあげ、楓は陸斗に迫り、運転手は呪詛を唱える。盛大に揺れ蛇行しながらも、タクシーはなんとか走りつづけた。

 

 

 

「ま、まにあったな。」

 

「うん、思ったより危なかったね。」

 

官舎の中、第一会議室と書かれた部屋の前で陸斗と楓は荒い息を調えていた。

あれから大変だった。運転手が道を間違えるわ、渋滞に巻き込まれるわ、よそ見で事故りそうにやるわで、結局官舎に到着したのは集合時間ギリギリだった。

陸斗と楓は視線で合図を交わし、扉を開けた。

小さな扉からは想像できないほど室内は広く、中央には楕円形の卓、奥には巨大なパネルが壁に埋め込まれていた。

遅れて入ってきた陸斗たちに、この場にいる全員視線が陸斗たちに集中する。

 

「「失礼します。」」

 

二人は頭を下げて一番隅の空いている席に座る。

 

「末席も、末席だな俺ら。」

 

「仕方ないよ。できたばかりの会社なんだもん。」

 

「ま、確かにな。」

 

この場に招かれているのは、遣り手といわんばかりの雰囲気を放つているの連中だかり。

 

「たいした事のない奴ばかりだな」

 

「しっ!思ってても言わないの」

 

お口チャックとジェスチャーする楓に陸斗は、肩を肩をすくめて口を閉じた。    

少しはマシな奴はいないかなと思い周囲を見渡すと、二組が目に止まる。

 

「楓、あの男は誰だ」   

 

「どれのこと?」 

 

「あいつだあいつ」

 

陸斗がチョイチョイと指差す方向に楓は視線を向ける。そこには背が高く、口元を柄の悪いスカーフで覆った如何にも柄の悪い男が立っていた。

 

「………たぶんだけど、井熊将監。三ケ島ロイヤルガーダー所属で、IP序列は1584位」 

 

「1584位。あれで1000番台か」

 

「たぶんだよ。私、お兄さん以外の男性って区別がつかないから」 

 

どこにでもいそうなチンピラだが、そうではないらしいな。男が背負っている黒い大剣がただのチンピラではない事をありありと示していた。

 

「んじゃ、あいつは誰だ」

 

陸斗は正面に椅子に座っている、自分たちと同じ年頃の男女を指差す。

 

「天童木更。」

 

楓が思いきり嫌な顔をした。

 

「知り合いか?」

 

「まあ、一応ね。クラスメートだし。」

 

「にしてはずいぶんな貌をしたな、嫌(きら)いなヤツなのか?」

 

「嫌いじゃないよ、好きでもないけど。ただ、その…………ううん。」

 

恥ずかしいそうに言葉を濁す楓。そんな彼女の視線は一直線に天童木更の体の一部に注がれている。

成る程ね、と陸斗は納得した。

胸が大きいのだ。胸が。大事なことだから二回言いました。

それだけではない。出るところはでて、引っ込むところは引っ込んだ凹凸のある肢体、黒く綺麗なストレートヘア、細雪のようなきめ細かく白い肌。

貌も整っていて、まさに美人といった感じだ。

楓と木更どちらがかわいいか、と聞かれれば趣味、趣向で大抵の男子は悩むだろうが。

楓と木更どちらと付き合いたいか、と聞かれれば誰もがきーーー

 

「がっ!」

 

突然足から鈍痛が響く。足元では彼の靴先を楓の踵がぐりぐりと踏んでいた。

 

「お兄さん、今とっても失礼なこと考えていませんでしたか?」

 

「はは、んなこと考えるわけないだろ。」

 

どす黒いオーラを身に纏い、ゆっくりと振り向く動作は恐怖でしかない。苦笑いする陸斗の靴先を、楓はもう一度、おもいっきり踏みつけた。

 

「これで許してあげるね。」

 

悶える彼を一瞥して、楓は椅子に座り直す。

 

「さっきの続きだけど、天童木更と隣にいるのはたぶん里見蓮太郎。IP序列は覚えてないけど、私達とそこまで差はないぐらいかな」

  

その時、制服を着た頭目の人物が部屋に入ってきた。

この場にいる人間が一斉に立ち上がりかけたところで、それを男が手を振って着席を促す。遠い位置にいるため階級章はよく見えないが、おそらく幕僚クラスの自衛官だ。

軽い挨拶と、辞退する者がいないか確認する。

どうやら説明を受けたあとはもう断ることができないそうだ。

誰も席を立たない民警全員を順番に見渡すと、「説明はこの方に行ってもらう」と言って身を引いた。

突然背後の奥の特大パネルに一人の少女が写し出された。

 

『ごきげんよう、みなさん』

 

この場にいる全員が瞬間勢いよく立ち上がった。流石の陸斗も信じられないような瞳でパネルを見つめる。

今日の朝、テレビ越しにみた純白の服装と銀髪の少女ーーーー聖天使がそこにいた。

 

 

 




遅れました。
少しずつでも書いていきたいと思います。
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