見える子ちゃんと呪術最強の子   作:狼ルプス

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見える者

「ついたね!けど見渡す限り山道だけど…ホントに映えスポットあるの…?」

 

「もうすぐだよ。ホラ…あのトンネル抜けた先だよ!」

 

ユリアの指差す場所は電気の通っていない真っ暗なトンネルだった。それを見たハナはあまりの暗さに少し怖がっている様子だ。 

 

「えええ……暗っ、これ通るの⁉︎」

 

「この先の景色がすっごい映えスポットなの!」

 

「(……これは)」

 

俺はサングラスを上げ六眼でトンネルを見つめる。

 

「(相当いるな、気配もかなり濃い。この場所は溜まり場になってる…みことハナは問題はないが、二暮堂は不安だな。それに何が目的だ?)」

 

みこはブレスレットと御札。ハナは生命オーラにより守られているが消費したり消失しないように注意はする。二暮堂に関しては不安があるので目はつけておく。

 

「さ、暁、やっぱりこの場所…」

 

サングラスを上に上げ、六眼で見ていたからか小声で不安そうに俺の服の袖を掴み俺を見上げながら聞いてくる。みこは優しい女の子だからおしに弱い子だとわかる。だから断れず俺に怒られる覚悟で相談してきたのだ。

 

 

「うん、いるよ。それにかなり気配が多いし害のある奴が殆ど、下手したら一級以上がいておかしくない場所だ」

 

「……」  

 

みこは一気に顔色を青くする。みこもまだ霊に対しては怖いものは怖い。

 

「みこ、顔色悪いけど大丈夫?」

 

そんなみこを心配したのかハナが声をかける。これだけ顔色が悪ければ当然だろう。

 

「だ、大丈夫。ちょっと乗り物酔いしただけだから…」

 

みこは乗り物酔いで誤魔化す。ハナは見えていないから霊の事は伏せておく。

 

「(このトンネルは界隈じゃ有名な"溜まり場"…見える人なら出来るだけ通りたくない。お手並み拝見させてもらうわ、みこ)」

 

「(トンネルだと限られた呪術しか使えない、場合によってはハナと二暮堂を眠らせてから祓うか、あるいは…)」

 

俺たちはトンネルに入り改めて中を見ると本当に真っ暗だ。一応立ち入り禁止ではないがあまり徒歩で通るような道ではないのだろう。

 

「ちょっと昼間なのに真っ暗じゃん…、これ絶対通んなきゃダメ…?」

 

「(確かに暗い、明かりがないトンネルか、いつ出てもおかしくないぞ…)」

 

「(んっ…これ、クツに小石が…)」

 

みこはしゃがみ込み靴の中をあさりだし小石を取り出す。立ちあがろうとするとバランスを崩し地面に手がつく。

 

「大丈夫かみこ?」

 

「大丈夫…バランス崩しただけだから」

 

「(まさか一瞬で結界を張れるほどのチカラを⁉︎くっ…格の差を見せつけようってそうはいかないわ!)」

 

みこは手についた土汚れを払う。しかし二暮堂はみこのことをじっと見ている。それに反応がなんか…おかしいぞ、小石を取っただけだぞ?

 

「ねぇ…やっぱ暗くてジメッとしてやな感じだよ…も…戻ろうかな…」

 

「!」

 

ハナが戻ろうと言った瞬間、ズズと霊が現れた。それはもはやゾンビに近い見た目をしており、ゆっくりと迫ってきていた。

 

「(ハナも戻りたがってる今なら…)そうだな、無理して撮る必要はないし、ここがそもそもどんな場所かも知らない。あまり立ち入るのもまずいだろう」

 

「そ、そうだね、戻ろっか!」

 

俺とみこはヤツらに見えていることを悟られないようそのまま引き返そうとトンネルの外に向けて歩き出す。これでいい、今回はあまりに危険だ。ハナはオーラで守られているとはいえ消費するし、みこもブレスレットと御札があり対抗手段はあるが、気配が濃い為効果も中和される可能性もある。呪霊がいないだけでも御の字だが、ここの霊は祓っておかないと、後に肝試しをする人とかもいたら間違いなく何か起こる。

 

「まってハナちゃん!」

 

