見える子ちゃんと呪術最強の子   作:狼ルプス

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心強い

「無限?」

 

「そ、昨日君が触れたのは俺との間にあった無限。あの時止まってるように見えてるけど、俺に近づくほど遅くなってるの」

 

「えっと、つまり触れた間にアキレスと亀のような事が起こってるってことですか?」

 

「そんなとこかな、理解がはやくて助かるよ」

 

現在俺と四谷さんは街を適当に周りながら俺の持つ呪力や術式である無下限呪術の説明をしている。

 

「呪力は己の負の感情から生み出す。だ、大丈夫なんですか?」

 

「まぁ、あまりいい良い感じのものではないからね。因みに俺の母さんも呪力もあるし、霊は見えてるよ」

 

「え⁉︎五条さんのお母さんもですか?」

 

「うん、と言うかうちの家系、母さん側の先祖が呪術師だったみたいでさ…そういった奴を祓う事をやっていたらしいんだ」

 

「へぇー」

 

「因みにこの目少し特殊で…六眼って言うんだけど」

 

「え?その目も何か能力が?」

 

「そ、高解像度のサーモグラフィーのように霊の禍々しいオーラや呪力の流れが容易く見える。逆に裸眼でいると視え過ぎて疲れやすくてね」

 

「た、大変なんですね。その、五条さんみたいな凄い力を持っても苦労してるんですね…」

 

「まぁね、その為にこれを身につけてるわけ」

 

俺はわかりやすくサングラスをクイっと指で軽く動かし、四谷さんはサングラスをじっと見つめる

 

「そのサングラスには一体どんな効果が?」

 

「何もないよ?まぁ、強いて言えば普通の人には真っ暗で何も見えない」

 

「え?真っ暗?」

 

「付けてみる?」

 

俺はサングラスを外し四谷さんに手渡す。俺がサングラスを外した瞬間女性からの視線が一気に強くなってきた。

 

「ね、ねぇ…あの人すごくイケメンじゃない?」

 

「うん、俳優さんか何かかな?」

 

「どうしよう、話しかけてみようかな…」

 

「ても、隣にいる子…彼女さんじゃない?」

 

近くにいる女性がこそこそ何か言っているが、俺には丸聞こえだよ。と言うか四谷さんは彼女でもねぇよ。周りの事に気づかぬ四谷さんは俺のサングラスをかける。

 

「うわ、な、何も見えない…」

 

「やばいでしょ?けど俺には普通に見えるんだよね」

 

四谷さんはすぐにサングラスを外し俺に返し、すぐにまた目にかける。

 

「大丈夫なんですか?その、学校とかに行ってる間とかは」

 

「学校でかけるわけにもいかないしね。苦労して今は裸眼でいるのも慣れてるけど…」

 

そう、流石にサングラスは学校でかけるわけにもいかず裸眼で過ごしているが、その甲斐もあって裸眼で一日過ごすのも慣れている。

 

まぁ、プライベートじゃ基本身につけているけど

 

「あのさ四谷さん」

 

「なんですか?」

 

「いつ言おうかタイミングがなかったんだけど…なんで俺に対して敬語なの?」

 

そう、四谷さんは俺に対して敬語であることが気になって仕方なかった。もしかしたら先輩の可能性もあるし、同じ学生の身、少し距離感を感じて仕方なかったのだ。

 

「え?だって私より年上ですよね?」

 

「因みに聞くけど…高校何年生?」

 

「一年生です」

 

「俺も高一…」

 

「え……」

 

なんでそんな驚くの?俺ってそんな老けて見えるのか?まぁ、元々五条悟も平均身長を超えていたらしいから仕方ないことだが

 

「もう一回言うけど、高校一年生。四谷さんも一年なら同い年なの、俺」

 

「え⁉︎私と同い年だったんですか⁉︎てっきり先輩かと」

 

すごく驚いてるよ…しかもこの話を聞いていた近くにいる女性も驚いてるし…

 

「まぁ、名前はいいとして、口調も崩しても全然平気、タメ口でも問題ないよ」

 

「け、けど…」

 

「お互い見える者どうし遠慮はなし…多分だけど、これから四谷さんと関わる事も多くなりそうだし、今のうちに親睦は深めてた方がいいでしょ?」

 

そう言って四谷さんは腕を組み考え始めた。不覚にもちょっと可愛いと思ってしまった自分がいるが、それは口に出さずに心にしまった。

 

「わかり……わかった。これで、いいのかな?」

 

「うん、大丈夫」

四谷さんは口調を崩し、敬語はやめて会話をするようになった。

 

 

 

「あっ、そうだ…これも言っておかないといけないんだった」

 

「?」

 

「忠告なんだけど、心霊スポットとかいわく付きの建物には絶対に近づかない方がいい。中にはとんでもなくやばい奴もいるからね」

 

「わ、わかった。ちなみにやばいってどのくらい…」

 

「そうだな…ゲームでいうモンスターの階級を表すなら上位以上くらいのものかな…確実に何か人に影響を及ぼす類がいるからね」

 

「絶対に近づかないようにする」

 

「そうしてくれ。まっ、俺からしたらいい運動にはなるんだけどね」

 

「そ、そうなんだ(心霊スポットの霊がいい運動って…ちょっと霊には同情しちゃうな)」

 

しかし彼女は知らなかった。近いうち望まない形で心霊スポットに訪れる事になるのを

 

「あっ、そうだ…母さんからおしり大福買ってこいって言われてたわ」

 

「おしり大福?なにそれ」

 

「母さん曰く、モチモチふわふわで超美味しいらしい。俺も一度は食べてみたいと思ってさ」

 

