どうも、俺は五条暁。四谷さんと会ってからも変わらない毎日を過ごしている。メールのやり取りをする程度や最近帰りのバスでよく会うようになったりでその他は何もない。まぁ、唯一家族以外で初めて隠し事をせずに話せる人物でもある。
俺は一度死んで五条悟の能力をもらい転生した事は覚えているが、生前の事は全く覚えていない。
幸い、家族やご近所を始めとした優しい人々に恵まれていたけど。ただ、父さんは俺が12の時に病気で亡くなった。俺と母さんは霊が見えるから、父さんの霊は認知出来ていて、最後は笑顔で成仏して行ったのは頭の中に今でも焼き付いている。
そして俺は呪術の鍛錬は幼い頃からやっていた。ただ、『術式順転・蒼』『術式反転・赫』『虚式・茈』の扱いには悩まされた物だ。周りに被害が出かねない術式で力の加減も難しい。その為特訓のために場所も選ぶのも大変だった。
けど、その他応用技は難なく出来た。特に瞬間移動なんて便利だよ…以前、危険とされた心霊スポットに赴いた時、特級並の霊を相手にした際に赫を使ったことがあったが、建物ごと崩壊してしまった。
無限をオートにしていた為無傷で済んだが、使い所は慎重に選ばなければならない、ましてや茈は地を更地にしてしまうほどの威力のため、絶対に身近に人がいる場所では使わないと誓っている。
その反面領域展開は支障も無く使えるから使い道は多い、けど滅多に使う事はない。
ただ、術式の鍛錬楽しかったし、出来たら出来たで達成感で充実していた。
基本俺は人に害を及ぼす霊を祓っている。ただ人に視認されないように祓うのも簡単だが、結構大変なのだ。
そして変わらず学校に行くが
「見て!五条君よ!!」
「相変わらず王子様みたいで素敵だわ!」
「迎えにきたよ、なんて言ってくれないかな〜」
「今日誘ってみようかな…」
「ちょっと!何抜け駆けしようとしてるのよ!」
「イケメンは死ね!」
このように毎日のように女子からの視線や声が聞こえるが、そして最後のやつ、俺の苦労を知らないだろ、呪ってやろうか?
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう暁君」
教室に入りクラスメイトに声を掛けられ、俺の挨拶を返す二人。
「暁、珍しく眠たそうだね」
「そう見えるか?」
「うん、僕はそう見えるかな」
挨拶を返した二人は乙骨憂太、そして憂太の彼女である祈本里香だ。この学校の唯一友人であり、気安く話せる仲だ。
「また勉強?」
「そんなところ、やる事なんてそれしかないしね」
「あまり夜更かししちゃダメだよ、憂太も心配するんだからね」
「わかってるって…それで、お前ら最近どうなんだ?」
「うん!私と憂太はラブラブだよ!」
「里香…嬉しいけど…ちょっと恥ずかしいかな」
頬を赤くし惚気ている二人、実際憂太は非力そうな見た目をしているが合気道をやっており、やり始めてたった数ヶ月で達人レベルになるほどだ。
憂太曰く「里香を守るために始めた」だそうだ、男前の理由だよ。二人は幼い頃、大人になったら結婚する約束をしているらしい。
この調子だと、将来は間違いなく結婚するだろう。
『オハヨ』
『オオオオ』
『シュッセキヲカクニンスルゾオオ』
「(変わらずいるねぇ、この地は昔何かあったのか?)」
そう、見える者からしたら霊も普通にいるのだ。二人はみえてはいないが、危害を加える気配があるなら即祓う。
ピロン♪〜
「(ん?誰からだ?)」
スマホを見ると、メールの当て主は四谷さんからだった。
「(四谷さん…)」
『朝早くごめんね。五条さんからもらった御札とブレスレット、すごい効果だった。家には父を除いた霊を見ることが無くなった』
「(よかった。問題なく効果はあったみたいだ)」
どうやら御札効果についての事だった。この様子だとブレスレットも問題なく効果を発揮しているようだ。ただ一級と特級並の霊相手に通用するかわからないから油断は禁物、俺は取り敢えず『いくら霊が避けるとはいえ、どの相手まで通用するか分からないから油断は禁物だよ』と返信するとすぐに既読マークがつき『了解』と返事が返ってきた。
「誰からだったの?もしかして女の子?」
「ん?教えなーい」
「えー、教えてくれたっていいじゃん!」
「こら里香、ダメだよあまり他人の事情につけ込んじゃ…」
「ムゥー」
ちょうど会話が一区切りしたときに担任がやってきたので、席に座り直した。
ごく普通の授業風景が広がるが、霊がいるせいで俺にとっては普通の授業ではなくなっている。まっ、その時は霊にだけ殺気を飛ばし失せてもらっている。
◇
「ん、うう…はぁ、ん…むり…だめ…だめ…助けて、五条さん……」
「………」
「ん……」
少女はゆっくり目を開け、目の前に誰かいるが暗い為顔が見えずカーテンを開ける。