「?ユリアちゃん?」

 

「え?」

 

「(今度はなんだ…)」

 

「それでいいの…?せっかくの才能を…一時の恐怖心で無駄にするなんて…ハナちゃんのレンズの向こう側には"無限の世界“が待ってるんだよ」

 

「(地獄絵図だよ⁉︎というかなんか増えてる…)」

 

「無限の世界⁉︎世界があたしを待ってる…!もう逃げない!」

 

「(くそっ、余計な事を…!危機感がなさすぎだ!よく今まで何もなかったなこの子…)」

 

暁はまさかの事態に悪態つくが、今まで自身に何も無かったことに驚くしか無かった。あまりにも危機感がなさすぎたのだ。

 

今すぐにでも引き返したいが、ハナがこうなってしまった以上簡単にいかなくなってしまった。霊は視認し、見えるとバレてしまうと襲い掛かったり、自分で誰かに取り憑いたりするので無視すれば問題はない。しかし取り憑かれたら取り憑かれたで面倒がおこるし、取り憑かれたら何かが起こる。

 

「(勝ったと思わないで…まだまだ手の内を見せたくないんでしょうけどそうはいかないわ)せっかくだからトンネルでも撮ろうよ。テーマは【暗がりを照らす光】」

 

「わー!なんかカッこいい!」

 

「(ど、どうしよう…)」

 

「………」

 

そんなわけで写真を撮ることになったのだが…

 

「二人ともいっくよーっ!」

 

「な、なんで私と暁の二人なの?」

 

「だって暁くん映るだけでも絵になるし、せっかくだし男女で撮りたいなって!なんかアート感な感じ?」

 

「そうそうアートアート」

 

「………」

 

あー、もうそろそろこのガキ脅した方がいいか?イライラする…

 

「暁…大丈夫?」

 

「ごめんみこ」

 

「えっ、何…をっ⁉︎」

 

俺はみこの肩に触れ自身に寄せる。俺の無限をみこにも付与させる。これならみこにも近づくこともできないし取り憑くことも出来ない。

 

「おおーっ!暁くん大胆だねぇ〜。二人そのままで!」

 

「(さぁ…いつまでシカトで凌ぐつもり…?マザーを退けた霊能力を見せてごらんなさい!!)」

 

パシャリ!ハナがシャッターを切りそのまますぐにみこを離し距離を取らせ、写真の確認をする。俺はそのまま背後を見る。

 

霊が複数体増えている。

 

「お前らに恨みはないけど…そのまま消えろ」

 

俺は小声で霊に告げ祓う。俺はそのままみこ達の元に戻る。

 

「(え…霊が一瞬にして消えた?いや、祓われたの?今のはみこじゃない。もしかして、この人がやったの?)」

 

ユリアは突然の霊の消失に驚いていた。暁の写真を撮り、後ろを見た途端に霊が消えていたのだ。

 

「(もしかして、この人も見える人なの?)」

 

ポケットに手を突っ込みながら戻ってくる暁はそのままハナの隣に立ち写真の出来を待つ。

 

「ハナ、写真はどうだ?」

 

「うん!いい感じのアーティスティックだよ!」

 

ハナから撮った写真を手渡され取れ具合を確認するが、ハッキリと写っている。

 

「(この男、一体何者なの?やっぱりみこと同じすごい能力者なんじゃ!)」

 

「みこと暁くんもいい感じだよ!みこのこの表情だって滅多に見られないし!」

 

「(暁が祓ってくれたけど、ヤバい方にハナの能力が開花してる…でも)」

 

みこは肩を寄せられた事を思い出し頬を赤くしていく。みこは先程のことが恥ずかしくて仕方ないが

 

「(いい匂い、だった…)」

 

初めて異性の香りを間近で感じたみこは…どんどん顔を真っ赤にしていく。

 

「(まだいるか、祓ったせいで俺を怪しんでるな。これ以上長居はしない方が良さそうだ。写真も撮ったし引き返し……)」

 

ージャラ

 

 

 

「(ああくそ!最悪だ)」

 

「(や、ヤバいのきた)」

 

そこには鎖が巻き付いており、じゃらじゃら言わせ、逆さになった切り口のあるドラム缶に顔、数本の手足、異形の霊だ。

 

