不知火 要は勇者でない   作:SoDate

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二話 更新です


二話, 祝勝会

始めての戦いが終わったその日、俺を含めた四人は大型ショッピングセンター イネスのフードコートにやって来ていた。そんな中で鷲尾がカバンから一枚の紙を取りだして席を立った

 

「えっと...今日という日を無事に迎えられたこと、大変うれしく思います」

 

まさかの祝辞...祝辞でいいんだっけ、こういうの

 

「本日は大変お日柄も良く、神世紀二百九十八年度「勇者・初陣」の祝勝会という事で」

「堅苦しいぞぉ、かんぱーい」

 

どうやら三ノ輪も堅苦しいと感じていたらしい。鷲尾の祝辞をぶった切ってジュース飲み始めた

 

「せっかく準備したのに...」

「まさか、休み時間の間真剣に書いてたの...それか?」

「えぇ、そんなに堅苦しかったかしら...」

「...おっと、ジュース切れた、買いに行ってこよ」

「ちょっと!?」

 

明言するのは忍びない...というより言ったら言ったでクソ真面目な我が幼馴染はちょっとしたことでも深刻に受け止めかねない事を、かかわりがなくなっていた俺でも知っている

 

「あっ、そういえば鷲尾さんから誘ってくるのって初めてじゃない?」

「そういえば、そうかも」

 

三ノ輪の言葉に同調すると、彼女は少しだけ前のめりになって言う

 

「合同練習もなかったし、私らの初戦。良くやったんじゃないか?」

「ねー!それで私も興奮しちゃって...」

「案外何とかなるもんだよなぁって感じだったな」

「わ、私も...実はその話をしたくて」

「ワッシーも?」

 

ジュースのストローをいじっていた鷲尾はおずおずとではあるが話を始める

 

「私、二人のことを信用してなかったと思う...それは、三人のことが嫌いとかじゃなくて、私が...人に頼ることが苦手で」

「ワッシー」

「でも...それじゃ駄目なんだよね、。今回だって...きっと私一人じゃ何もできなかった」

 

そこまで言った鷲尾は、俺達の方を向く

 

「だから、その...これから私と、仲良くして...くれますか?」

「なーに言ってんだ!もうすでに仲良しだろ!」

「そうだよ!それに私も友達作るの苦手だったから」

「だな、わざわざ仲良くしない理由もない...幼馴染ってことを抜きにしてもウェルカムだ」

 

俺の言葉を聞いた乃木は目を輝かせて俺の方を向く

 

「へ~!ワッシーとやえくんって幼馴染なんだ~!」

「お、おう...どうした急に?」

「なんでもないよ~」

「でも、あんま幼馴染って感じしないよな」

「ここ一、二年は色々立て込んでて二人で遊ぶこともなかったからなぁ」

「いいや!アタシの勘がそれだけじゃないって言っている!」

 

俺の言葉を聞いた三ノ輪は確信を持った目でこちらを見るとニヤついた表情で俺に詰め寄ってくる

 

「ほれほれ、アタシに言ってみ?本当の理由をさぁ」

「いや、その...何と言うか、ほら。もうすぐ中学生だし...ちょっとした気恥ずかしさというか。接し方を忘れたというか」

「なぁんか難しい言葉使ってるけどさ、ようは鷲尾さんが美人だから恥ずかしいんだろ?」

「びッ!!」

「......まぁ、そうともいう」

 

三ノ輪の言ったことは結構的を得ている。それこそ俺と鷲尾は小学校に入る前からの付き合いでそのころからやたら愛らしかったし、それが小学校入ってからその...何と言うか...発育の方が大変よろしくなったというか...かわいいから美人になったというか

実際にめっちゃ可愛くなってるんで、接し方がわかりません」

「...途中からめっちゃ声に出してるぞ、お前」

「えっ?...どこから?」

「発育の方がから駄々洩れだったよ~」

 

かなりの不味さを感じながら鷲尾の方を見ると、彼女の顔は真っ赤になっていた

 

「その...鷲尾、すまん...さっきのは言葉の綾と言うか」

「...んな事で」

「え?」

「そんなことで、避けられていたなんて...一生の不覚」

「あぁ、そこなんだ」

 

なんか心配してた割に大丈夫そうだったなぁなどと考えていると、ジュースが切れていることに気付いた。お小遣いにも余裕があるしもう少し買っても大丈夫か

 

「ごめん、ジュース切れたからちょっと買いに行ってくる」

 

 

 

 

徹くんが飲み物を買いに行ったのを見た私は大きく息を吐いて机に突っ伏した

 

「ワッシーよく我慢したね~」

「...恥ずかしかった」

「鷲尾さんってもしかして、真っすぐ褒められるのに慣れてない?」

「慣れてないというか...慣れないというか...けど、少し距離を感じてた理由が分かってホッとしたわ、本当に嫌われてると思っていたから」

「よし!それなら私たちも協力するから元の距離に戻れるよういっぱい遊ぼう!」

「さんせーい!」

「...それじゃあ、お願いしようかな」

 

やっぱり、私が勝手に遠慮していただけだったんだ、これからもっと仲良くなろう、仲良くなれるように頑張ろう

 

 

 

 

「ただいまー」

「遅かったなー」

「店が思った以上に並んでてさ、ちょっと時間食った」

 

そう言って座ると、三ノ輪が話始めた

 

「そういえばさ、もっと仲良くなろうって話をしたじゃん」

「したね~」

「ならさ、まずは形から入るべきじゃない?」

「形から?」

「そっ、形から...そこで、まずはフレンドリーに名前で呼び合おう」

 

名前で呼び合うか、うん良いと思う。父さんが言っていたが仲良くなるには名前で呼び合う所から始めるのが一番らしい

 

「それすごい良いと思うよ~!」

「そうだな、父さんも似たような事言ってたし、それが一番の近道な気がする」

「よしっ!それじゃあ改めてよろしくな、園子、徹...鷲尾さんも、須美って呼んじゃっていいよね?」

「えぇ、こちらも...銀と呼ぶわ」

 

なんだか分からないが、仲良くなるって言うのはこういう事なんだろうなって感じの会話だ。三ノ輪...もとい銀のフレンドリーさには尊敬すら覚える、真似出来る気はしないが見習って行けたら良いかと思う

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