「おはよう姉ちゃん」
「変な起こし方しないでよ恭介…心臓止まるかと思った…」
「寝言言ってたけどやらしい夢でも見てたの?てか五条さんってだれ?」
「っ!」
みこはクッションを投げる構えを取ったが既に恭介は部屋から退室していた。
「………はぁ(寝言…ヤバい夢見てた気がする…て言うか私、五条さんのこと呟いてたの?)」
私、四谷ミコの日常は今年に入って大きく変わった。霊が見えるようになり、毎日神経をすり減らしながら気付かないふりをする。もし目を合わせて見えることがバレたらヤバい。当然のように見た目も怖いし、超怖い。ただ中にはしっかりした霊や猫の霊も見たこともある。私の父がいい例だ。
誰にも、家族にすら相談できない悩みだったのだが、つい最近悩みを話せる人と会うことが出来た。
名前は五条暁さん。
白一色の髪に、空色のような青い瞳、背は男性の平均身長を超えており、私と同じ高校一年生だった。
誰もが見てもイケメンと思える見た目だが、私はそう言った人は女性に対してグイグイして性格も怪しい感じなイメージが強かったけど、五条さんは違った。
優しくて、私の悩みの相談を真剣に聞いてくれた。どうやら彼の御先祖は呪術師という昔霊を祓うことをしていたらしく、お母さんも見えているらしい。
そして私にとっても常識が覆る事にもなった。五条さんは特殊な能力を持っており、呪力という己の負の感情から生み出す力を持っているらしい。
その呪力を纏えば霊に触れることも可能なようで、最初に会った時は脚に纏わせ霊に目に見えない踵落としを喰らわせていたのだから。
そして五条さん固有の能力、正式には呪術と呼び、五条さんは『無下限呪術』と言う術式を持っているらしい。
能力は収束する無限級数を現実にする能力で、五条さんの周りには術式によって現実化させた「無限」があり、打撃や霊、呪力による攻撃、瓦礫なども近づくほど無限に遅くなっていき、距離は決して0にならず、透明の壁に遮られているかのように届かなくなるらしい。実際私も経験したが今でも驚きを隠せない。
「家に霊がいないとはいえ、夢じゃどうにもならないか…」
私はベッドから立ち上がり学校に行く準備を始める。五条さんからもらったブレスレットを身につけ、いつも通り階段を降りる。
「おはようみこ、朝ごはん出来てるわよ」
「うん、わかった」
前までは霊が目の前で食事に舐める行為をしていたせいで食欲が出なかったが、今では霊なんて気にせず食事が出来る。恭介の姿がなかったが、もう先に学校に行っている様だ。
「いただきます」
私は朝ごはんをしっかり食べ終え、学校へ向かう。外では気を抜く事が出来ないが、貰った霊避けの御札とブレスレットのおかげで霊は逃げる様に避けてくれる。
「(避けてる。今日も五条さんのブレスレットが効いてる)」
私には五条さんの様に霊に対抗できる力はない。見えるだけで何かできる訳では無い。だって怖いから。
「(五条さんには本当に感謝しかない…)」
前に学校帰りにあった際に霊を祓っている所を見たが、殴る蹴るでお祓いするパターンが多かったのだが、軽い仕草をしただけで突然霊が祓われたりという事もあった。五条さん曰く、術式の応用らしい。
けど、最初に会った時の衝撃的な光景は、一生忘れないと思う。バス停につき、学校に向かうバスに乗り込む。
「そうだ、五条さんに報告しておこうかな」
私は五条さんにメールを送り、数分してから返信音が鳴り内容をみると、『いくら霊が避けるとはいえ、どの相手まで通用するか分からないから油断は禁物だよ』と帰ってきて、私は『了解』と返事を返す。
「あー……霊を気にしない日常、最高…」
五条さんとの相談で御札とブレスレットをもらい、帰ってすぐに御札を部屋に貼り付けるとすぐに効果が出た。父を除いた霊は叫びを上げながら家から出ていき家の中には一体もいなくなった。
家では貰った霊避けの御札のおかげで気を抜く事ができる。これが精神的にとても助かる。少し前まではそれすら出来なかったから。前は洗面所で待ち構えてる霊、布団に入ってくる霊、リビングに四足型の霊がいたのだから。
だから、五条さんにはとても感謝してる。
私に…苦しいならば苦しいと、助けが欲しいなら、助けてって言って良いんだって言ってくれた。本当にあの時は嬉しかったし、心強かった。
——それに俺、四谷さんみたいな女の子……結構好きだよ
「………なんで、五条さんの姿が浮かんでくるの?」
みこは知らぬうちに頬を赤くしていき、まだ知らぬ淡い心に…気づかずにいた。
この世界の乙骨憂太と祈本里香は呪霊が存在しない世界の二人で、今作主人公と同級生であり友人です。
祈本里香の家庭の事情は原作通り悪く、交通事故にはあっておらず無事憂太と付き合っております。今作このままいけば確実にゴールインする仲です