「もっといい写真撮れる気がする!早くトンネル抜けちゃお!」

 

 

「は、ハナ、ストッ…」

 

俺はハナを止めようと声をかけた瞬間、異形のドラム缶霊が鎖を伸ばし取り込み?捕食し始めた。

 

「(こいつもしかして、前の特級と同じ、他の霊を取り込む事で力が増すタイプか!このままじゃまずい…この様子だとみこの言った通り二暮堂にはこの霊は見えていない、てか何やってんだあいつ⁉︎)」

 

二暮堂は何やら小さい下級霊に向けて手をバッとかざしていた。

 

 

「ねぇ二人とも、早く行こうよ!」

 

まずい、ハナもやる気満々だ。どうする何かいい方法は…

 

「ハナ!そこにクー」

 

みこは誘導しようとしたのかわからないが、その瞬間に異形の霊は次々と霊を取り込み始めた。みこの顔色はどんどん悪くなる一方だ。

 

ん?顔色……これだ!

 

「みこ、顔色が悪いけど大丈夫か?体調良くないのか?」

 

俺はみこのそばに駆け寄る。そう、今のみこの顔色は誰がどう見ても悪い。この異形の霊がいてもなお見えないふりを継続してはいるが顔色だけはどうにもならなかった。俺はこれを利用して霊から遠ざける

 

 

「え…暁?」

 

「俺に合わせてくれ。これを機にこの霊から遠ざけさせる」

 

「!わかった」

 

みこは俺の意図をすぐに察してくれた。

 

「ハナ!みこの体調が変なんだ。こっちに戻ってきてくれないか?」

 

「え!みこ、大丈夫なの?さっき顔色悪かったけど、やっぱり体調良くなかったの?」

 

「うん、ごめん…ちょっと気分悪くて…」

 

「もしかしてお腹壊したの?」

 

「それハナが言う?(そこにいる霊のせいだなんていえない)」

 

「ハナ、悪いがみこと一緒にトンネルの外で待っててくれるか?俺と二暮堂はもう少ししてから戻る」

 

「うん、わかったー」

 

「ごめん暁、ユリアちゃんも…」

 

「気にすんな」

 

「う、うん。き、気にしないで(くぅ!勝ち逃げするつもりなの⁉︎言葉にできないのは悔しいけど…次は負けないわよ!)」

 

ハナみこに寄り添いながらトンネルの外に向かう。そして外に出たのを確認し、二人きりになった俺は二暮堂に顔を向ける。

 

「二暮堂…」

 

「な、なに?」

 

「お前、あれが見えてるか?」

 

「え?う、うん…って、あなたもあれが見えてるの⁉︎」

 

二暮堂は俺が見える事を明かすとそれはもう驚いていた。

 

「ああ、それと声を抑えて、俺の質問だけに答えろ…いいな?」

 

俺は多少言葉に圧を乗せる。二暮堂はそれにビクッとしながらもゆっくり頷く。

 

「まず一つ目、どうしてこんな場所に俺達を?嘘偽りなく答えろ」

 

「………みこがどれ程の能力者か…見極める為に」

 

「二つ目、お前はここがそう言う場所だと知ってたのか?」

 

「知ってる上で、この場所を選んだわ」

 

「最後に、あれは見えるか?」

 

俺は異形の霊の方を指差す。奴の周りには今霊はいないからな…

 

?オマエ、ミエテルノ?……

 

「?いや、何もないじゃない。ただの暗闇…それならあそこに…」

 

異形の霊は反応し、俺に対して問いかけてくる。二暮堂は低級霊のいる方に顔を向ける。確かに集まっており周囲を徘徊している。

 

あれを使う羽目になるなんてな…

 

「ん、お前、これつけてみなよ」

 

俺はバックから一つのメガネを取り出し二暮堂に手渡す。

 

「?眼鏡?」

 

「騙されたと思ってかけてみろ、かけたらさっき言った場所をもう一度見てみろ」

 

二暮堂は眼鏡を見つめながら渋々とかける。

 

「かけたわよ、あそこに何がいるって言う、の……」

 

!ミタ、オマエ、ミタノカ……

 

「ヒィッ!な、なんなのよあれ⁉︎」

 