母さんから頼まれた大福を思い出し、四谷さんははてなを浮かべる。俺も影響なのか、甘い物は好きな方だから一度は食べてみたい。

 

 

「ちょうど近くに売ってる店がある。あそこの道を抜けたらすぐに着くけど……」

 

「?どうしたの」

 

俺が動きを止めると四谷さんも足を止めて俺の方を見つめる。

 

「……あそこの道、いるね」

 

「えっ?」

 

「三、いや、四体か…」

 

「い、いるの?」

 

「うん、いるよ…そのうち一体は三体よりも気配が強い」

 

そう、俺が感じた気配は霊の気配、少しばかりタチの悪いタイプだ。俺もこう言った事に気配は敏感だ。俺が霊がいる事を告げた途端四谷さんは顔色を悪くする。

 

「正直ブレスレットの効果を試す絶好の機会だけど…どうする?」

 

そう、ここまで四谷さんと歩いて回ったが、珍しく未だに霊と遭遇することがなく、効果もわからずじまいだ。

 

「………」

 

「無理はしなくてもいい、いやだったら遠回りして」

 

「……行く」

 

「……一応聞くけど、本当に大丈夫?」

 

「正直今でも怖い。けど、今は五条さんもいるから、そんなに不安はないかな、怖い事には変わりないけど」

 

「…そっか、それじゃあ…覚悟はいいかな?」

 

四谷さんは俺の言葉に静かに頷く。それを確認して、近道を通る。

 

四谷さんは俺の隣に立ち歩いているが、服の袖を掴んで離さない、するとまず、暗い道の中、三体の霊が目の前に現れる。

 

 

「っ……」

 

「大丈夫、俺の側から離れないで…」

 

俺は反対の手で優しく四谷さんに安心させるように頭に触る。すると霊の三体は呻き声を上げながらこちらに迫ってくる。

 

「(やばいやばいやばい!こっちに来てる!)」

 

見えないふりをつらぬくが、迫ってきたかと思った霊が突如として動きを止めた。

 

「(あれ、なんで?)」

 

俺たちは気にせず道を通ると、霊は俺たちを避けるような動きを取った。

 

「(あ、あれ?離れて…いや、私達を避けてる?)」

 

「(うん、効果は有りだ)」

 

霊は四谷さんの身につけているブレスレットに気づいた途端即座に距離をとった。

 

「(もしかして、五条さんのブレスレットの効果?)」

 

「(効果有り、しかしわかりやすい霊の反応。この感じはブレスレットに込めた俺の呪力に怖がってるのか?)」

 

「(すごい、全然寄ってこない…!)」

 

取り敢えず効果有りとわかったが、あと一体、三体よりも強力な霊に効果があるかわからない。俺たちは歩いていると、シャッターの中から一体の霊が現れた。

 

『カユイ、カユイ』

 

「(なんかやばそうなのいるんですけど!)」

 

「(この感じは準、あるいは二級相当か?さぁて、こいつにも効果はあるかな…)」

 

俺は分析しながら霊を見据えるが…霊は俺たちを見る、いや、正確には四谷さんの方に視線を向けた

 

『カユイ、カユイ』

 

「(こ、こっち見てる。ご、五条さん…)」

 

『カユイ、カユ……』

 

カユイと呟きながら左手を開いたり閉じたりと繰り返していたが、突如として動きを止めた。

 

「大丈夫、四谷さん?」

 

「だ、大丈夫…平気」

 

「ならいいけど…このまま行ける?」

 

「……うん、大丈夫」

 

俺達は霊に見える事を悟られない様に会話し、四谷さんが覚悟が出来たのを確認してそのまま歩行を再開する。このままいけば目の前の霊に当たるが、普通なら霊を透けるが、気持ちとしても嫌だしぞっとする。

 

『カユイィィー!』

 

すると近づくと霊は慌てた様子でシャッターの中に戻っていった。

 

「(に、逃げた?)」

 

「(二級相当でも大丈夫そうだ)」

 

と言うかなんだカユイー!て。まぁ、霊は限られた言葉しか喋らないから仕方ないが今の逃げ方は可笑しかったぞ。そのまま俺達は出口へと向かう

 

「ふぅ、なんとか切り抜けたみたいだね」

 

「………」

 

「四谷さん、大丈夫?」

 

俺は四谷さんが無言でいる為心配するが、身体をプルプルさせながら

 

「ん……大丈夫」

 

「全然大丈夫じゃないよね⁉︎」

 

体震わせながら泣いてるし!やばい、これどうしたらいいんだ。女の子が泣いた時の対処法なんてしらねぇぞ俺!!

 

 

「ご、ごめん、安心したら急に…」

 

「えっと、その…」

 

どうしたら良いか分からず、俺は取り敢えず頭の上に手を乗せ、優しく撫でる。

 

すると不思議そうに俺を見つめる四谷さん。

 

「ご、ごめん…その、四谷さんに無理をさせて…」

 

「平気…五条さんがいたから、とても心強かった」

 

頭を撫でられているみこは安心したのか表情は安堵していた。それを見た暁も頭から手を離す

 

 

近道の通路から出たのち、お店に立ち寄り、おしり大福をイチゴも一緒に買う。暁がスマホの画面を見ると十二時間近だった。

 

「そろそろお昼だけどどうする?」

 

「え、もうそんな時…」ク〜

 

安心したのか、四谷さんのお腹から可愛らしい音が鳴った……。

 

「………」

 

「あうぅ………」

 

恥ずかしいのか、お腹を押さえ顔を赤くするみこを見た暁は

 

「はは、近くにあるファミレスで何か食べよっか…」

 

「う、うん」

 

その様子に笑みを浮かべて、暁は優しく諭す。二人は近くにあるファミレスへと向かうのだった。

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