二暮堂はあまりの異形の姿に恐怖に陥っていた。反応からして本当にここまでヤバいタイプの霊は見たことがなかったようだ。

 

「あれは俺とみこが見えてるものだ。お前はそこらの霊は見えてるらしいけど、あのヤバいやつは普通じゃ見えていないんだろ?」

 

俺が渡した眼鏡はレンズ越しから呪霊や霊を視認できる眼鏡だ。この眼鏡は母さんが作った呪具の一つだ。

俺の先祖は呪術師だが、母さんはそう言った物を作る呪具師の末裔であり、腕は本物だ。俺も作れはするが母さんには程遠い。

 

今回は持ってきておいてよかった。お陰でこいつには色々と解らせることが出来る。

 

「(こ、こんな化け物をみこは見ていたって言うの?それならすごい能力者なのも頷ける…)」

 

「あと、みこは能力者でもなんでもない、ただ見えるだけの普通の女の子だ」

 

「え?見えてる、だけ…?」

 

「みこは本当は見えない子だった。だけど何も前振りもなく突然奴らが見えるようになった。わかるか?そのせいでみこは毎日怖い思いをしてきて、誰にも…家族にすら相談できずにいたんだぞ」

 

「………」

 

「俺とお前は物心つく頃から見えて周りに変に思われたり、慣れているかもしれない…みこは数ヶ月そこら、俺に相談するまでは毎日霊に見えないふりをやり通してやり過ごして、精神的にもまいってた。家でも気を抜けなかったんだぞ。そして今回はよりによって溜まり場に連れて来られるわ。お前さ…こう言ったことに手を出すなとは言わないけど、危機感ってやつがなさすぎなんだよ!見える者ならそう言う事くらいわかるだろうが!!遊び半分でやってるなら関係のないやつも巻き込んでんじゃねぇぞ糞餓鬼!!」

 

「ッ!ご、ごめん、なさい」

 

「………わかったならいい」

 

涙目になり謝罪する二暮堂はみこがただ見えるだけの子だと知り罪悪感でいっぱいになっている。俺も少し頭に血が上り過ぎてた。

 

「さて、戻る前にアイツをどうにかしないとな…」

 

俺は異形の霊に視線を移す。気配は禍々しくなっており鎖を飛ばしたりする少し厄介な奴だが、俺の敵じゃない。

 

「ねぇ、どうするつもりよ。流石に私でも無理よあれは…」

 

「どうするって?祓う。それだけ…放っておくと確実に人に影響を与えるから…」

 

「ハァッ⁉︎あんな化け物どうやって祓うのよ⁉︎」

 

 

「黙ってみてろ…」

 

俺は霊を見据え、ただただ集中する。

 

ミタ、ミエテル、ミタ!!ミタミタミタミタミタミタ!!オマエミエテル!!

 

ニチャアと歪んだ笑みを浮かべながらこちらに迫る。暁はその場から動かず更に集中する。

 

「ちょ、ちょっと!あいつこっちにきてるわよ⁉︎ねぇ!」

 

 

「…………」

 

 

暁はゆっくり構えを取り、その場から消え、霊の懐に一瞬に入り込み、呪力の込められた拳が、叩き込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く、黒い…雷?」

 

 

 

 

 

 

黒い雷の閃光を迸らせながら…

 

 

 

 

拳を叩き付けると地面のアスファルトにヒビが広がり、青黒い呪力が黒い雷となる。暁は黒閃を決めたのだ。

 

 

まともに喰らった霊は体の一部を失う。しかし暁は霊の背後に周り回し蹴りを与える。

 

そしてその蹴りは再び黒い閃光の雷を迸らせる。

 

「これで…終わりだ」

 

最後に拳を霊の顔面に向け叩きつけ黒い閃光も迸る。異形の霊は粉々に消し飛び消失した。

 

「(3回か…結構耐久力のある奴だったな)」

 

「…………」

 

 

暁は呪力を解き拳を見つめる。そばで見たユリアはポカーンと暁を見ることしかできなかった。非現実的な光景を見せられた彼女からしたらあり得ない光景だった。

 

「うわっ、アスファルトヒビ入ってるし。まぁ…大丈夫でしょ!多分、まっ、一件落着って事で…戻ろうかって、どうしたの?ポカーンとして」

 

「ごめん、ちょっと色々と追いつけないわよ」

 

「ああ、それもそっか。それと二暮堂…」

 

「な、なによ」

 

「みこと仲良くしてやってくれないか?せっかく同じ体質を持った子が同じ学校にいるんだ。隠し事をしないで話せる相手がいるのは…最高だぞ」

 

二暮堂は疲れた表情してる。取り敢えず眼鏡は返してもらいみこの元に戻る。

 

 

 

 

ハナ達と合流し、そのままバスに乗り山道を降りて行く。何故かみこは何やら考え込んでいたが、取り敢えず気にせずバス外の景色を見る。辺りは自然が広がっており景色は良い。

 

 

「(二暮堂とみこ、ようやく見える者同士が同じ高校にいたんだ。いい友達に、なれると……いいな…)」

 

 

なんか…瞼が重く…

 

 

 

 

 

「あ〜映えスポット行きたかったなぁ。ぜったいイイ写真撮れた筈だよぉ」

 

「(あの神社に助けられた。まさか動物に化けることが出来たなんて。霊が言ってたサンカイ…あれは。これ、やっぱり暁に言った方がいいのかな?)」

 

「(……なんか、悪いことしちゃったかも、本当にみこは見えるだけの子ならとんでもない勘違いをしてしまった。あのイケメンの方がバリバリの能力者だったわ)」

 

「……」

 

暗い雰囲気の中はハナはスマホを取り出す。

 

「もう二人とも!えいっ!はい、チーズ!」

 

みこの肩をユリアを巻き込みながら自身に寄せ、カシャっとシャッター音が鳴りハナはスマホを操作する。

 

「そんなに落ち込まないで、写真ならいつでも撮れるんだから。はい!送ったよ」

 

 

「………」

 

ーー幽霊見えるとか、かまってちゃんかよ。キモッ

 

 

 

ぐぎゅるるる〜

 

「なんかお腹すいちゃったしミセド行こうよ!」

 

「いや音…」

 

 

「(考えてもしょうがない。とりあえず切り替えよう)行こっか。ミセド」

 

 

「行こ行こ~!ユリアちゃんはミセド、何が好き?」

 

「ベ、ベニテングマフィン…」

 

「アハハッ!っぽ~い!暁くんは…って、あらら」

 

「?どうかしたハナー」

 

 

するとみこの方に暁の頭が寄りかかってきた。突然の事にみこは顔を真っ赤にして行く。

 

「さ、暁⁉︎」

 

「すぅ……すぅ」

 

「暁くん、すっかりお眠ちゃんだね」

 

「ううっ、こ、これどうしたら…」

 

「つくまで寝かせてあげよ。それに寝顔も超可愛い〜!」

 

ハナは暁の寝顔にキャッキャしていてみこは暁の方へ視線を向ける。

 

「(本当に寝てる。まぁ、この感じじゃ寝てもおかしくないのかな…)」

 

「スゥ…うみゅ…」

 

「(ふふっ、可愛い…それに髪の毛、サラサラのふわふわ)」

 

みこは暁の頭を撫でた後、スマホを取り出し、そのまま暁の寝顔を撮る。

 

 

ーーみこと仲良くしてやってくれないか?せっかく同じ体質を持った子が同じ学校にいるんだ。隠し事をしないで話せる相手がいるのは…最高だぞ

 

「(別に…)」

 

ユリアはハナが撮った写真をそのまま待ち受けに設定した。

 

 

「(なんだろう、暁にこうされるのは…嫌じゃない)」

 

「ねぇねぇみこ、暁くんが寝てる間に聞くけど、みこは暁くんの事好きなの?」

 

「え?」

 

「だってみこって暁くんといる間笑ってる事多いし!今でそうだけど、私でも見たことのない表情も最近見るから、どうなのかなーって!因みに私はみこが暁くんの事が好きだと思ってる!」

 

「………」

 

みこは眠っている暁を見つめる。異性に対して関心のなかったみこ自身も少なからず何かが変わっているのは感じていたが、ハナの言葉により核心へと変わって行く…

 

 

 

 

 

 

 

 

「(私…暁のことが)」

 

 

 

 

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